渡邊芳之先生 ynabe39の「翻訳に限らず「書く仕事」全般が副業でしか成り立たないものになりつつある。」

書くほうも副業だと思っているし,書かせるほうもそれで食っているとは思っていない,ということが「書くことへの報酬」が一向に改善されないどころかむしろ低下する理由のひとつだと思う。 by 渡邊芳之
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渡邊芳之 @ynabe39

千の風になって。

北海道帯広市 · twilog.org/ynabe39

渡邊 芳之(わたなべ よしゆき、1962年4月22日 - )は日本の心理学者。帯広畜産大学人間科学研究部門(人文社会・体育学分野)教授。博士(心理学・東京国際大学)。 佐藤達哉、尾見康博との共同研究を中心に心理学論、心理学史、人格心理学や血液型性格分類の批判的検討などの分野に論文・著作を持つ。趣味はレコード蒐集。
http://ja.wikipedia.org/wiki/渡邊芳之

渡邊 芳之 -帯広畜産大学-
http://www.obihiro.ac.jp/ichiran/watanabe_yoshiyuki.html

 

Y. Furusawa 古沢嘉通 @frswy

SF翻訳志望者への現実的な助言: 1. 翻訳家になると決めた瞬間から、実際に本が出せるまで十年かかる。 2. 現役のSF翻訳家の大多数(いま五十代)は十年後にセミリタイアする。いまのままでは、極端な翻訳家不足に陥る。 3. 翻訳で得られる収入は、十年後には半減するだろう。

2014-09-29 11:31:34
Y. Furusawa 古沢嘉通 @frswy

現在、専業翻訳家が年間四冊翻訳して得られる印税収入は、せいぜい三百万円くらい。いまの調子で順調に(?)減っていけば、十年後に半減するといってもそれほど的外れではなかろう。一冊訳して三十万とか四十万の世界ですな。「専業」では喰えません。「副業」にすべき。

2014-09-29 11:36:48
渡邊芳之 @ynabe39

翻訳に限らず「書く仕事」全般が副業でしか成り立たないものになりつつある。

2014-09-29 12:21:37
kubo soichiro @fuhkyo

「作家」が成立したのは歴史的にもごく一時期の話でしかなく、それが普通の状態なのかもしれない。@ynabe39: 翻訳に限らず「書く仕事」全般が副業でしか成り立たないものになりつつある。”

2014-09-29 13:28:49
渡邊芳之 @ynabe39

その「一時期」が人類史上もっとも幸福な時期であったということにはあまり異論はないのではないか。

2014-09-29 13:37:20
渡邊芳之 @ynabe39

副業でしか成り立たなくなりつつあるのは「書く仕事」だけでなく「描く仕事」や「奏でる仕事」なども同様だと思う。

2014-09-29 13:40:35
渡邊芳之 @ynabe39

大事なことは,社会は別に書く人や描く人を必要としていないわけではなくて,それでは食えない程度の報酬で書いたり描いたりする人が今日ほど求められている時代はないくらいである。

2014-09-29 13:41:38
渡邊芳之 @ynabe39

18世紀くらいから続いてきた人類史のバブルももう終わりということですね。 “@ub7637: @ynabe39 景気の問題では。バブルの残り香も、すでに遠くなったということで。”

2014-09-29 13:43:03
渡邊芳之 @ynabe39

変な文を書いてしまったけど直すのも面倒なのでそのままにする。

2014-09-29 13:44:19
渡邊芳之 @ynabe39

なるほど「書くことへの報酬」としての原稿料と印税の違いというのは「常識」ではないんだな。

2014-09-30 06:51:58
渡邊芳之 @ynabe39

「書いた原稿」を出版社に渡した時点かそれ以降に「書いた量」に応じて支払われるのが原稿料、書いたものが実際に印刷された時点かそれ以降に「印刷された数とその販売単価」に応じて支払われるのが印税。

2014-09-30 06:54:17
渡邊芳之 @ynabe39

「原稿用紙1枚1200円で5枚書いたから6000円」というのが原稿料、「書いたものが1000円の本になって1000部印刷されて印税率10%なので10万円引く所得税10%で90000円」というのが印税。

2014-09-30 06:57:26
渡邊芳之 @ynabe39

すごくおおざっぱに言うと雑誌などに書いた場合は原稿料,本を書いた場合は印税をもらう。ただし雑誌で印税というのは経験がないが,本の場合は例外がかなりある。

2014-09-30 07:29:25
渡邊芳之 @ynabe39

本でも教科書や辞典辞書類のように著者の数が多い場合には印税でなく原稿料になる時がある。また初版時は原稿料をくれて増刷になった場合だけ印税をくれる場合もある。概して,売れる本では印税のほうがもらえる額が多くなり,売れない本では原稿料のほうが儲かる。

2014-09-30 07:32:28
渡邊芳之 @ynabe39

「原稿料と印税の両方がもらえる」パターンの代表例は雑誌等に連載したものを単行本にする場合だと思う。

2014-09-30 07:33:34
渡邊芳之 @ynabe39

翻訳書の場合は印税の最大半分くらいを原著者(と代理店)が取り,残り半分から翻訳者にどれだけ行くかが決まる。2000円の翻訳書が1000冊売れたときに訳者に行く印税は10万円前後かそれ以下になる。

2014-09-30 07:36:01
渡邊芳之 @ynabe39

本を書いて生活するには1000円の本なら毎年最低3万部くらいは売れないといけない。これでようやく年収300万円弱。翻訳だとそのまた2倍くらい売れないと生活できない。

2014-09-30 07:38:42
渡邊芳之 @ynabe39

「著書が年間3万部以上売れる学者」というのはほんとうに少数しかいないので,大学教員などを本職として副業で本を書くのが現実的になる。最近は小説家にも大学教員が増えた。

2014-09-30 07:40:54
渡邊芳之 @ynabe39

書くほうも副業だと思っているし,書かせるほうもそれで食っているとは思っていない,ということが「書くことへの報酬」が一向に改善されないどころかむしろ低下する理由のひとつだと思う。

2014-09-30 07:42:19
渡邊芳之 @ynabe39

副業にしなきゃ食えないから副業にするのだけど,みんなが副業にすると評価や報酬がますます下がるというのは悪循環だなあと思う。

2014-09-30 07:43:03
渡邊芳之 @ynabe39

オーディオ評論みたいな世界でも「オーディオ評論だけで食っている」人というのはもうほとんど(あるいはまったく)いなくて,オーディオ誌の執筆者にも他に「先生」とか「社長」と呼ばれるような本業を持っている人が多い。

2014-09-30 07:46:26
渡邊芳之 @ynabe39

まあたとえば長岡鉄男がオーディオ評論だけで食っていたのかというと,そうであった時期もあったしそうでなかった時期もあっただろうと思う。

2014-09-30 07:47:36
渡邊芳之 @ynabe39

では原稿料の相場というのはどのくらいか。私が原稿料フォーマットでこれまでもらった最高額は「原稿用紙1枚5000円」である。最低は500円。1枚5000円で生活するとしたら(これは相当贅沢な例)年間700-800枚くらいは書いて,かつそれが売れないとならない。

2014-09-30 07:52:28