とうふの日

綺羅さん(@kiraboshi219)による薄桜鬼の創作小説第17弾。 更新しました。 第1弾「黒と白~斎藤一~」http://togetter.com/li/587101 続きを読む
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🐿 綺 羅 🦭 @thrianta_satin

『とうふの日』 薄桜鬼斎藤一SS 2014.10.2 綺羅

2014-10-02 22:46:29
🐿 綺 羅 🦭 @thrianta_satin

目覚まし時計のアラームが鳴る前に、メール受信音が耳に届いた。 うっすらと目を開けると、カーテンの向こうはまだ薄暗い。 スマートフォンに手を伸ばして、通知を示す青い点滅を確認した。

2014-10-02 22:47:14
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シャキン ロックを解除して、寝ぼけ眼でメールを開く。

2014-10-02 22:47:51
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2014/10/2 05:03 From沖田 総司 件名 学校休む 本文 [ 'ω' ]

2014-10-02 22:48:18
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「…………」 意味がわからずしばらく画面を眺めていると、 30秒が経過して、真っ暗となる

2014-10-02 22:48:35
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「…………」 シャキン 俺はもう一度ロックを解除して、先ほどの画面に戻した。

2014-10-02 22:48:59
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2014/10/02 05:05 To 沖田 総司 件名 本文 了解した。

2014-10-02 22:49:12
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2014/10/2 05:05 To 藤堂 平助 件名 Fw:学校休む 本文 >[ ‘ω’ ]    平助、これはどういう意味があるのだ。

2014-10-02 22:49:25
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学校に行く前のランニングは日課であり、 恐らく総司もこの時間に自然と目が覚めたのだろう。 俺はベッドから抜け、寝癖の有無を確認すべく髪を撫でながら、洗面所に向かう。

2014-10-02 22:49:49
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玄関から一歩踏み出すと、肌寒さでふるっと震えた。 季節の変わり目を、気温や、暗さ、明るさなどで感じるようになって、 走っている間に、いつの間にか、犬の散歩や自身の散歩などに出ている人の顔を覚える。

2014-10-02 22:50:51
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おはようと声をかけてくれる人もいる。 走りながら答えるので、聞こえていないかもしれないが、俺も挨拶を心がけている。

2014-10-02 22:51:04
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「おはよう、一くん!」 公園を横切っていると、平助が並走に加わる。 平助と何周か公園を周っているうちに、総司がやって来るのだが、 今朝のメールの様子では今日は来ないものと思われた。

2014-10-02 22:51:23
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「平助、今朝のメールの意味は……」 「メール?ごめん、気付いてなかった」 「そうか、ならいい。 総司は今日は来ない」 「あ、そういう連絡だったのか」

2014-10-02 22:51:50
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いや、違うのだが……。 無駄話をしていると息が乱れるので、 俺はそれ以上何も言わず、平助と二人で黙々と走り込んだ。

2014-10-02 22:52:04
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ランニングの後は、一旦自宅に戻ってシャワーを浴びてから朝食にする。 一息つく頃、時刻はちょうど七時になる。 俺は箸を置き、テーブルの隅に置いてあるスマートフォンに手を伸ばし、メールを作り始める。

2014-10-02 22:52:23
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2014/10/02 07:01 To 千鶴 件名 おはよう 本文 今日も一緒に登校しよう。ではまたあとで。

2014-10-02 22:52:35
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送信し、再び箸を取って汁椀を持ち上げた時、 ~♪  メールを受信した。 箸と汁椀を置いて、画面を見てみる。

2014-10-02 22:52:49
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2014/10/02 07:02 From 千鶴 件名 おはようございます 本文 今日は斎藤さんの分のお弁当も作っていきますね♡

2014-10-02 22:53:02
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俺の口角が上がったのが、 元気すぎるアナウンサーと司会者の朝の挨拶を映し出すテレビの画面に映っていた。

2014-10-02 22:53:19
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2014/10/02 10:02 From 沖田 総司 件名 本文 つ[ ‘ω’ ]

2014-10-02 22:53:29
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2014/10/02 10:04 From 沖田 総司 To 千鶴,斎藤,藤堂平助 本文 晩ご飯一緒に食べよう。学校終わったら僕のうちに来て。   材料は用意しておくよ。

2014-10-02 22:53:53
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授業中に震えたスマートフォンを休み時間に確認すると、 総司からまたしてもあの妙な文字が届いていた。 本人に確認しようと決め、放課後を待って俺たちは三人で総司の家に向かった。

2014-10-02 22:54:15
🐿 綺 羅 🦭 @thrianta_satin

「お邪魔しまーす。総司ー、調子はどうなんだー?」 真っ先に玄関で靴を脱ぎながら、平助が上がっていく。 俺は千鶴を先に上がらせ、ドアを閉めた。

2014-10-02 22:54:34
🐿 綺 羅 🦭 @thrianta_satin

「いらっしゃーい。 千鶴ちゃん、早速で悪いけど手伝ってくれる?」 台所に立っていた総司は、体調が悪いようには見えなかったが、 千鶴がサポートに立つと、安心したようにテーブルの準備を始めた。

2014-10-02 22:55:10
🐿 綺 羅 🦭 @thrianta_satin

醤油の甘辛い香りがしていた部屋の真ん中、簡易コンロの上にすき焼き鍋が整えられる。 「?」

2014-10-02 22:55:34