ロンゲスト・デイ・オブ・アマクダリ10100245:メニイ・オア・ワン #6

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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

【ロンゲスト・デイ・オブ・アマクダリ:メニイ・オア・ワン】#6

2014-10-06 22:20:30
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

(これまでのあらすじ:ネオサイタマ全域に「忍」「殺」の黒旗が掲げられてゆく。夜が明ける。イクサは続く)

2014-10-06 22:27:33
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「若?」ネヴァーモアは呟いた。IRCコールへの応答はまだだ。10秒が経過した。ラオモト・チバは報告映像のザッピングを凝視している。幼い暴君の時間は突然凍りついたかのようだ。ネヴァーモアはザッピングされる忍殺旗に、わけのわからぬ畏怖を覚える。……これは、いやな、ものだ。 1

2014-10-06 22:35:32
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

20秒が経過。IRCリクエストのノーティス音が続く。ネヴァーモアは唾を飲み込んだ。殴られることを覚悟で、もう一度促した。「若。スパルタカス=サンからの」「……つなげ」「え?」「つなげ、ネヴァーモア」「ハイヨロコンデー!」「接続確立な」マイコ音声と共にスパルタカスのIDが流れた。2

2014-10-06 22:38:25
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『旗をもう一つ二つと言いましたがね』スパルタカスは苦笑混じりに言った。『こいつは参りましたな。"十二人"、まさかこんなに沢山おったとは、いや、参った。自ら属しておきながら、知らなんだわ。ははは』「奴は」チバはグンバイを握りしめた。「何処だ」『完全にコケにされました。天晴れだ』3

2014-10-06 22:45:27
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「散々追い回した挙句、貴様は敵を有り難がるのがせいぜいか」『返す言葉もござらん。カラテでは恐らく俺が上手。しかしながら……いや、侮っておったと言う他ない。我々全体が。"12人"の皆殺し、その結果の誇示。それが奴の、ニンジャ殺戮者の今宵の狙いであると確信し、納得してきた。しかし』4

2014-10-06 22:59:20
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「マジェスティ、ブラックロータス、メフィストフェレス。彼らの殺害すらも布石だと?」『然り、あまりに重過ぎる。前菜にするには、おごり過ぎですな。だからこそ奴は水面下にまんまと逃れ、我々は今こうして黒旗の群れを眺めている……』「奴の狙いは?」『さあて……今はまるで混沌のマグマだ』5

2014-10-06 23:10:44
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「夜モ破レ/明クル墓標ニ/黒キ陽ノ花」ふいにハイクを呟いた者を、チバとネヴァーモアは振り返った。シャドウドラゴンはネオサイタマ空撮光景をじっと見つめていた。「……字余り」 6

2014-10-06 23:17:17
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戦略室に沈黙が訪れる。ネヴァーモアにはハイクはわからぬ。チバは眉根を寄せる。シャドウドラゴンはそれきり喋らず、無感情に腕組みしたままである。その肩が、じわりと波打つように、ひと震えする。モニタの向こうでは、一つ、また一つ、いまだに新たな黒旗が上がり続けている。 7

2014-10-06 23:22:58
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「ニンジャスレイヤーを!特定しろ!」ジャスティスは叫んだ。「アバーッ!」事務官の一人がタイピングしながら吐血し、倒れた。配属されて日の浅い人間だ。ゆえにニンジャの怒気に耐性が無い。「情けないクズめ……!」ジャスティスは吐き捨て、セイギオオキイタテの司令室を見渡す。 9

2014-10-06 23:28:21
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「何故こんなことを許した!ハイデッカーの恥、私の恥、アマクダリ・セクトの恥だ!」「申し訳ありません!収束後にケジメします!」「我々皆でします!」事務官達が泣きながら詫びた。「旗は人力ではなくUNIX制御の自動装置です、単純で安価な……恐らく何週間も前から仕込まれていたものと」10

2014-10-06 23:32:02
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「スウーッ」ジャスティスは目を閉じ、息を吸う。刮目。事務官達が固唾を飲んで見守っている。彼女はヘイキンテキを取り戻した。何の前触れもないうちからネオサイタマ全域で旗の設置を事前に警戒しろ?愚かな……絵空事レベルの予知能力でも持たぬ限りは不可能だ。「すまない。取り乱した」11

2014-10-06 23:37:45
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事務官達は目を見交わす。怯えに張り詰めた空気に、生気と、リスペクトと、能動的な忠誠心のアトモスフィアが広がってゆく。「諸君ならば、この難事を必ず乗りきれる。ハイデッカーこそネオサイタマの秩序と正義を護る盾だ。……テロリストを、倒そう。未来の為に」 12

2014-10-06 23:44:44
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「情報統制を再重点」「所詮テロリストの示威行為」「いたずらに市民を怯えさせただけです」「アルゴス=サンが既にリカバリーを開始しています。同時に、ハッカーの追跡も」「各チャネルに緊急ホットライン重点」……ジャスティスは満足げに頷いた。「ガンバレ」KRAAAAASH! 13

2014-10-06 23:47:41
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ジャスティスの血中をニンジャアドレナリンが駆け抜け、時間間隔が泥めいてスローになった。視界の端、UNIXモニタのひとつが、セイギオオキイタテの下部ブリッジに何らかの損傷があった事をリポートする。事務官が警告表示にやや遅れて反応する。キーボードをヒット。ヒット。ヒット。 14

2014-10-06 23:53:28
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外部カメラ映像。クロームシルバーの飛行物体が遠ざかる。ジャスティスは凝視。自動車……霊柩車。飛行機じみた翼を生やし?「下部ブリッジに損傷!」担当事務官が叫んだ。「状況から、恐らく何者かが船内に侵入……」オナタカミ・トルーパーズが待機室からゾロゾロと司令ブリッジに入場してくる。15

2014-10-06 23:56:04
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ジャスティスは状況判断する。何が起きた?わかりきった事。ニンジャスレイヤーはどこに行った?「ここだ」ジャスティスは呟いた。カシャ、キュイイイ……微かな駆動音と共に、コートの襟元が変形し、メンポを形成。そのまま後頭部を同様の襟の変形が覆い、フルフェイス・ニンジャヘルムとなった。16

2014-10-07 00:01:03
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「総員、備えよ!」ジャスティスは右手を真横へ力強く振った。「ニンジャスレイヤーが来るぞ!」「「「スッゾオラー!」」」オナタカミ・トルーパーズがオナタカミ・ショットガンを一斉に構え、カーボンフスマを扇状に囲んだ。「イヤーッ!」KRAAAASH!フスマが内側に膨らみ、張り裂けた。17

2014-10-07 00:05:09
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」KRAAAASH!フスマが勢い良くブリッジ内に飛んできた。トルーパーズがショットガンを掃射開始。BLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAM……「アバーッ!」「アーッ!」事務官の2,3人が跳弾を浴びて死んだ。18

2014-10-07 00:09:04
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

BLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAM……ジャスティスは指令席からその容赦なき迎撃の首尾を見守る。宙に浮いたフスマが穴だらけだ。侵入者はどこだ? 19

2014-10-07 00:10:07
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答えを知るにはコンマ一秒も必要ない。フスマの裏から赤黒の影が跳び出した。自ら蹴り込んだフスマに再度跳び蹴りを入れ、トライアングル・リープしたのだ。BLAMBLAMBLAMBLAM……トルーパーズが撃ち続ける。「アバーッ!」また事務官が跳弾で死亡。ジャスティスは無視する。20

2014-10-07 00:14:35
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「「「「ザッケンナコラーリロード!」」」」ショットガン兵が後退し、撃ち尽くした散弾を込め始めた。「「「「スッゾオラー侵入者!」」」」後方からサブマシンガン兵が進み出、跳ねた赤黒の影に照準しようとする。「イヤーッ!」「グワーッ!」赤黒の影がサブマシンガン兵の首に突き刺さった。21

2014-10-07 00:17:23
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