果たして危機にあるのは民主主義の「何」なのか

涼風紫音／Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

.@consaba さんの「在特会デモとカウンターのデモを見た東浩紀さんのつぶやき（20140923）」をお気に入りにしました。　なんだかんだグルグル回ってきてたのはこれか。 togetter.com/li/722860

涼風紫音／Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

ほんじゃ、コメント欄にPOSTするとややこしくなりそうなので、一応ざっと見た感想をば（誰に求められているわけでもないけど）。

涼風紫音／Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

まず警察白書でも見ようかね。npa.go.jp/hakusyo/h26/yo…　一見してわかると思うけど、一応白書上は警察の認識としては、「日本政府等」とわざわざ付言しているように、明らかに治安リスクとして示しているわな。これH26版の概略PDFね。

涼風紫音／Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

で、同時に極左運動側では「反原発デモ等」と書かれているように、党派性や組織性をある程度伏せつつ、より広範な層を取り込もうとしているという認識でいることも、明記されているんで読めばわかるわな。反原運動から反レイシズム運動へのスライドは当事者も明言してるし、中核派の便乗も明らかだし。

涼風紫音／Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

で、極左運動系は最近でもいわゆる「飛翔体」の打ち込みやら、爆弾テロやら多発放火やってるし、ちょいと前（といっても20年も前ではない）までは内ゲバで自宅襲撃して包丁やらで襲って失血死させたりというのを繰返していたわけで、要警戒対象であることは従来の警察白書にも記載の通り。

涼風紫音／Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

んでもって、togetter.com/li/175242　ここのまとめにあるように、在特会やら行動界隈の記述というのはここ数年で具体性を以て記述されるようになった「新しい」警戒対象にはなっている。しかし、ここにはいくつかの伏線となるものがあるのでもうちょい遡る。

涼風紫音／Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

H2の警察白書 npa.go.jp/hakusyo/h02/h0… にあるように「国会議事堂等周辺地域及び外国公館等周辺地域の静穏の保持に関する法律」が街宣右翼対策の一環も兼ねて施行されたことが窺いしれると思う。また、右翼運動のデモやゲリラへの転化も懸念事項として記載されている。

涼風紫音／Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

まぁ右翼の摘発が主に「騒音」関連の法や条例「だった」のはこういった経緯があるからで、国会前で騒いで何が悪いというのは、そもそも国会前で街宣やって騒いでたのは街宣「右翼」だったわけだ。白書だけ追いかけていくとそうなる。H2の対象としている右翼は当然「従来の右翼」ではあるのだが。

涼風紫音／Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

で、npa.go.jp/hakusyo/h05/h0… このH5の白書にあるように、実際従来の右翼運動もH2の懸念の通りテロ、ゲリラ活動への傾斜が意識されていることは窺るだろう。H2で「限られた既存の法令を最大限に活用した積極的な取締りを推進した。」との記載は注意する点ではある。

涼風紫音／Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

要するに「従来の法では限界ある」ということと、左翼運動（新左翼運動）のそれと異なり、割とグレーで摘発が容易でない部分がある、という判断があればこそ、「限られた既存の法令」という書き方になったのではなかろうか。逆に言えば、もっと「取り締まれる法があればやるよ」ということでもある。

涼風紫音／Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

実際問題、右翼運動であっても実力行使に及べば当然に捕縛の対象で（長崎県知事射殺等いくらでも例はある）、恐らく「右に甘く左に厳しい」というのは、法の境界線上のグレーな部分の何処で網を掛けるか、という割と恣意的要素の強い部分ではないかと思われる。テロやゲリラは摘発されてきたし。

涼風紫音／Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

いわゆる転び公妨とか称される奴やね。その点については実際濃淡の差はあると思う。長らく新左翼系が内ゲバも含めてテロ・殺傷をやってきたのは事実だし、その意味では単に右翼系はそこまで露骨ではなかった側面が従来は強かった（ので騒音条例なもので取締ることにはなったのだが）。

涼風紫音／Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

で、単純化して「治安問題」だけに限ってみた場合、思想先鋭化と実力行使ってのは割とワンセットで警戒し易い要素ではあるし、過去最大の治安問題は、紛れもなく反安保闘争ではあろう。初の自衛隊治安出動が準備に入り、知事が拒否しなければ発動していたであろうところまで沸点になっていた。

涼風紫音／Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

国会前での大規模デモでその歴史に名を刻んでしまった樺美智子の死や国会前の右翼街宣に対する騒音等の法令整備による対策など、警察の職分として基本的には「政治・思想犯」では取締らず「実罪」に（たとえそれが微罪であれ）拘るのは、実にもって日本国憲法そのものに起因する。

涼風紫音／Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

まぁ割とラディカルな方向での解釈が多いので引用することも多いので恐縮なのだが、jicl.jp/itou/chikujyou… 憲法21条に「公権力が思想内容の当否を判断すること自体が許されていないのです。」という解説が為されるのは、明らかに戦前の思想犯取締への警戒から。

涼風紫音／Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

で、自民党憲法草案で治安維持法再来として大騒ぎしてた21条への3項「前項の規定にかかわらず、公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的として結社をすることは、認められない。」の加項をどう考えるべきか、という点は考慮をしておこう。

涼風紫音／Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

確かにレイシズム運動は「公益」も無いだろうし「公の秩序」を害するだろうから、この条項を加項すれば、検挙は容易かろう。或はそこまで広範に網を掛けないで個別具体的に該当する差別行為を列挙する場合、今度は列挙「されなかった」問題は当然に「対象外」として公認することにもなる。

涼風紫音／Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

どこまでを自由権の範囲内とすべきかどうか、というのは当然被害側からの異議申し立てはあるしそれ自体も自由権の範囲とすべきだろうが、他国例の有名どころで行くと、daigakuin.soka.ac.jp/assets/files/p… 所謂同性愛行為に刑事罰を定めたソドミー法が合憲か違憲かはほんの最近の話である。

涼風紫音／Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

違う話を持ってくるな、というのはいったん脇に除けておいて欲しいのだが、ソドミー法は1986にいったん「合憲」とされていて、その後2003に「違憲」とされたわけだが、「この程度」の自由権「拡大」でさえ、20年近い歳月を費やして為されたわけで、その判断の射程も異なるわけだ。

涼風紫音／Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

「自由権」というものを、基本的に日本国憲法は最大化して担保している、というように考えた場合、いったん制限をかければ、おそらく倍する期間と労力をもってしても、容易には回復し得ないだろうし、思想犯・政治犯の類を取締ろうとするととても厄介な点は戦前の法制を見ても明らかではある。

涼風紫音／Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

「日本国憲法の規定する平等規定に触れている」ことを理由とする場合、天皇廃止論とか日本国憲法の規定に触れているどころか改憲まっしぐらなので、そこを根拠とするのは、相当難易度高い取締になると思われる（若しくは過剰取締で違憲訴訟の嵐になる気はする）。

涼風紫音／Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

「そんなものは自由権に含まれない」という理屈は判らない話ではないが、具体被害の無い（したがって現行法で取り締まれない）ものを取り締まろうということであれば、当然にそのことは射程に収めた上での議論になるべきだろうし、どこまでの範囲を「取締って構わない思想とするか」が射程になる。

涼風紫音／Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

自分は共和制の是非だって堂々と議論すればよいだろうし、現憲法の否定でさえ憲法が規定する自由権の範囲に当然に「含まれる」ものだろうとも考えるし、それが自由権最大化に他ならないとも考えているので、この点では法学館の逐条解説の付言には相当程度同調はする。

涼風紫音／Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

「思想内容の是非」の判断、「当否」の判断を「国家介入」余地を残さず、しかもピンポイントでターゲティングして規制かけるのは相当難しいハードルではある。勿論、裁量を任せて構わないということになると話は別で、割と簡単。それこそ「差別的言動」そのものを刑事罰対象にすればいい。