茂木健一郎氏 @kenichiromogi 第1339回【テレビには文脈を超えて情報格差を減少させる力がある】連続ツイート

2014.10/15 茂木健一郎氏 【文脈を超える力】連続ツイート …ピケティの言う「経済格差」とは別に、現代には「情報格差」があるのであり、しかもその「情報格差」は、いわゆる進学校の生徒をも、「知らない側」に置いているのである。それを乗り越えるのは、カリキュラム教育や、自分の趣味に特化したネット使用といった「文脈」内運動だけでは無理だ…
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茂木健一郎 @kenichiromogi

本日の「朝の文章」は、連続ツイートをお届けします。

2014-10-15 07:34:00
茂木健一郎 @kenichiromogi

NHK総合の『おはよう日本』で、ピケティ著『21世紀の資本論』が取り上げられていた。たいへん意欲的な試みで、このような構成をしたスタッフに、エールを送りたい。私は英語版をキンドルの中に入れていて、まだ読めていないのだけれども、多くの人が知るべきテーマだと思う。

2014-10-15 07:42:58

トマ・ピケティ

社会党 (フランス)系のフランスの経済学者。クリシー出身。経済学博士。パリの高等師範学校の出身で、経済的不平等の専門家であり、特に歴史比較の観点からの研究を行っている。2002年にフランス最優秀若手経済学者賞を受賞。パリ経済学校 設立の中心人物であり、現在はその教授である。また、社会科学高等研究院の研究代表者でもある。…「ウイキペディア」より

茂木健一郎 @kenichiromogi

『21世紀の資本論』は、しばらく前から話題になっていて、すでに論点に精通している人も多いだろうけれども、テレビの役割は、そのような論点を知らない人にも、いわば「ノイズ」として、届けることができるということだと思う。ネットは、案外自分の関心のあることしか見ないから、広がらない。

2014-10-15 07:44:00
茂木健一郎 @kenichiromogi

ある進学校で、「エドワード・スノーデン」を知っている人、って聞いたら、全校生徒のうち、一人しか知らなかった。「誰?」と聞いたら、彼は、「アメリカの情報機関の人」と答えた。それ以上は知らなかった。でも、それだけ知っているだけでも、彼は偉かった。

2014-10-15 07:44:55
茂木健一郎 @kenichiromogi

問題は、「エドワード・スノーデン」を知っている人が、進学校の全校生徒でも一人しかいない、というのが今の日本の教育の現状であるということだが、それを乗り越える力の一つは、NHKの今朝の「おはよう日本」のように、地上波テレビで放送することではないかと思う。

2014-10-15 07:46:07
茂木健一郎 @kenichiromogi

つまり、ピケティの言う「経済格差」とは別に、現代には「情報格差」があるのであり、しかもその「情報格差」は、いわゆる進学校の生徒をも、「知らない側」に置いているのである。それを乗り越えるのは、カリキュラム教育や、自分の趣味に特化したネット使用といった「文脈」内運動だけでは無理だ。

2014-10-15 07:47:34
茂木健一郎 @kenichiromogi

インターネットによって、人は多くの情報に接することができるようになったが、実際に接しているわけではない。自分のいる文脈を超えた情報に、なかなか接することができない。そのことが、結果として、「情報格差」につながるということに、もっと自覚的にならなければならない。

2014-10-15 07:49:04
茂木健一郎 @kenichiromogi

テレビには、文脈を超えて、情報格差を減少させる力がある。今朝の「おはよう日本」のような試みを応援したい。NHKは、若者の接触率の向上に心を砕いているようだけれども、「視聴率」という数字は、時に、文脈を超え、格差を減少させる真摯な努力を支えてくれるのではないか。

2014-10-15 07:51:19
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート1339回「文脈を超える力」をテーマに、7つのツイートをお届けしました。

2014-10-15 07:52:53