🐿 綺 羅 🦭
@thrianta_satin
寸分の狂いもなく、全てを同じ大きさに。 勝手場に立つあなたは、真っ白いそれと向き合う時、 その瞳はまるで戦場にいるかのようでした。 妥協を許さず、真剣な眼差しを向けられた、__お豆腐。
2014-09-27 19:09:13
🐿 綺 羅 🦭
@thrianta_satin
あなたはお仕事のため、時々遊郭にお出かけになっていました。 屯所でただ待つことしかできない時間が、ひどくもどかしく、 余計な想像をしては、自分に嫌気がさしていました。
2014-09-27 19:09:58
🐿 綺 羅 🦭
@thrianta_satin
女の人の、お化粧のにおいが苦手だと知った時、 お酒が入ると邪険に扱ってしまうと知った時、 私の名を呼んでは不快にさせていたのだろうと仰った時、
2014-09-27 19:10:10
🐿 綺 羅 🦭
@thrianta_satin
その想いは困難と月日を重ねるごとに深くなっていき、 あなた無しでは、今の私はなかったと、 毎日、感謝しています。
2014-09-27 19:11:18
🐿 綺 羅 🦭
@thrianta_satin
「千鶴」 最後の一枚を干し終わった時、見計らっていたかのように声をかけられた。 お休みの日は着物で過ごす私の旦那さま。 陽の光をまぶしそうに手で遮りながら、私の側へとやって来る。
2014-09-27 19:11:34
🐿 綺 羅 🦭
@thrianta_satin
「友人と過ごすとか、買い物……、 好きなことをしてくれば良い」 縁側に一緒に腰かけて、部屋の中を振り返る旦那さまの元に、 もう一人の愛しい存在が駆け寄って来る。
2014-09-27 19:12:22
🐿 綺 羅 🦭
@thrianta_satin
「おとーさま、いっしょにあそぼ」 「ああ、では剣術の稽古でもしてみるか」 わあっと喜ぶ子供と、慈しみの瞳を向けている旦那さまを見て、 私の胸がちくりと何かを感じる。
2014-09-27 19:12:41
🐿 綺 羅 🦭
@thrianta_satin
「夕飯の支度も俺が整えておく。 千鶴は羽を伸ばしてくると良い」 子供に袖を引かれて、旦那さまは笑いながら立ち上がる。
2014-09-27 19:12:57
🐿 綺 羅 🦭
@thrianta_satin
全てが愛しくて、 毎日がきらきらして。 ここに至るまでの道程を忘れることなく、 生きていく意味を、 私は、これからも噛み締めていく。 (了)
2014-09-27 19:14:18