体験談の話

洞窟修道院出張所氏(@okoshko28)による、体験談を見聞する際にわきまえておいた方がいいこと。体験談がすべて真実ではないという話や、だからと言ってそれらが無価値ではないという話。
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洞窟修道院出張所 @okoshko28

どの時期にどこでどういう作戦に参加していたかもはっきりしない。一方で、直属の小隊長や戦友たちの思い出、あるいは日々どんな食事を取っていたかははっきり答えられる、という具合。軍事マニアとは関心の向き方がまるで違っている。それが当たり前なのだろうと思います。

2014-10-09 22:45:46
洞窟修道院出張所 @okoshko28

今まで訳したインタビューの中でも、特に強い印象を受けたのがマトヴェイ・リフテルマン氏の談話です。 geocities.co.jp/SilkRoad/5870/… あまりに過酷な内容もさることながら、語っていてインタビュアーから気遣われるくらい消耗している点ですね。

2014-10-09 22:50:15
洞窟修道院出張所 @okoshko28

「戦争を語る」のは人間にそれほどの負担を与えることもあるのだ、と。ただしリフテルマン氏の場合、「ここまで話したのだから最後まで続けたい」とも述べており、個々人の中でも語る、語らないの葛藤があるのだろうと思います。

2014-10-09 22:53:42
洞窟修道院出張所 @okoshko28

自分がそういう体験をしたら、果たしてどうしただろうか?話したか、それとも自分の胸にだけ秘めておいたか?

2014-10-09 22:54:42
洞窟修道院出張所 @okoshko28

スターリングラード包囲に参加した元ソ連兵の回想。包囲している側よりされているドイツ軍の方がよっぽど楽だった、との談話あり(ただし1942年11~12月ごろの段階)。理由は飲料水で、雪が降り積もるまでは水を手に入れるのにとにかく苦労したとのこと。

2014-10-13 16:03:37
洞窟修道院出張所 @okoshko28

ドイツ側は村を占拠して立て籠もっていたから井戸を使うことができた。しかし何もないところに封鎖陣地を構築したソ連軍はそういうわけにもいかなかったのだそうです。

2014-10-13 16:04:37
洞窟修道院出張所 @okoshko28

これは非常に貴重な証言だと思う半面、この方も実際にドイツ軍の一員として戦ったわけではないから、「彼らの方が楽だった」という話をそのまま採用することはできないと思います。おそらく包囲下のドイツ兵には、事態は全く違う形で映っていただろうから。

2014-10-13 16:07:50
洞窟修道院出張所 @okoshko28

回想録の難しいところですね。「俺たちの方が苦労した」云々は、当事者の実感としては誰にも否定することができない。あとはこれをどう記録としてまとめるか、という部分に戦記執筆者の力量が問われるのだと思います。

2014-10-13 16:11:50
洞窟修道院出張所 @okoshko28

もう一つ、ドイツ軍は包囲環の突破を試みた際、ルーマニア兵とハンガリー兵を先に進ませ、彼らが投降しようとすると後ろから撃ち殺しながら進んだ、とあります。ソ連側にそう見えたのは事実なのでしょうが、実際にそのようなことが起きたのかどうかはちょっと判断に迷うところ。

2014-10-13 16:16:13
洞窟修道院出張所 @okoshko28

遠目にそう見えただけかもしれない。ルーマニア・ハンガリー軍が別行動を取ったところまでは本当かもしれない。等々、いろんなケースが考えられるわけです。また、このちょっと前にルーマニア兵が集団投降しているらしく、そうした情報に左右された可能性もあるでしょう。

2014-10-13 16:18:30
洞窟修道院出張所 @okoshko28

ただまあ、これを「荒唐無稽だから」との理由で疑うのであれば、じゃあソ連軍に関する種々の荒唐無稽なイメージについても疑問を持たないといけませんよね、ということにはなると思います。ソ連軍だからいかにもやりそうだとか、ドイツ軍だから云々とか、そういうのはナシにして。

2014-10-13 16:21:42