2014年10月15日

先天性風疹症候群(CRS)について、当事者が語る

「25年前に先天性風疹症候群(CRS)で生まれた人が2013年風疹大流行への思いをつぶやいてみる」(http://togetter.com/li/672902)の続きとなります。
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Sakurako / A.Suzuki @sakurako_szk

このあいだ都内の医大で話した内容ベースに続きっぽいもの書いていきます / 25年前に先天性風疹症候群(CRS)で生まれた人が2013年風疹大流行への思いをつぶやいてみる togetter.com/li/672902

2014-10-13 23:01:16
Sakurako / A.Suzuki @sakurako_szk

(1) 風疹感染は1988年の夏、妊娠1~2ヶ月くらい。発熱と発疹、耳後部のリンパの腫れ。病院で検査を受けたが風疹と気づかず妊娠継続して出生に至った。症状は白内障、感音性難聴、心室中隔欠損症。

2014-10-13 23:22:27
Sakurako / A.Suzuki @sakurako_szk

(2) 生後0日に心雑音を指摘されて自然治癒。生後3週位で白内障が分かり3ヶ月でオペ。入院中に、抗体検査と摘出した水晶体からの風疹ウイルス検出でCRSが確定、告知。難聴疑いで検査で右耳失聴も確定。成長後に術後合併症の緑内障、右は現段階で中~後期。2013年に眼内レンズ挿入。

2014-10-13 23:23:08
Sakurako / A.Suzuki @sakurako_szk

(3) 難聴のケア。最初4ヶ月は治療というより親の教育で講義を受けたり日記を書いたり。補聴器装用は生後9ヶ月から。装用効果が見られたので人工内耳は選択せず。視聴覚重複な上に鈍くさかったので聾学校の集団保育についていけず聾学校の選択肢が早い段階で消えて地域校を目指すことになった。

2014-10-13 23:23:32
Sakurako / A.Suzuki @sakurako_szk

(4) 教育は聴覚口話法すなわち補聴器を活用して日本語を獲得する方法だった。昔は手話を使わなかった。三種の神器は今も昔も変わらず「絵日記」「絵カード」「劇あそび」。あと親が日記を書かされるのも同じ。当時デジタル補聴器はまだなく音を増幅するだけのアナログ補聴器だったので大変だった。

2014-10-13 23:26:25
Sakurako / A.Suzuki @sakurako_szk

(5) 地域学校に就学して通級指導教室に入級。横浜には難聴学級はなく他校に通う方式で運用されている。中学も通級利用で高校は普通校。高校では公的支援は無きに等しく特別支援学校はあるが難聴学級はない状態。例外は京都の山城高校。大学は技大で聾/難聴対象の聾学校。大学から手話ユーザーに。

2014-10-13 23:27:29
Sakurako / A.Suzuki @sakurako_szk

(6) 2013年風疹大流行を受けて男性誌向けの漫画「コウノドリ」で風疹編が連載された。漫画に登場するCRSのハルカちゃんは盲+心室中隔欠損症。サバイバーの視点で見ると、無理をして笑っていて、いい子でいなければというプレッシャーを感じているように見えた。

2014-10-13 23:29:58
Sakurako / A.Suzuki @sakurako_szk

(7) ハルカちゃんはピアノが大好きという設定なので有名な視覚障害ピアニストと出会って覚醒するのかもしれないけど、そこまでに至る道のりが果てしないことを身をもって知っているので素直にいい子だなあとは思えなかったのである。余計なお世話かもしれないけど(^^;

2014-10-13 23:34:29
Sakurako / A.Suzuki @sakurako_szk

(8) 障害受容プロセス:「私、他の子と何かが違う!」→「まてよ、私は普通で他の人と何ら違うことはないはずだ!」→「努力すれば健常者と同じようにできるんじゃないか?」→「やっぱ私には無理かも」→「仲間ができた!こんな私でもなんとかなるんじゃね?」→「なんとかなるさ<●><●>」

2014-10-13 23:36:21
Sakurako / A.Suzuki @sakurako_szk

(9) あの漫画で描写されていることは当たり前だけど長い人生の一コマにしかすぎない。それが実感として分かるので「○人目が(ry」のニュースもまた単なる事実としてではなく一つの人生の重みを否応なしに感じさせられるものであった。

2014-10-13 23:48:47
Sakurako / A.Suzuki @sakurako_szk

(10) 私自身の障害受容の過程を思い返すと乙武洋匡氏の五体不満足を小学校のときに読んだのが原点だったと思う。手足がなくたってちゃんと生きていけるんだということでショックを受けた。他にも障害のある人の本を読んで、自分はどうやって生きていけばいいんだろうかって迷いはじめた。

2014-10-13 23:56:35
Sakurako / A.Suzuki @sakurako_szk

(11) 読んだ本の中には当然のごとくヘレン・ケラー女史の本も含まれている。今のハーバードに入ったという逸話がインパクト大であった。現在、彼女の名前を冠したヘレン・ケラー・ナショナル・センター(HKNC)が盲ろう者の自立支援を行っていて、CRSのメーリングリストも運用している。

2014-10-13 23:57:17
Sakurako / A.Suzuki @sakurako_szk

(12) それから大学に入ってもうひとつのきっかけを得た。聾学校というところは聞こえないことが当たり前の社会であり自分でも聞こえないことが特別なことだとは思わなくなる。そして手話が公用語なので、手話を使う自分という今までの自分とは違う新しい自分を見出すことができた。

2014-10-14 00:00:30
Sakurako / A.Suzuki @sakurako_szk

(13) 学部2年か3年のころに「爆問学問」という爆笑問題の番組に福島智先生が出た。全盲ろうでありながら東京大学先端科学技術センターの教授に就任したひとだ。そのときにヴィクトール・フランクルの『絶望=苦悩-意味』という言葉を引用して、意味が無い苦悩が絶望である。

2014-10-14 00:05:36
Sakurako / A.Suzuki @sakurako_szk

(14) この式は『絶望+意味=苦悩』と変形することができる。絶望の中に意味を見いだすことができれば、それは絶望ではない。今苦しみ悩んでしんどくてもそれを簡単に不幸だというのではなく意味をそこに見いだせれば新しい世界が見えるんじゃないかという話があって、いたく感動したこともある。

2014-10-14 00:06:53
Sakurako / A.Suzuki @sakurako_szk

(15) このような体験をとおして障害があるから不幸な人生になることは決してなくて、むしろ障害があるからこそできることがあるはず!と思うようになった。補聴器を切れば聞こえない世界があって、スイッチを入れると聴こえる世界がある。二つの世界を行き来できるのはエキサイティングだ。

2014-10-14 00:09:31
Sakurako / A.Suzuki @sakurako_szk

(16) 障害を受け容れることは決して簡単なことではない。「障害学」という一つの学問があるくらいだ。私自身も覚醒しているわけではなく、聴者へのあこがれはいまでも尽きないし、あいかわらず人生を迷走し続けている。

2014-10-14 00:23:00
Sakurako / A.Suzuki @sakurako_szk

(17) CRSでは心臓病や低体重出生児など命に直接かかわる部分だけでなく、目や耳の障害、知的障害や発達障害など人とのコミュニケーションにかかわる部分にも障害が生じる。目や耳から情報を得られないことによって集団の中で自分だけが取り残される二次的な障害が生じてしまうのだ。

2014-10-14 01:18:00
Sakurako / A.Suzuki @sakurako_szk

(18) 東日本大震災のときには防災無線が聞こえなかったために、たくさんの聴覚障害者が犠牲になった。情報が「ある」ということを知らなかったからだ。障害によって人と接する機会そのものを奪われ、ときに命さえも奪う。それが先天性風疹症候群という病なのである。

2014-10-14 01:18:17
Sakurako / A.Suzuki @sakurako_szk

(19) 昨年生まれた子どもたち、そして私たち成人もだが、それぞれが持っている病気や病気と一生つき合わなければならない。その過程で障害受容やコミュニケーションの問題をはじめさまざまな悩みを抱えることもある。周囲が支えてひとりぼっちにしないための長期的な取り組みが不可欠だ。

2014-10-14 01:21:27
Sakurako / A.Suzuki @sakurako_szk

(20) 第一には、コミュニケーション支援。聴覚障害では文字通訳や手話通訳、視覚障害なら音訳や点訳など、それぞれに合ったコミュニケーション手段を保障することが必要である。本人(家族)が支援の存在を知る機会の提供、ニーズを伝えるスキルを高めることも必要だと思う。

2014-10-14 01:21:49
Sakurako / A.Suzuki @sakurako_szk

(21) 第二には、CRSサバイバー同士のつながり支援。CRS同士に拘らず既存の障害者団体でもいいし聾/難聴学生なら手話サークルや全日本聴覚障害学生懇談会などもある。健常者の中だと障害者だからあれもこれもムリと思いがち。実はそうではない!ということに気づくことが大事だと思う。

2014-10-14 01:23:25
Sakurako / A.Suzuki @sakurako_szk

(CRSサバイバー同士の情報交換に関してはFacebookに海外コミュニティがあります。国内向けに関しては本格始動はしておりませんがFacebook内にグループ(非公開)があります。入りたい方は@かDMでどうぞ。お待ちしております~。)

2014-10-14 01:29:31
Sakurako / A.Suzuki @sakurako_szk

(22) 第三には、CRSに関連する障害への理解啓発である。佐村河内氏事件や全盲女子高生傷害事件などで、誤解にもとづく憶測が拡がってしまった。事件とまでいかなくても日常生活の中でボタンの掛け違いはよくあることだ。風疹の流行をきっかけとして障害者のリアルを知ってもらいたいと思う。

2014-10-14 01:30:16
Sakurako / A.Suzuki @sakurako_szk

(23) たとえ風疹が撲滅できたとしてもCRSサバイバーの病気や障害がなくなるわけではない。サバイバーがみな安心して暮らせる世の中であってほしい。ワクチンの接種率をあげて風疹を排除するということはゴールではなくて通過点にしかすぎないのである。

2014-10-14 01:30:43
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