今更ながら「岡崎図書館事件」と「タダで良質の検索結果を得られる社会」との関係をトゥギャッてみた
実は1ヶ月少々前に、リスティング広告の危機がありました。詳しくは「岡崎図書館事件」でぐぐってもらうとしまして、概要は「毎秒1回ぐらいの自動アクセスは、DoS攻撃で偽計業務妨害と見なされるカモ」というものです。実名報道のオマケつき、釈放まで20日余。
2010-07-13 20:44:39なんでコイツがリスティング広告の危機だったのか。ヤフーやグーグルといったリスティング広告事業者は、広告主が出したい広告を言われるがままに出しているのではありません。各種法規に違反していないか、広告事業者の内規に違反していないか等々を審査しています。
2010-07-13 20:47:02ところで、審査に当たっては、広告の文章だけを審査するのではありません。ランディングページ、つまり、広告出稿主のサイトも確認しています。
2010-07-13 20:48:48ところが、広告事業者から広告出稿主への審査でのアクセス数がそれなりにありまして、場合によっては広告出稿主から広告代理店まで「審査のアクセスが多すぎる。止めさせて欲しい」という苦情/要望もあります。
2010-07-13 20:51:23従来は当事者間の合議で解決してきました(とはいえ、最終的には広告事業者側は「嫌なら広告出稿をお止め頂いても結構ですよ?」となります)。それが、「法的措置が可能」と判明した時点で、勇ましい広告出稿主は広告事業者に法的措置に訴える可能性があります。
2010-07-13 20:53:11もし仮に、岡崎図書館事件がDoS攻撃と見なされたとしたら、法的措置に訴えた場合、広告出稿主が勝つでしょう。広告事業者側は負けます。これでは、広告事業者側は面白くない。面白くないだけではなく、事業存続の危機に立ちます。
2010-07-13 20:54:59なぜかというと、「著名広告事業者には、新聞同様の影響力があるから、社会の公器としての自覚をもって、それに相応しい審査をすること。「これは広告ですから、広告事業者の与り知らぬ所です」という言い訳は許さない(超訳)」という判例が、アメリカで出てしまっているからです。
2010-07-13 20:57:20というわけで、審査をしなくてもいずれ訴訟を起こされて負ける、審査をしても広告出稿主からの訴訟リスクがある、となると、広告事業者側は踏んだり蹴ったりです。平たく言うと商売になりません。
2010-07-13 20:58:48「だったら、広告事業を止めよう」という話にもなりますし、「検索を提供するサービスも止めよう」という話になります。とても大雑把に言ってしまえば、ユーザーがタダで検索結果というサービスを得られるのは、「検索連動型広告」という事業モデルで広告事業者が収入を得られるからです。
2010-07-13 21:00:27というわけで、多少の・・・いや、、かなりの・・・風呂敷を広げましたが、「タダでは検索結果を得られない」という世の中になったかもしれない危機が、つい1ヶ月少々前にあって、つい数週間前に去ったのでした。めでだし、めでたし。
2010-07-13 21:01:56