ウタウスレイヤー「ゼロ・トレラント・メロディ」 #utslyr
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◆注意な◆ニンジャスレイヤーのアトモスフィアのあるUTAU、実際サツバツ。気になる人はミュート等でのセルフ管理メント重点な◆歌殺◆
2014-10-11 22:15:45(これまでのあらすじ)マテリアル・ウタウのウォータークラウンにとって、それは僥倖と言う他なかった。ハンチングを追跡していたら、目の前で爆発四散したのだ。仇敵ウタウスレイヤーが現れたためだ。アブハチトラズを狙い、ウォータークラウンはウタウスレイヤーの追跡を始める。
2014-10-11 22:19:06重金属酸性雨の降りしきる闇の中、一人のウタウが爆発四散した。名前はハンチング。彼を追跡していたウォータークラウンは、まさかの事態に驚愕していた。 1
2014-10-11 22:22:19マテリアル・ギルドのウォータークラウンは、ハンチングを抹消せよとの指示を受けていた。それが現実にはどうだ。彼が行動を起こす前にハンチングは爆発四散していたではないか。 2
2014-10-11 22:24:17目的は達成されていた。しかしそれに満足するウォータークラウンではない。ハンチングを消した者の姿を見て、彼はさらなる追跡を行うと決めた。奴を消せばボーナスが出るかもしれぬ。それだけではない、組織の目を気にせずにバイオ野菜バーに行けるようになるかもしれない! 3
2014-10-11 22:27:13己の幸運に、ウォータークラウンは天を仰いだ。ネオデーテームを覆う暗雲に晴れる気配はない。「願ったり叶ったりだ」ウォータークラウンは小さく呟くと、プールにはしゃぐ子供めいてコンクリートに頭から飛び込んだ! 4
2014-10-11 22:29:55センスイ・ウタ。これが彼の持つウタである。彼は濡れた構造物であれば、その中に潜ることが出来るのだ。「アイエエエ!?」薄汚れたコートに身を包んだ浮浪者がコンクリート水に溺れる! しかしそれを気にする時間はウォータークラウンにはない。 5
2014-10-11 22:33:22運が良ければコンクリート水から這い上がれるだろうし、もっと運が良ければ誰かが助けてくれるだろう。しかし、そうでなければ浮浪者は誰にも知られることなく溺死の運命を辿るだろう。それを咎める者はいない。当の浮浪者も含めて。 6
2014-10-11 22:36:19「どこだ、どこに行った」ウォータークラウンはその水棲生物めいた顔面を時折コンクリート水の上に出し、追跡対象のウタウ反応を追った。「見つけてやるぞ、ウタウスレイヤー=サン……!」 7
2014-10-11 22:39:38「ハナモ・ストリート」己に意味を見つけられないまま無軌道に日々を過ごす者たちが、無意味に集まる通り。ウタウスレイヤーはいつの間にかロングコートを身につけていた。雑踏の中で誰にも見咎められることなく歩くウタウスレイヤーを、ウォータークラウンはコンクリート水の中から追跡する。 8
2014-10-11 22:42:43「マヌケ」「タノシイ」意味もなく蛍光スプレーで書かれた落書きや、集まった人から金を巻き上げんとするバクチ屋台、刹那的な出会いを求めんとするたちんぼ。そのどれをも無視して、ウタウスレイヤーは地下へと進んでいく。 9
2014-10-11 22:45:54「ヌゥー……」この先は地下鉄。地下となれば濡れた地面は少ないだろう。やむなくウォータークラウンは地上に降り立った。「アイエエ!ウタウ!?ウタウナンデ!?」無軌道学生が悲鳴を上げる。「イヤーッ!」遠慮のない当身が無軌道学生の意識を飛ばす! 10
2014-10-11 22:50:09意識の無くなった無軌道学生のコートと帽子を奪い、忍装束の上から身に纏う。これで彼はどこから見ても、学校帰りの学生にしか見えなくなった。コートを奪われた学生は、重金属酸性雨に打たれ続け24時間以内に行方不明となるだろう。なんというマッポーの世か! 11
2014-10-11 22:52:59ウタウスレイヤーはホームに向かう。ウォータークラウンもそれに続く。無気力な学生やサラリマンの間を縫って、ウタウスレイヤーは来たばかりの車両に乗り込む。ウォータークラウンも遅れまいと隣の車両に乗り込む。「発車ドスエ」合成マイコ音声が車内に響く。 12
2014-10-11 22:57:13動き出す車両。車両間の窓から、隣の車両のウタウスレイヤーを監視する。(まだだ、まだタイミングを図るんだ……)ウォータークラウンの額に汗が滲む。 13
2014-10-11 23:00:45車内は人が多い。そして何より水が少ない。確実に勝つためには、水の豊富な場所に通りがかる必要がある。その時を狙うのだ。ウォータークラウンはそう心に決め、額の汗を拭った。その時である! 14
2014-10-11 23:03:15ウタウスレイヤーと視線が合った!それだけではない。ウタウスレイヤーは確かに手を差し向け、2度中指を曲げたのである!なんたるウタウ洞察力か!既に気付かれていたのである。ウォータークラウンはその驚きに一瞬硬直!その隙をついてウタウスレイヤーは窓の外に移動!乗客は気付かない! 15
2014-10-11 23:05:44ウォータークラウンは後を追う。ウタウスレイヤーは車両の屋上で腕を組み、仁王立ちで待っていた。「……いつから気が付いていた?」「答える必要はない」吐き捨てると、ウタウスレイヤーはオジギをした。「ドーモ、ウォータークラウン=サン。ウタウスレイヤーです」 16
2014-10-11 23:08:03ゴトゴトと不快に揺れる車両、トンネルを強烈に吹きすさぶ風。そんなものはウタウにとっては何の足枷にもならない。しかしウォータークラウンは震える。尾行に気付かれていただけでなく、名前まで知られていたのだ!「……ドーモ、ウタウスレイヤー=サン。ウォータークラウンです」 17
2014-10-11 23:11:25相手は恐るべき手練れだ。聞いた情報によれば、ほぼ一方的に消されたウタウも何人もいると聞いている。さらには情報戦も出来るのだろうと、今しがた身を以て教えられた。ならば、ウォータークラウンに出来ることは一つしか無かった。 19
2014-10-11 23:18:10「イヤーッ!」ウォータークラウンは稲妻めいた速さで両手からスリケンを投擲!その命中を確認することもなく距離を詰める!もとよりスリケンは捨て駒である。格上なのは承知、ならば先制し一撃で決める。スリケンとほぼ等速で駆け、チョップを繰り出す! 20
2014-10-11 23:20:28