【スワローズ妄想劇場】戦国絵巻燕の城 「冬が始まる前に」(後編)

@swa_mou氏によるスワローズ戦国絵巻 #swamou OP動画 http://www.youtube.com/watch?v=SWDO27huCc8
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前回 冬が始まる前に(前編)

まとめ 【スワローズ妄想劇場】戦国絵巻燕の城 「冬が始まる前に」 @swa_mou氏によるスワローズ戦国絵巻 #swamou OP動画 http://www.youtube.com/watch?v=SWDO27huCc8 1373 pv 8

本編

スワローズ妄想劇場 @swa_mou

【スワローズ妄想劇場】戦国絵巻燕の城 最終話(後編)「冬が始まる前に」 #swamou #swallows

2014-10-08 17:16:50
スワローズ妄想劇場 @swa_mou

【スワローズ妄想劇場】戦国絵巻燕の城 最終話(後編)「冬が始まる前に」 台風が去り、多摩川を渡ってきた相模国の軍勢を迎え撃つ南青山城。ギリギリの戦力での一進一退の攻防。 #swamou

2014-10-08 17:19:15
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そのなかで戦線から突出した敵将の山口を若武者の山田が包囲し討ち取るなど、守りきれると思われたが、ほんの一瞬の隙を突かれ、最後の防衛戦を突破されてしまった。 #swamou

2014-10-08 17:20:07
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城の天守で最後の戦いに向かおうとする小川公を始め家老たちだったが「敵軍、接近します!」との叫び声に一斉に天守の物見台へと飛び出す。天守の眼下に迫る相模国軍勢。だが城門前まで来て進軍を停止し軍勢を整えると、その中から1人の男が出てきた。 #swamou

2014-10-08 17:21:43
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天守から見ていた小川公が(誰だ…?)と目を凝らす。隣で見ていた首席家老の佐藤が「あれは…中畑殿ですな」と、信じられない様に呟く。城門前まで声が届く距離ではない。だが天守のこちらの姿を見つけたのだろう。中畑は天守に向かい深々と一礼すると軍勢に戻り手を上げる。 #swamou

2014-10-08 17:22:41
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それを合図に相模国軍勢は城下から引き揚げていった。「…終わったのか?」家老の真中は安堵の声を上げると配置についていた兵や武将達に休養するように伝えた。家老達も天守を降りていく。天守に残るのは小川公と真中のみになった。 #swamou

2014-10-08 17:23:23
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「小川様、我々も休みましょう」真中が声をかけるが小川公は相模国軍勢がいた場所を見つめていた。「小川様?」真中が歩み寄り、小川公が見つめる先を見た。軍勢が去ったあと、そこには一人の老人がポツリと立っていた。「…あれは…まさか!」幽霊を見たかのような声を上げる真中。 #swamou

2014-10-08 17:24:33
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小川公は老人を見つめたまま「ああ。前城主…高田公だ」と呟いた。5年前行方不明になった前城主、高田公。そのあとを受けて急遽城主代行を務めた小川公。彼の行方については色々と噂は聞いていた。と、高田公が天守に向かい手を上げる。 #swamou

2014-10-08 17:25:23
スワローズ妄想劇場 @swa_mou

そしてニヤリと不敵な笑みを浮かべると、誘うようにゆっくりと去っていった。「なんのつもりだったのでしょう…」混乱から回復した真中は独り言のように言うと、小川公は少しの間考え「真中、私は旅に出ようと思う」と伝えた。「!!」真中が何かを言おうとしたが遮るように続けた。 #swamou

2014-10-08 17:26:24
スワローズ妄想劇場 @swa_mou

「このままではこの国は変わらない。金がないのだ。人材も足りない。何処かで探さなければならない」真中は何かを思い付いたように「まさか…あの魔の島に渡るおつもりですか!駄目です!あそこに足を踏み入れたら帰って来られないって話ではないですか!」 #swamou

2014-10-08 17:27:21
スワローズ妄想劇場 @swa_mou

そう小川公に翻意を促したが「良いのだ。私は必ず帰って…いや、帰って来られないかもしれないが、必ず、この国の為に宝を見つけてくる」と言い切り「真中、この先はお前がこの国を率いてくれ。頼む。」と両手でしっかりと握手した。 #swamou

2014-10-08 17:28:30
スワローズ妄想劇場 @swa_mou

「…わかりました。必ずやこの国を強くして、帰還をお待ちしております」真中はしっかりと握り返した。 #swamou

2014-10-08 17:29:02
スワローズ妄想劇場 @swa_mou

翌日、旅支度をした小川公が武将達が並ぶ前に立った。そして一人一人に声をかけながら進んでいく。列に並ぶ一人の大男が泣いている。小川公は歩み寄り肩を叩く。「しっかりせい。お前が武将達を引っ張らんでどうする」それでも大男は泣いている。 #swamou

2014-10-08 17:29:36
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小川公は大男を地面に投げ飛ばすと馬乗りになり顔の横に拳を叩きつけた。「しっかりせい!この国が全国制覇を成し遂げたら、そのニヤけた顔を殴り飛ばしに来てやる。それまでこの国を頼むぞ、畠山!」畠山はとうとう声をあげて泣き始めた。 #swamou

2014-10-08 17:30:08
スワローズ妄想劇場 @swa_mou

列の最後まで来た時、周りを見渡し「おや、ひとり足りないようだが…」と不思議そうな顔をした。ああ、と真中が思い出したように「飯原は『殿に合わせる顔がない』と言って剃髪して山に篭って特訓すると今朝出発しました」と苦笑しながら伝えた。 #swamou

2014-10-08 17:31:38
スワローズ妄想劇場 @swa_mou

小川公も苦笑しながら頷くと列に向き直り「皆、すまんな。悔しい思いをさせてしまった。だが来年は必ずや民の希望を叶えるために、各自最善を尽くして欲しい。」と叫んだ。一斉に礼をする武将達。満足そうな顔をすると城門へ向かう。と、「あ、そうだ」と真中を呼ぶ。 #swamou

2014-10-08 17:32:07
スワローズ妄想劇場 @swa_mou

「この国を率いるに当たって必要な物をまとめておいた。必要なったら開けてくれ」と玉手箱を手渡した。真中が恭しく受け取る。「では、さらばだ」そういって馬に跨り城門を出る。背中に武将達の声を受け、やがて離れて聞こえなくなる。 #swamou

2014-10-08 17:34:06
スワローズ妄想劇場 @swa_mou

城下の外れ、銀杏並木に差し掛かった時、おかっぱ頭の少女が「行ってしまうのですね」と声をかけてきた。その見覚えのある少女に「ああ、君も身体を大事に」と笑いかけると、少女が両手で掬うように持っていた沢山の木の葉を見せて「あの、これ」と見せた。 #swamou

2014-10-08 17:36:45
スワローズ妄想劇場 @swa_mou

「城下の人達があなたに感謝の気持ちを書いてくれたんです。」「そうか…」と小川公が受け取ろうとすると「でも…荷物になっちゃうといけないから…」と言うとその木の葉を空に投げた。宙に舞う木の葉。それと同時に青々としていた銀杏並木が黄色く染まる。秋が来たように。 #swamou

2014-10-08 17:39:34
スワローズ妄想劇場 @swa_mou

木の葉が降ってくると共に、城下の人達の言葉が小川公の心に直接聞こえてくる。その不思議な出来事に驚いて周りを見渡したが、少女の姿はどこにもなかった。しかし、代わりにどこからか少女の言葉が響く。 #swamou

2014-10-08 17:42:08
スワローズ妄想劇場 @swa_mou

「冬が始まる前に…葉が落ちてしまう前に伝える事が出来て良かったです。いつか戻って来る時のために、毎年、青々と葉を着けて待ってます」少しの間小川公は銀杏並木を見上げ、そして港の方へ向かって歩き始めた。その道を黄金色の銀杏の落葉が絨毯のように敷き詰めていた。 #swamou

2014-10-08 17:47:14
スワローズ妄想劇場 @swa_mou

さて、小川公の目指す島…立ち入る者を同化しようとする魔物が住むが、国を救う財宝が眠るという島…芙崙島(ふろんとう)に無事たどり着き、宝を見つける事が出来るか、それはまた、別のお話。 「戦国絵巻燕の城 完」 #swamou

2014-10-08 17:50:14