米空母ジョージ・ワシントンの黄海における米韓合同軍事演習への参加を巡る問題

11/24、在韓米軍は空母ジョージ・ワシントンが参加する黄海での米韓合同軍事演習を11/28-12/1の予定で行うことを公表した(http://bit.ly/fnQNZy)。だが黄海での演習に空母が参加することは中国が激しく拒否してきた経緯がある。北朝鮮の砲撃事件を契機にした空母の黄海への投入は米中関係にどのような影響をもたらすのか。
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fj197099 @fj197099

北朝鮮砲撃事件の余波が収まる気配を見せないが、今日一番のニュースは何と言ってもこれである。在韓米軍が11/28から12/1までの予定で空母ジョージ・ワシントンを投入した黄海での米韓合同演習の実施を発表した。最大級に重要なニュースである(http://bit.ly/fnQNZy)。

2010-11-24 21:59:12
fj197099 @fj197099

過去の経緯を知らねば価値が分からぬかも知れないが、これは朝鮮半島問題を米中対立に発展させる可能性を孕む重大ニュースだ。今年三月、韓国哨戒艦撃沈事件が起こって五月に韓国は北朝鮮が犯行を行ったとする国際合同委員会の報告を公表した。そして米韓は対抗のため黄海での演習を実施しようとした。

2010-11-24 22:02:26
fj197099 @fj197099

ところが中国はこれに激しく反発したのだ。三月、中国は南シナ海を自国にとっての「核心的利益」だとする発言を米側代表者に行い、米中間の緊張が高まっていた。そこで中国は突然、空母ジョージ・ワシントンの黄海への侵入は罷りならぬという強硬姿勢に転じたのである。驚いたのは米韓であった。

2010-11-24 22:04:05
fj197099 @fj197099

黄海は中国に近く、中国が空母の進入に敏感になるのは分かる。だが黄海は同時に「公海」でもあって、如何なる国籍の船と言えども国際法上進入を拒否することはできない。米韓は中国が明白な国際法違反の主張をしたことに驚いた。しかもジョージ・ワシントンは昨年10月に同海域で演習を実施している。

2010-11-24 22:06:20
fj197099 @fj197099

わずか7~8ヶ月で中国の姿勢は極端に大きく変わった。米韓からすれば黄海での空母を交えた米韓合同演習は北朝鮮に対する示威行動であって、中国を威圧する意図など毛頭なかった。だから中国が極端な強硬姿勢に転じたことに驚き呆れ、また国際法上の海洋の自由通行を危うくするものと怒りもしたのだ。

2010-11-24 22:08:03
fj197099 @fj197099

こうして米中間では六~七月にかけて黄海での空母を投入した演習実施を巡る激しい神経戦が展開されたのである。結局、この時は北朝鮮対策優先のため米側が折れて、朝鮮半島の東側で(つまり日本海で)七月末に大規模演習を実施したのだが、米中間のしこりは残った。米国はリベンジを決意したのだ。

2010-11-24 22:12:05
fj197099 @fj197099

七~九月にかけて南シナ海の問題や尖閣沖の問題などが立て続けに起きて、米側としては中国に弱い姿勢を見せることは絶対に出来なかった。公海たる黄海を中国の勢力圏にして他国の艦船が排除されるようなことがあっては絶対にならない。米国は必ず黄海での空母を投入した演習を実施すると決意したのだ。

2010-11-24 22:14:22
fj197099 @fj197099

故に七月末以来、米国はずっと黄海での演習計画を検討し続けていた。実は九月に一度やろうとしたのだが、台風で延期となってそのまま流れている。だから現在、北朝鮮が三月の哨戒艦撃沈に引き続き再び露骨な挑戦行為に出た今、黄海で空母を投入した演習を実施するということには大変な意味があるのだ。

2010-11-24 22:17:04
fj197099 @fj197099

今回の砲撃事件は哨戒艦撃沈以上に誰が見ても北朝鮮の悪事であるから、これに対抗して黄海で大規模演習をするという米韓の行動を中国が拒否することは難しい。そんなことをすれば中国は明確に北朝鮮側の国とみなされ六者協議は名実共に崩壊してしまう。今なら中国は断れない。米側はそう判断したのだ。

2010-11-24 22:19:03
fj197099 @fj197099

米国の空母投入のタイミングは正に絶妙だ。ジョージ・ワシントンは今日24日の朝、横須賀を出航していった(http://bit.ly/gHjFmf)。28日から黄海で韓国軍と合同演習を12月1日まで行う。そして実は3日から10日まで今度は南西諸島で自衛隊と合同軍事演習に参加するのだ。

2010-11-24 22:23:18
fj197099 @fj197099

しばらく前から話題になっていた離島防衛のための日米合同の大演習である(http://bit.ly/bORPsI)。一目瞭然であるが、二つの演習は一見、別個であるように見えて、実は中国を軍事的に牽制するという共通の目的を持つことが極めて明確なのである。米国のリベンジが始まるのだ。

2010-11-24 22:28:54
fj197099 @fj197099

当然、中国がこれらの演習にどのように反応するかが非常に注目される。前回の七月の時は中国は米空母の進入を食い止めんと黄海と東シナ海、それに南シナ海でも大規模な演習を繰り返した。今回も同種の対抗演習が行われる可能性は十分にある。この地域の12月は極めて緊張を孕む展開を迎えるだろう。

2010-11-24 22:30:28
fj197099 @fj197099

北朝鮮の砲撃事件を単に朝鮮半島の問題として捉えるのはもはや不適切だ。それは今や明確かつ密接に中国との戦略的駆け引きと結びついているのである。空母ジョージ・ワシントンの黄海投入は米中の新たな神経戦を引き起こす。中国が素直に折れればそれでよし、そうでない時は…の覚悟が必要なのである。

2010-11-24 22:32:53