【東荒】独占欲

弱虫ペダル二次創作 甘い香りの続編
3
ひな@復旧中 @newgibbousmoon

東堂誕妄想SS 東荒② 「……はぁ?温泉?んなもん行ってる暇ねえよ!」 「え?大学生って夏休みが長いのだろう?」 「それは、文系の話だろ。オレら理系学生は場合によっちゃ、8月入っても授業あるっての!」 「……もしや、補講か?荒北」 「ちげーよ!っつーか、回りくどい話やめろ」

2014-08-07 00:11:49
ひな@復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon 静岡のこんな田舎まで来るんだから、何か用があるんだろ?と言えば、少しだけ困ったような顔をする。 「何だよ」 「いや……まさかおまえが夏休みじゃないなんて思ってもみなくてな」 「おい、もしかしておまえ、もうホテルとっちまったとかじゃねえだろうな」

2014-08-07 00:13:48
ひな@復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon 「とってない!それは、とってないから」 東堂があわてて否定するのにはわけがある。 おつきあいをしている恋人同士である二人だったが、東堂は実業団に所属しているプロ……つまり、社会人であり、荒北は大学生だ。 両者の間には当然給与格差というものがある

2014-08-07 00:16:49
ひな@復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon プロ一年目の東堂は、何にのせられたのかしらないが、クリスマスに超がつく高級ホテルのジュニアスイートなんてものを奮発し、荒北に大目玉をくらったのだ。 そういったイベントが大好きな東堂にしてみれば、クリスマスだから!というだけの気軽な気持ちだった。

2014-08-07 00:21:25
ひな@復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon 世間が浮かれている中で、自分達もちょっとだけ恋人らしい気分を味わいたかったし、彼らは遠距離恋愛中だ。甘えて、甘やかしていちゃいちゃしたいと思ってもバチはあたるまい。 隙あらばと狙う東堂と、そうはさせまいとする荒北の攻防は日常茶飯事だった。

2014-08-07 00:24:53
ひな@復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon が、その時のそれはやや趣を事にしていた。荒北の怒りようが半端なかった。 結局、そのホテルとディナーの予約は実業団の先輩にそのまま譲ったのだが、三ヶ月間、荒北は口をきいてくれなかった。 理由がわかるまで反省しろと言われたのだが、実は未だにわからない

2014-08-07 00:29:23
ひな@復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon どうしてもわからない、と言うと、荒北は諦めたように溜息をついて言ったのだ。 「今度から、ホテルとか旅行とかを一人で予約するのは禁止。いいな」 「わかった」 破ったら、あの時以上に絶対に怒ると思うと、滅多なことはできない。

2014-08-07 00:33:21
ひな@復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon 「誕生日だから、一緒に過ごしたかったんだ」 「……8日は空けてっけど、前の晩は普通にバイトだし、こっちは終電早ぇからそっちまで辿りつかねえから」 「じゃあ、オレがこっちに来る。いいだろう?」 「は?」 「プレゼントのリクエストをしていいか?」

2014-08-07 00:37:50
ひな@復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon 「いいけど」 何やら不安になってしまうのは、目の前の男がいつも斜め上をまっすぐに突き抜けたことをしでかすからだ。 「オレの誕生日の8日……その24時間をオレにくれ」 「おい」 「大丈夫だ。ベッドでずっと過ごすなんて自堕落なことはせんよ」

2014-08-07 00:39:45
ひな@復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon 「……そんなんでいいのォ?」 それなりにバイトもして金もためている。何と言っても恋人の誕生日なのだ。多少は奮発してもかまわないと思っていた。 「ああ。……俺はおまえからは金では買えないものが欲しいんだ」 「キザっちいな」 「そんなんじゃない」

2014-08-07 00:43:31
ひな@復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon 努力や金では手に入らないものがあるんだから仕方がないじゃないか、と東堂が溜息をつく。 「ハイハイ。んで、その24時間でおまえは何したいの?」 「荒北と一緒に過ごしたい」 「だから、それは最初に聞いたって」 「荒北は普通通りに生活してて構わない」

2014-08-07 00:49:01
ひな@復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon 「そんで?」 「それを一緒にさせて欲しい」 「意味わかんねえ」 「本当はどっかの温泉で部屋とっておまえといちゃいちゃしたかったんだけど、それは諦めるから」 (そんなどっかの不倫カップルみたいな真似はぜってーご免だから!良かった、回避できて)

2014-08-07 00:52:20
ひな@復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon 「代わりにおまえの日常生活を一緒に過ごさせてくれ。朝の自主トレも一緒に参加したいし、どこかに朝食を食べに行くなら一緒に行く。大学に行くならそれも一緒に行くし、買い物に行くのならそれも一緒に行く」 「てめえはストーカーか!」 「恋人に決まってる!」

2014-08-07 00:54:03
ひな@復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon 大真面目にすかさず言い返せるのが東堂だ。 「わーったよ。おまえがそれでいいんなら、それで」 荒北は小さな溜息をつく。 「欲がねえなぁ、おまえ」 「まさか」 東堂は笑った。 そして、小さく呟く。 「俺は独占欲の塊だよ、荒北」 荒北には聞こえない。

2014-08-07 00:58:12
ひな@復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon 「おまえの日常に俺の痕を刻み付けたいんだよ、荒北」 小さな、小さな声は、荒北の耳には届かない。 だから、その本当の目的を荒北は知らない。

2014-08-07 01:03:58

コメント

コメントがまだありません。感想を最初に伝えてみませんか?