（記者有論）先天異常変化なし　福島への誤解解く情報を

室月淳Jun Murotsuki @junmurot

先天異常調査1 福島原発事故後の出生児全例調査の結果です。福島県で生まれた新生児における心奇形、二分脊椎、小頭症などといったさまざまな先天異常の発生率は、全国平均とほとんどかわらないことが報告されました。ほんとうによかったと思います。 asahi.com/sp/articles/AS…

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先天異常調査2 奇形児がたくさん生まれているなどといった、これまで喧伝されてきた悪意あるウワサや風評が、根も葉もない嘘、無責任なデマであることがようやく証明されました。全例調査というたいへんな仕事をされた藤森先生をはじめとした福島のかたがたの労に感謝します。

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先天異常調査3 チェルノブイリ原発事故のあとにヨーロッパでパニックがおこって、各国の中絶数が一時的に急増しました。ギリシャでは事故後の月別の出産数を解析すると、数ヶ月後には30%程度減少しており、事故当時に妊娠初期であった妊婦が同程度の割合で中絶をおこなったと推定されています。

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先天異常調査4 以前に公表された本邦の人口動態統計をみると、福島原発事故の福島県の出生数は人口減により減っていますが、人口妊娠中絶数はもちろん中絶率も減少しています。危惧されたパニックは福島では認められませんでした。このことは福島のひとたちの民度の高さを証明していると思います。

室月淳Jun Murotsuki @junmurot

先天異常調査5 すごいいきおいでリツイートされていておどろいていますが、同時に疑問や批判も散見されるようです。ツイッターは実は最近はじめたばかりで、使いかたがいまだによく理解できず、ここにこのように書くことで、疑問に思っているひとに届くのかどうかよくわからないのですが、、、

室月淳Jun Murotsuki @junmurot

先天異常調査6 コメントとしてはおおきくふたつにわかれるようです。ひとつは「検索したが、一次ソースとおぼしきものがみつからない」という疑問、もうひとつは「流死産はふえているのではないか？」あるいは「過去にそういった報告をみた」というものです。

室月淳Jun Murotsuki @junmurot

先天異常調査7 この調査研究は、もともと国連のWHO関連のICBDSR(国際先天異常監視機構)が提唱したもので、厚労省研究班が主導し、ICBDSR日本支部や日本産婦人科医会などが協力しています。ある地域の全人口を対象とする(population-based)調査研究です。

室月淳Jun Murotsuki @junmurot

先天異常調査8 精度は高いのですが、非常に手間のかかるこの調査を実際におこなったのは、福島医大の藤森敬也先生のグループです。ここでえられた精緻で膨大なデータは、国際学会で順次報告され、詳細に議論、検討されながら、その都度まとめられた分が英文で国際的に公開されていくことになります。

室月淳Jun Murotsuki @junmurot

先天異常調査9 今回の国内学会発表はその嚆矢であり、新聞報道はそのスクープでしょう。実は藤森先生ご自身の希望により、つい先週のことですが、地元の英文誌にそのプレリミナリーな解析結果がパブリッシュされています。心配ないという結果をみなにすこしでも早く伝えたいからとお聞きしました。

室月淳Jun Murotsuki @junmurot

先天異常調査10 上の論文は以下のサイトからダウンロード可能です。 ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25030719 この論文を読めば、出生児の先天異常率も流死産率も全国平均と有意にかわらないことが理解できると思います。

室月淳Jun Murotsuki @junmurot

先天異常調査11 なお「全例調査」とは、"population-based (cohort) study"を意味しています。国内の先天異常の発症率は、これまで一種の「サンプリング調査」で調べられてきました。年間110万人の出生児をすべて調べるには膨大な手間と時間がかかるためです。

室月淳Jun Murotsuki @junmurot

先天異常調査12 そこで国内の病院、診療所をかたよりのないように抽出して、そこで出生した児について詳細に報告してもらい(hospital-based)、それを毎年全国的に集計してきました。福島県内においても同様です。ですから2010年以前の全例調査のデータはもちろん存在しません。

室月淳Jun Murotsuki @junmurot

先天異常調査13 福島県内は1万数千分娩ですので、発症頻度の低い疾患を統計的にあつかうには注意が必要です。そこで1997-2010年の全国のデータと、2010-2012年の福島でのコホートデータを比較しています。これは疫学の基礎ですが、一部に誤解があるようですので念のため。

室月淳Jun Murotsuki @junmurot

先天異常調査14 もちろん調査は今後も継続されます。Numberが増えれば、さらにより適した統計学的解析が可能となってくるでしょうが、現時点では比較的妥当な検討といえると思います。調査研究の結果が順次発表され、論文として公開されるとはそういう意味です。

室月淳Jun Murotsuki @junmurot

@TK074HAKUTAKA この調査研究の対象となったのは、2010年8月から2011年7月までに母子手帳の交付を受けた妊婦です。すなわちまさに妊娠中に原発事故が起こり、直接被曝した可能性が否定できない妊婦を対象としています。「2011年7月」というのはそういう意味です。

室月淳Jun Murotsuki @junmurot

@TK074HAKUTAKA 7月に母子手帳交付を受けた妊婦の出産時期は翌年になるでしょう。時期的に直接被曝の影響のある妊婦ですが、流死産率、奇形発生率とも有意な変化を認めていません。今後も継続的に調査を続けていくことになりますが、これ以上のことがでる可能性は低いと思われます。

室月淳Jun Murotsuki @junmurot

「原発事故後の福島の先天異常率は全国と有意差なし」 plaza.umin.ac.jp/~fskel/cgi-bin… これまでの文章をまとめてHPにアップしてみました。

室月淳Jun Murotsuki @junmurot

本日の朝日新聞。わたしの取材をうけた印象では、岡崎記者はきちんとした科学リテラシーをお持ちの方でした。 「福島で生まれた赤ちゃんに先天異常が出る割合は、原発事故後も全国平均と変わらないという厚生労働省研究班の結果がこのほどまとまった」 pic.twitter.com/aoKAc8wX36

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室月淳Jun Murotsuki @junmurot

記者有論補足1 先週の朝日新聞「記者有論」、すなわち「先天異常変化なし 福島への誤解解く情報を」の内容について、すこしだけ補足します。 pic.twitter.com/aoKAc8wX36 朝日新聞「記者有論」

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