駆逐艦「初春」にまつわるほろ苦（犠牲者200人超）エピソード

武将ジャパン @bushoojapan

【艦これブログ～オレの娘は不沈艦】（筆者@daruyangi）から、戦艦や空母に隠れてしまいがちな駆逐艦物語を１編お届けします。全19ツイート、連投謝辞 bushoojapan.com/kancolle/2014/…　#艦これ 　#初春

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艦これスタッフの Twitter アイコンが変わってたので予想されていた方もいたかもしれませんが、駆逐艦「初春」に改二がきました。 ――俺提督はそんなに「初春」が好みじゃなかったので、育ててませんでした。

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ちょうどいい機会なので、今回はちょっと初春型駆逐艦についてお勉強しちゃいましょう。 ――あんまり好みじゃないとか言って正直すまんかった。 初春型は、特型駆逐艦（吹雪型（Ⅰ型）、浦波（改I型）、綾波型（II型）、暁型（III型））に続いて建造された駆逐艦です

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特型駆逐艦は小さな艦体に重武装を積んだ（スペック的には）画期的な艦でした。しかし1930年、ロンドン海軍軍縮条約で狙い撃ちされ、制限の対象となってしまいました

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主砲は5インチ（12.7cm）以下 排水量は600トンを超え1850トン以下 1,500トンを超える艦は合計排水量の16パーセントに抑えること 合計排水量は、米・英・日＝15万トン・15万トン・10万5500トン（10：10：7）

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というわけで初春型は、特型駆逐艦（1,680トン）よりさらにコンパクトな1,500トン未満で、特型駆逐艦に準ずる（できればより高性能な！）艦として計画されました。設計を担当した藤本喜久雄造船大佐もさぞかし胃が痛かったでしょうが、実現させてしまうのだから恐ろしい…

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――で、完成したのがこんな感じ。 （初春型二番艦「子日」、The-Blueprints.comより） pic.twitter.com/N3ef3QlTXd

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艦首に積んだ背負い式12.7cm砲がｶｯﾁｮｲｲ。しかも、下の段は連装砲。後部にも連装砲を積んで、計五門になります。暁型は計六門だったのでちょっと火力は減りましたが、船体がｺﾝﾊﾟｸﾄなことを考えると頑張った感じですね ――実は規定排水量をオーバーしていたのは秘密ﾃﾞｽ

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魚雷は、特型と同じく 61cm三連装を三基（頑張った！）。しかも次発装填装置を備えたことにより、魚雷火力は大幅に向上しています。 それまで魚雷というのは出航時に発射管へ装填したのを一発撃ったら終わりで、そのため予備魚雷も持たなかったのですね

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さてさて、条約の制限内に収めつつも特型駆逐艦と遜色のない性能を備えた初春型でしたが、一番艦「初春」、二番艦「子日」が竣工した直後、海軍始まって以来の大事件が襲います。 それが「友鶴事件」です。（こう書いて“と・も・づ・る”と読みます！ by 漣）

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水雷艇「友鶴」は“小型の特型駆逐艦”ともいえる設計になっていた重武装の新鋭水雷艇でしたが、竣工したその年に荒天のため転覆、総員113名中死者行方不明者あわせて100名。 設計責任者の藤本喜久雄少将は責任を取る形で謹慎処分となり、翌年脳溢血で亡くなりました

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犠牲者の多さもさることながら、110度程度の傾斜に耐えられる設計にもかかわらず、たった40度の傾斜で転覆してしまうというショッキングな事件でした。 なにか計算・設計の根本に誤りがあり、それに従って建造された艦はすべて転覆の危険があるということになります

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当然、初春型も大きな設計の変更が迫られました。とにかく、重心を少しでも低くしなければならぬということで、バルジを外して喫水を深くしたり、主砲の配置を変えたり、魚雷兵装を一部削ったりといった処置がとられました

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――その結果がこれ。 全体的に寂しい感じになったのがわかるでしょうか。ビフォア（子日）＆アフター（初春）を見比べてみてください （初春型駆逐艦 Wikipediaより） pic.twitter.com/Ep7dpDaRoC

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ビフォー（かっちょいい） pic.twitter.com/YdS6uKVSho

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アフター（うーん） pic.twitter.com/Qcx3uEvMHX

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当然、性能も落ちてしまい、何とも残念な駆逐艦になってしまいました。 あまり欲張らずに最初からこのスペックで建造されていれば、もう少し性能も出たのでしょうが……

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当然、性能も落ちてしまい、何とも残念な駆逐艦になってしまいました。 あまり欲張らずに最初からこのスペックで建造されていれば、もう少し性能も出たのでしょうが……

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その後、設計を少し変更した改初春型（有明、夕暮、艦これ未実装）なども建造されましたが、結局、12隻建造される予定だった初春型は6隻で打ち止め。初春・子日・初霜・若葉は第二十一駆逐隊、有明・夕暮は第九駆逐隊へと編成されましたが、戦闘ですべてが失われています。

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その後、設計を少し変更した改初春型（有明、夕暮、艦これ未実装）なども建造されましたが、結局、12隻建造される予定だった初春型は6隻で打ち止め。初春・子日・初霜・若葉は第二十一駆逐隊、有明・夕暮は第九駆逐隊へと編成されましたが、戦闘ですべてが失われています。

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初春型は条約の制限下、海軍の過大な要求に応えようとしましたが、大きな成功を収めることはできませんでした。次に設計された白露型でも海軍を満足させるスペックは実現できず、問題の根本的な解決は条約を脱退した後に建造された朝潮型を待たなければなりませんでした。

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初春型は条約の制限下、海軍の過大な要求に応えようとしましたが、大きな成功を収めることはできませんでした。次に設計された白露型でも海軍を満足させるスペックは実現できず、問題の根本的な解決は条約を脱退した後に建造された朝潮型を待たなければなりませんでした。