マイノリティ・インフルエンスとは勢力とは

少数者が多数者に影響を与えて形成を逆転する現象を「マイノリティ・インフルエンス」と呼ぶ。勢力とは何か『戦国大名失敗の研究』瀧澤中より抜粋。このあたりを道具立てにして新国立競技場問題を考えてみたよ。
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建築エコノミスト森山高至「土建国防論」執筆中 @mori_arch_econo

瀧澤中先生の新刊はこれまでの戦国戦略研究の中でも読みやすくて画期的です。戦国武将を論じながら現代政治史がポロポロとリンクさせてあるあたりもおっさんホイホイで非常におすすめです。 『戦国大名 失敗の研究』瀧澤中(PHP文庫) blog.goo.ne.jp/atarutakizawa/…

2014-09-29 11:18:54
建築エコノミスト森山高至「土建国防論」執筆中 @mori_arch_econo

『戦国大名 失敗の研究』瀧澤中のなかで非常に興味深い記述があります。それは勢力の分析について、ジョン・フレンチ、バートラム・レイブンの「社会的勢力と集団組織の心理」を紹介されている点です。面白いのでご紹介します。勢力とはいかに形成され得るか

2014-09-29 11:22:49
建築エコノミスト森山高至「土建国防論」執筆中 @mori_arch_econo

勢力とは以下の6つ 1.報酬勢力-AはBに報酬を与える力をもっている、とBが考える。 2.強制勢力-AはBに罰を与える力をもっている、とBが考える。 3.正当勢力-AはBの行動を決める正当な権利をもっている、とBが考える。 4.準拠勢力-BがAに対し魅力を感じAと一体でありたい

2014-09-29 11:26:34
建築エコノミスト森山高至「土建国防論」執筆中 @mori_arch_econo

5.専門勢力-Aは特定分野で専門的な知識や技術をもっている、とBが考える。 6.情報勢力-Aの知識や情報の伝達が、集団の外にいるBに影響を及ぼす。 以上の6つの勢力に人々はついていくというものである。 この勢力分析に寄って新国立競技場問題を考えてみることにしよう。

2014-09-29 11:29:52
建築エコノミスト森山高至「土建国防論」執筆中 @mori_arch_econo

1.報酬勢力-AはBに報酬を与える力をもっている、とBが考える。 これについては言うまでもないだろう。新国立競技場建設だけでなくオリンピック招致にからむ都市インフラ整備において仕事を受注することができる。もしくは発言力や地位を確保することが出来ると考えるものらのことである。

2014-09-29 11:32:12
建築エコノミスト森山高至「土建国防論」執筆中 @mori_arch_econo

2.強制勢力-AはBに罰を与える力をもっている、とBが考える。 これについても同様に、新国立競技場建設に異を唱えると懲罰を受けるのではないか、仕事を干されるのではないか、社会的信用や地位を失うのではないかと心配するものらのことであり文科省管理事業、教育機関やスポーツ関連に及ぶ。

2014-09-29 11:34:54
建築エコノミスト森山高至「土建国防論」執筆中 @mori_arch_econo

3.正当勢力-AはBの行動を決める正当な権利をもっている、とBが考える。 新国立競技場建設においては、この正当性が今揺らぎだしているわけだ。コンペ結果から設計プロセスにおける有識者、審査員による建設決定の是非を疑わざるを得ない事件と状況が頻発していることにより逆の勢力が勃興した。

2014-09-29 11:38:10
建築エコノミスト森山高至「土建国防論」執筆中 @mori_arch_econo

4.準拠勢力-BがAに対し魅力を感じAと一体でありたい 結果として3.の正当性に疑義を呈した槇文彦氏の提言に対し、多くの文化人、学者、市民が即応した。槇氏の発言に多くの賛同者の勢力が形成されつつある。同時に審査委員長の安藤忠雄氏と一体でありたい勢力は減少の一途をたどっている。

2014-09-29 11:41:29
建築エコノミスト森山高至「土建国防論」執筆中 @mori_arch_econo

5.専門勢力-Aは特定分野で専門的な知識や技術をもっている、とBが考える。 新国立競技場推進派はこの部分で巻き返しを図るべきだったが、頼みのオブアラップが発言しない、同時に前建築学会会長の和田章氏による「審査はしていない、工事費など全国民が居酒屋で飲む程度」発言により霧散した。

2014-09-29 11:44:16
建築エコノミスト森山高至「土建国防論」執筆中 @mori_arch_econo

6.情報勢力-Aの知識や情報の伝達が、集団の外にいるBに影響を及ぼす。 この情報勢力図が現時点カギである。新国立競技場建設においてなんらかの問題が生じているらしいことは国民に周知されつつある。しかしながらその根本がなんであるのかは明示されておらない。この情報勢力を握ったものが勝つ

2014-09-29 11:46:29
建築エコノミスト森山高至「土建国防論」執筆中 @mori_arch_econo

【新国立競技場問題】少数者が多数者に影響を与えて形成を逆転する現象を「マイノリティインフルエンス」と呼ぶ。マイノリティインフルエンスには二つの型がある。ひとつはホランダーの方略、一方はモスコビッチの方略である。槇先生はホランダーの方略で、俺はモスコビッチの方略で、攻め続けている。

2014-09-29 09:29:02
建築エコノミスト森山高至「土建国防論」執筆中 @mori_arch_econo

【新国立競技場問題】のように多数派の意見が間違っているにもかかわらず、空気を呼んで無関係を装う状態がもっとも危険。ホランダーの方略とは少数派ではあるが過去に実績のある信頼に足りるリーダーの元に集結し「あの人が言っているんだから」と多数派の意見を切り崩していく方法である。

2014-09-29 09:33:31
建築エコノミスト森山高至「土建国防論」執筆中 @mori_arch_econo

【新国立競技場問題】のように多数派の意見に同調しているわけではないが、思考停止して判断保留状態も危険。モスコビッチの方略とは少数派ではあるが一貫して強い主張を維持し自説を曲げないことである。「あそこまで言うのだから正しいのかもしれない」と多数派の意見を切り崩していく方法である。

2014-09-29 09:36:26
建築エコノミスト森山高至「土建国防論」執筆中 @mori_arch_econo

【新国立競技場問題】いずれにしてもマイノリティ・インフルエンスを引き起こすには少数派は独善的に頑固になっては絶対にダメ。社会的背景をよく見定め、柔軟に対応しつつ主義主張に一貫性を通さなくてはいけない。要はブレてはダメなのです。逆に多数派のリーダーがブレ始めた今がチャンスなのです。

2014-09-29 09:40:36
建築エコノミスト森山高至「土建国防論」執筆中 @mori_arch_econo

マイノリティインフルエンスの有名な歴史的事例に源平合戦がある。「平家打倒」以仁王の令旨がホランダーの方略、源頼朝には源氏の御曹司としてホランダーの方略とモスコビッチの方略の両面を発動できた。木曾義仲も同様、しかし源義仲軍には独断的で頑固であり周衆を糾合する柔軟性が不足していた。

2014-09-29 10:02:05