雨降りの被害頻発の今年、やっと晴れた采女祭りに「春日若宮おん祭り」を考えてみる
- sarukame999
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采女祭りの行列は初めて見たような気がする。 皆さん綺麗な出で立ちです(^^) 私も着てみたい(≧∇≦) pic.twitter.com/yEzKv7uNdT
2014-09-08 18:06:49空模様が心配された猿沢池の「采女祭り」、旧暦の8月15日、仲秋の名月の行事です。
見事に晴れた空に、満月が上がってひと安心。
今年の #采女祭り は、空も晴れ渡り、きれいなお月様がみられてよかったですね。ただ橋本町のメンバーの話では、一時、風がきつくて灯籠を浮かべた小船のうち半分ほどがひっくり返ったのだと。
2014-09-08 20:39:29采女祭り。お雛様がお船乗ってるみたいでした。 Uneme Festival at Sarusawa-ike pond in Nara, Japan. @ Sarusawa Pond Nara instagram.com/p/sr25L_tHm0/
2014-09-08 21:55:23それにしても、今年の夏は、どんだけ雨が降るのかと思いましたねえ。
今年の夏、会う人ごとの時候のあいさつは「相変わらずよう雨降りますなあ」だった。日照時間の少なさは、今のところ野菜の高騰をもたらしているけれど、稲作の「実入り」も心配だと思う。実は、春日若宮の「おん祭り」が始められたのは、長雨による飢饉がきっかけだった。
2014-09-09 21:23:11平安時代の長保五年(1003年)、春日大社本殿に落下したトコロテン状の物の中から出現し、母神ヒメカミの第四殿に入っていったという若宮、アメノオシクモネノミコトは、その後、第二殿(フツツヌシ)と第三殿(アメノコヤネ)の間に祀られ、水を司る神として仰がれていたという。
2014-09-09 21:32:14若宮出現後、百数十年、院政の下で源氏や平氏の武士が力を伸ばしてきた時代、長承年間には大雨や洪水が続き、飢饉や疫病が蔓延した。これを水神であるアメノオシクモネの神威により治めるために、関白藤原忠通により1135年(保延元年)には現在地に若宮神社が造営された。
2014-09-09 21:43:16そうして、その翌年、1136年保延2年に若宮の神霊を春日野に迎えて始められたのが、春日若宮のおん祭りとされている。当時は、旧暦9月17日に行われたというから、遷幸や還幸は月明かりで行われたと言うことだろう。関白忠通本人は、腹痛のため参列できず、代りに楽人を「日の使い」とした。
2014-09-09 21:48:07今年の夏の大雨や日照の少なさが、農作物に被害を与える状況を考えると、最初の「若宮おん祭り」が9月に行われたというのは、とても納得できるような気がする。「若宮さま、もういい加減に雨を止めて下さい。米の収穫ができません」そんな気持ちで、当時の人々は祭りを始めたのだろうか。
2014-09-09 21:53:48保延二年9月17日(旧暦)に始められた春日の若宮祭は、後に、11月17日へと日程が変わる。長雨による飢饉への切実な思いで始まったおん祭りは、霊験あらたかに雨が止んだことで、農繁期を避けて、収穫後の時期に移されたと言うことだろう。
2014-09-09 22:12:04春日の若宮祭、旧暦9月から11月に移っても「17日」というのは変わっていないのだが、これはやはり旧暦だからだろう。15日=満月であって、17日までの間、月明かりの下で遷幸還幸やさまざまの神事を行うことができる。いかに「浄闇の中の神事」といえど月もない闇夜は避けたのだろう。
2014-09-10 07:23:18神仏に関わる伝統行事の日程を、旧暦で読み解くと「なるほど」と思うことが多い。二月堂のお水取りは、新月1日に始まって満月の15日に満行となる。おん祭りは、満月の15日に大宿所詣を行い、17日深夜に還幸し終る。現在のように自由な照明がない時代、月明りは日没後の行事に大きく影響する。
2014-09-10 08:24:2611月17日(旧暦)で続けられてきた春日若宮おん祭りは、維新後の明治11年から12月17日(新暦)に日程が変わる。明治政府が太陰太陽暦からグレゴリオ暦に移行したのは明治5年なので、その間はどうしていたのだろうかと思うが、おん祭りも、お盆同様「月遅れ」の開催になったわけだ。
2014-09-10 08:46:1517日では、京都の祇園祭の山鉾巡行も7月17日である。もとは旧暦6月だったようだけど、こちらも月遅れだろうか。それと観音講が「17日」であること。春日一宮タケミカヅチの本地仏が釈迦もしくは不空羂索観音で、若宮の母神四宮は十一面観音と、春日明神は観音と縁が深い。(若宮は文殊菩薩)
2014-09-10 09:02:04今年の秋の実りの具合によっては、年末のおん祭りに対する思いは大きく変わるかも知れません。
月遅れについて、新たな情報を追加
ならまちの奈良市史料保存館、「大和名所図会」で歩くならまちという展示が行われてますが、その中に「御霊社の祭り9月13日」とあった。御霊神社は、明日10月13日が例祭で台風のため「お渡り」は中止なんだけど、やはり、ここも明治から「月遅れ」になっているようだ。
2014-10-12 18:46:03「月遅れ」といえば、春日若宮おん祭りは、保延2年の9月17日に始まって、その後「11月17日」となって明治以後、月遅れの12月17日となったと思っていたら、ある資料には、「11月25日」(もちろん旧暦)というのがあるらしい。
2014-10-12 18:53:09