K0) 金谷先生『日本語は敬語があって主語がない』(光文社2010)について本文を引用しつつコメントを付したいと思います。思いつくままに書きます。内容に言及しますので、これから読まれる方は冒頭に「K No」が付されたポストを無視していただけると幸いです。
2010-11-23 14:04:52K1) p.5 「日本語で敬語が体系として文法化され発達している理由は…人間関係の大切さ、相手への思いやりが明瞭に敬語で表現できるからです。」なるほど_φ(・_・
2010-11-23 14:23:33K2) p.6「敬語…ちょうどその正反対は、<話し手>が<聞き手>に対して高慢な態度をとり、見下すような視線で…」前者が日本語、後者が英語、ということのようです。
2010-11-23 14:30:39K3) p.29-30 「…(『雪国』の)英訳の「The train came out of the long tunnel into the snow country.」はどうでしょうか。…明らかに話者の視点は汽車の外にあります。よく見ると原文には…「主語」がありません。」
2010-11-23 14:38:40K3-2)p.30「やむなく、訳者サイデンステッカーは原文にはなかった単語を文脈から探して主語にせざるをえませんでした。」「日本語のほうは…コト(出来事)を表しているのに、英語では汽車という「モノ」をわざわざ持ってきて、それの「トンネルからの出現」という表現にすりかえてしまった…
2010-11-23 14:44:56K3-3)p.30「…サイデンステッカー氏が悪いのではなく、「話者が世界を支配するように見下すSVO言語」になってしまった現代英語のせいです。」主語が話者以外でもそうなのか_φ(・_・
2010-11-23 14:48:50K4)p.31「実は、古英語まで遡れば英語話者は日本語と同じような「地上の視点」を持っていたに違いないのです。源氏物語が書かれた頃の英語には、主語がありませんでした」p.32「(ノルマン・コンクェスト以後の英語の変化)これが主語の発生にほかなりません。」
2010-11-23 14:56:18#knyn 氏がSVOを目の敵にする一応の根拠さえも今ひとつ不明なんだよな… 『英語にも…』によると、SVOの構文形式は行為者(主語)-対象(述語)の関係を作り出すらしいけど、我が凡庸な頭脳では理解するの無理w (せっかくなのでハッシュタグを使ってみるなど。)
2010-11-23 15:02:04K4-2)p.33「つまり主語とは人類の言語に普遍的なものではなく、一部の西洋語に例外的に発生した現象です。」「英語話者の視点が今や地上を離れて上空高く舞い上がり、上空に不動の「神の視点」を持つに至ったのも実はその結果なのです。」主語を持たない→「神の視点」を持たない: 推論×
2010-11-23 15:04:44K4-4)p.173「ここ(絶対主義時代の世界觀の成立)において…「神の視点」はついに完成したと言えます。誠に興味深いことに、デカルトの…「Cogito ergo sum」で、そこに主語はありません。しかしこれをフランス語に置き換えた「Je pense, …には主語「Je」が…」
2010-11-23 15:13:34K5) 金谷先生の語り口は首尾一貫、明晰この上なく、金谷先生の主張につながる土台が揺るぎなく築かれます。ただ論証と実証が欠けているだけです。
2010-11-23 15:18:55実に味わい深い論評です。QT @satounaoto: K5) 金谷先生の語り口は首尾一貫、明晰この上なく、金谷先生の主張につながる土台が揺るぎなく築かれます。ただ論証と実証が欠けているだけです。
2010-11-23 15:21:28励みになります! RT @koda_TO: 実に味わい深い論評です。QT K5) 金谷先生の語り口は首尾一貫、明晰この上なく、金谷先生の主張につながる土台が揺るぎなく築かれます。ただ論証と実証が欠けているだけです。
2010-11-23 15:27:30ご心配、ありがとうございますm(_ _)m 実際、頭痛がします… RT @laptopraptor: 抜粋を拝見してるだけでもアタマがくらくらしてきますので、くれぐれも無理はなさらぬよう
2010-11-23 15:28:53