茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第1325回「生きものは、いいかげんでいい」

脳科学者・茂木健一郎さんの9月16日の連続ツイート。 本日は、最近の国際ニュースについて。
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茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート1325回をお届けします。文章はその場で即興で書いています。本日は、最近の国際ニュースについて。

2014-09-16 07:22:03
茂木健一郎 @kenichiromogi

宗教とは、なんだろうか。いろいろな側面があるけれども、一つの特徴として、絶対の帰依を求め、他の影響を許さない、という性質がある。Aという宗教を信じている人は、Bという宗教にふれてはいけない、というような構造。これが、悲劇を生み出していることは、明らかだ。

2014-09-16 07:24:03
茂木健一郎 @kenichiromogi

今、中東で、一部の原理主義のひとたちが恐ろしい映像をネットに上げ、世界のひとたちが憤激している。怒るのは当然だと思う。難民の援助のために現地入りしたひとを拘束し、あのような恐ろしい運命を強制するような、そんな「文化」を認めるわけにはいかない。

2014-09-16 07:25:38
茂木健一郎 @kenichiromogi

一方で、ぼくが気になるのは、排他的な宗教性に反対する動きが、鏡のように、そちらも排他的な雰囲気になることがあることで、今回のイスラム国に対する西欧諸国の反応も、気をつけないとそれ自体が排他的な精神に火をつけてしまう。蛮行は許されないが、それに対する反応自体が教条的ではいけない。

2014-09-16 07:27:06
茂木健一郎 @kenichiromogi

日本人のいいかげんさは、この点において、救いになる可能性がある。初詣で神社に行き、クリスマスを祝い、キリスト教式で結婚し、仏教のお葬式をする。もちろん、一つの宗教を熱心に信じている方もいるだろうが、それぞれの宗教のよいところを混ぜてしまうという日本人のいいかげんさは、悪くない。

2014-09-16 07:28:53
茂木健一郎 @kenichiromogi

イスラム教の一部の方の過激な原理主義に対して、西欧諸国が反応するとき、気をつけないと、キリスト教という宗教を背景にした「宗教戦争」になってしまう。最近の、リチャード・ドーキンスらが唱えている無神論も、宗教を一切否定する点において、原理主義的な匂いがする危険性がある。

2014-09-16 07:30:25
茂木健一郎 @kenichiromogi

生きものは、おそらく、いいかげんなものだと思う。一つの原理ですべてを統一しようという衝動は、きっと、失敗する。文化的な相対主義を唱えているのではない。生きものにとって一番大切なのは「命」のはずで、「命」に反しない限り、いろいろなものを混ぜていいんじゃないかと思う。

2014-09-16 07:31:55
茂木健一郎 @kenichiromogi

イスラム国の問題は、おそらく、西欧諸国においてはたいへんな問題として認識されているはずだが、日本はそのような対立の構造からどこか外れたところにいる。外れたところにいるのが、良いとぼくは思う。原理主義と原理主義の衝突は、それ自体が反生命的である。命のことだけ考えていればそれでいい。

2014-09-16 07:33:54
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート1325回「生きものは、いいかげんでいい」のテーマで、7つのツイートをお届けしました。

2014-09-16 07:34:48