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真下まで来て見上げてみると、メトロノームは本当に大きかった。ゆうに十階建てのビルほどはあるだろう。メリーの頭上で左右に揺れる針も、おそらく二十メートルほどの長さがある。いったいこんなメトロノームが何のために存在するのか。ガリバー用だろうか? #目の前がメトロノームになった
2014-09-23 20:36:18
メリーはメトロノームの台座に触れてみた。ひんやりとした金属の感触が伝わってくる。かち、かち、かち。頭上のリズムは、真下まで来るとひどく暴力的な騒音にすら感じられて、メリーは思わず耳を塞いだ。 かち、かち、かち。 かち、かち、かち。 #目の前がメトロノームになった
2014-09-23 20:37:34
目の前がメトロノームになった。かちりかちと規則正しく、ぶれていく。僕の体には捩花が巻きついていて、小指の先に赤く小さな花を咲かせている。瞳が痙攣している。花の仔細が震えて、びろうどの様に滲んでいるのに耐えきれずに、唇から嗚咽を吐き捨てた。 #目の前がメトロノームになった
2014-09-23 20:37:51
目の前がメトロノームになった。一目で古めかしいと分かる色合いのそれは、今も同じリズムを刻み続けている。瞼を閉じれば浮かんでくる。私の思い出であり、始まりであり、今だに忘れられない、終わりの光景。私は譜面にないアンコールを奏で続けているに過ぎないのだ。 #目の前がメトロノーム
2014-09-23 20:38:18
目の前がメトロノームになった。かち、かち、かち、と一定の周期に合わせて針が左右に揺れている。途切れることなくテンポを細切れに刻んでいる。かち、かち、かち、かち。この速度がやけに身に馴染む。同じ波長がすぐ傍で聞こえる。左胸の中、心臓が同じリズムを。 #目の前がメトロノームになった
2014-09-23 20:38:34
時計の針の音だろうか、とメリーは思う。枕元の時計の音が、無意識に夢の中でメトロノームに変換されているのかもしれない。だがなぜメトロノームなのだろう。それもこんな大きな――。 いや、むしろ自分自身が小さくなっているのだろうか? #目の前がメトロノームになった
2014-09-23 20:39:03
メトロノームで思いだしたが、こないだの大九で女の子三人でプリズムリバー三姉妹のコスしてた子が個人的に心を洗われた
2014-09-23 20:39:04
「目の前がメトロノームになった」をトゥギャりました。 togetter.com/li/722927
2014-09-23 20:41:33
「あなたの目の前におちんぽメトロノーム♥ 私のふたなりフルボッキ肉棒メトロノーム♥ かっちんこっちん♥ ぼっきんぼっきん♥ 規律正しく左右に腰フリして正しいリズムを教えちゃいます♥ あっ、キンタマ触ったらダメっ、あひっ♥ 興奮して狂うっ、リズムが狂うっ♥」#目の前がメトロノーム
2014-09-23 20:41:38
かち、かち、かち。 かち、かち、かち。 ああ、うるさい。誰かこのメトロノームを止めてくれないだろうか。 そう思いながら、メリーは自分自身の姿を見下ろそうとかがみこんだ。 かち、とひときわ大きな音がした。 次の瞬間、メリーの身体は後ろに弾かれた。 #目の前がメトロノームになった
2014-09-23 20:42:47
メリーは大きくのけぞる。 また、かち、と大きな音がして、メリーの身体は再び前に弾かれた。 そして、それが全く同じペースで繰り返され始める。 かち、かち、かち。 かち、かち、かち。 ああ――とメリーは悟った。 私自身が、メトロノームの針だったのだ。 #目の前がメトロノームになった
2014-09-23 20:43:53