2014年10月15日

粋でイナセな建築家、高須賀晋とは

高須賀晋という建築家は、一般にはほとんど知られていないでしょう。 建築設計士の人たちでも知らない人がずっと多いかもしれません。ほとんど人知れず、しかし日本の戦後建築界に潜在的な影響を及ぼしているだろうと私が考える建築家の一人です。
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建築エコノミスト森山高至 @mori_arch_econo

高須賀晋という建築家は、一般にはほとんど知られていないでしょう。 建築設計士の人たちでも知らない人がずっと多いかもしれません。ほとんど人知れず、しかし日本の戦後建築界に潜在的な影響を及ぼしているだろうと私が考える建築家の一人です。 pic.twitter.com/icv2ibnUTv

2014-10-15 09:46:37
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建築エコノミスト森山高至 @mori_arch_econo

高須賀さんは、大工さんたちにも圧倒的な人気を誇る建築家なのです。 大工に人気の建築家?そんな人がいるの?って思うでしょう。 いるんですよ、そういう人が。 まず、この人の功績のひとつに日本の民家集落を継続的に写真や記録に残し続けたという本があります。

2014-10-15 09:47:25
建築エコノミスト森山高至 @mori_arch_econo

木造、コンクリート、鉄骨を問わずこの人の設計した建築には、丹下健三、黒川紀章、磯崎新、安藤忠雄さんたちの日本建築感いわゆるハイアートやスノビズムではないもうひとつの日本、庶民的な日本の美学を現代建築に引き継いだという功績があるのです。 pic.twitter.com/r8OwOkKvn5

2014-10-15 09:48:42
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建築エコノミスト森山高至 @mori_arch_econo

その庶民的な美学というフォークロアな視点ゆえ現在までも建築界ではツウ好み、マニア受けする建築とみなされているのですが、この人に家を建ててもらった人、この人の工事にかかわった職人さんからも圧倒的な支持を受けているという人なんですね。大体、建築家というのは現場から評判悪いのが普通です

2014-10-15 09:50:35
建築エコノミスト森山高至 @mori_arch_econo

高須賀晋さんは予算に関係なく家の設計を引き受ける人なんですが、高須賀さんに家を頼むときの絶対条件が、「酒を飲めること」なんです。 「飲まない人の家はやらない」、というんじゃなくて「 飲まない人の家は出来ないから断っている。」ということのようです。 今、いないタイプですよね。

2014-10-15 09:53:09
建築エコノミスト森山高至 @mori_arch_econo

高須賀さんの仕事を要約すれば、 屋根勾配2.5寸、真壁柱現し、黒壁か白壁、軒の出6寸、これで全てです。 実際、全てというと言いすぎですが、高須賀さんによれば、毎回いろいろな可能性や新しい表現、技術を突き詰めまくっていくと最終的にこの4つの要素に収斂していくことになるそうです。

2014-10-15 09:54:31
建築エコノミスト森山高至 @mori_arch_econo

現代建築のシンプルさとはなんにもなくした非日常的な空間をミニマリズムと称す脆弱な仮説です。高須賀さんのようにシンプルになるのに逆に豊かさを立ち現せてやろうというような人は今、皆無でしょう。シンプルの意味が違うのです。 シンプルにすることで粋な感じになるでしょ?そう言われています。

2014-10-15 09:58:01
建築エコノミスト森山高至 @mori_arch_econo

高須賀さんは工事費の坪単価100万円あっても200万円あってもやりたいことをやろうとすると所詮足りないといわれています。 そりゃそうでしょう現代に茅葺屋根をやろうとかするのですから当然です。一方で坪単価20万円とかいった仕事も引き受けているんです、と聞いたらびっくりしませんか?

2014-10-15 10:05:12
建築エコノミスト森山高至 @mori_arch_econo

代表的な高須賀晋設計の内装写真ですが、松、檜、松、杉、黒壁、障子、終了!今このようなデザインをしてくれる建築家はいません!いたら僕がすぐに見に行きますよ。今の施主さんにこんな家にしましょう?と提案しても受け入れられないのも事実です。 pic.twitter.com/z6Jgu3oqeT

2014-10-15 10:03:56
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建築エコノミスト森山高至 @mori_arch_econo

実際にやってのけています。しかも貧乏症のバラックではありませんよ。 芸術家のアトリエとしてつくられた家ですが、何か初源的な伊勢神宮にも通じるような家です。建築の究極要素としての屋根、それが建物の全てになれば構造部材も仕上げ部材も節約 pic.twitter.com/uDxR2xK4U1

2014-10-15 10:06:25
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建築エコノミスト森山高至 @mori_arch_econo

できるんじゃないか、工法やデザインをシンプルにできれば超ローコストでもヒノキが使えるじゃないか!ということで他の案件の内装、松、檜、杉、黒壁、障子という空間のクオリティはいつもと同じ同等の素材仕様を維持しています。

2014-10-15 10:07:52
建築エコノミスト森山高至 @mori_arch_econo

予算がまったくない家を設計し建築学会賞を受賞しています。 戦後PC材に移行する過程で廃棄されていった線路の枕木(栗材ですね)を集めて建てた家が三宅島にあります。 正倉院にも匹敵するような木造なのに石積みのような風格のある巨大な家です。 pic.twitter.com/ns7vA4V77H

2014-10-15 10:10:02
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建築エコノミスト森山高至 @mori_arch_econo

この建物はログハウスのように木材を積み重ねて壁や柱を生み出していますが、まるで巨大な古木で構成された遺跡のようでもあり、木材が堆積するコンセプトは元枕木だとかいったようなエコ感やリサイクル感なんか見事に吹き飛ばしています。最近の藤本壮介さんのアイデアの元なんじゃないかと思ってます

2014-10-15 10:12:25
建築エコノミスト森山高至 @mori_arch_econo

高須賀晋とは 職人でありながら哲学者、大建築家なのに小住宅を手がけ、予算があってもなくても関係なし、道理が通って潔い、アートではなく伝統にあぐらをかいてもない、無名の工人や匠により受継がれてきた日本建築の用の美を現代にもう一度華開かせようとした、粋でいなせな男の仕事なんですよ。

2014-10-15 10:15:34

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