「本格ミステリ」「新本格」は今まで英語でどのように表現されてきたか

先日作成した以下の2つのTogetterまとめに関連するまとめです。 2014年10月13日:「本格(Honkaku)」という言葉が米国『エラリー・クイーンズ・ミステリ・マガジン』のブログで紹介される http://togetter.com/li/731215 2014年10月14日:【続報】日本の「Honkaku」ミステリ事情がアメリカの雑誌『パブリッシャーズ・ウィークリー』の増刊号で紹介される 続きを読む
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本格派 = Orthodox School (正統派)

新本格派 = Third Wave of Orthodox Writing (正統派第三の波)

1999年のアメリカのミステリ事典の「日本のミステリ小説」(Crime and Mystery Writing in Japan)の項目

Dokuta 松川良宏 @Colorless_Ideas

1999年にアメリカで出版されたミステリ事典The Oxford Companion to Crime and Mystery Writingでは、「本格派」はOrthodox School、「変格派」はUnorthodox or Innovative School、(続

2012-01-29 15:46:28
Dokuta 松川良宏 @Colorless_Ideas

(続き)「新本格派」はThird Wave of Orthodox Writingとなっているそうだ。(仁賀克雄「海外が見た日本ミステリ」『ミステリマガジン』2000年3月号参照)

2012-01-29 15:47:41
  • 変格派の「Unorthodox or Innovative School」は「非正統派」または「変革派(革新派)」
  • 日本のミステリ作家でこの事典に項目があるのは松本清張のみ
  • 新本格のことを本格ミステリの「第三の波」と呼んだのは笠井潔氏

新本格作家 = New Traditionalist (新伝統主義者)

米国『エラリー・クイーンズ・ミステリ・マガジン』2004年1月号

Dokuta 松川良宏 @Colorless_Ideas

法月綸太郎「都市伝説パズル」の英訳 An Urban Legend Puzzle が掲載されている米国のミステリ雑誌『EQMM』2004年1月号。作者は "new traditionalist" movement に参加していると紹介されている。「新・伝統主義者」。

2012-02-15 00:29:58
Dokuta 松川良宏 @Colorless_Ideas

@tantei_kid ありがとうございます! 新本格についての説明は2004年に載ったときとだいたい同じですね。 pic.twitter.com/dwI0PU1i6t

2014-09-07 18:03:18
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  • ↑ 「都市伝説パズル」著者紹介。「新伝統主義者ムーブメント」は「謎解きの構築が鍵」(puzzle construction is key)と説明されている。
Dokuta 松川良宏 @Colorless_Ideas

法月綸太郎の「都市伝説パズル」、英語圏では「松本清張の影響を受けている」という指摘があったらしい。 detectivesbeyondborders.blogspot.jp/2007/11/new-tr…

2013-02-15 23:18:19

本格ミステリ小説 = Orthodox Detective Novels (正統ミステリ小説)

新本格派 = New Orthodox School (新正統派)

2011年にミステリ情報サイト「Criminal Element」に寄稿された記事

Dokuta 松川良宏 @Colorless_Ideas

エラリー・クイーンは日本で生きていた!という英語記事。Ellery Queen is Alive and Well and Living in Japan criminalelement.com/blogs/2011/05/… 日本の新本格ミステリを紹介する記事のようだ。名探偵コナンにも言及あり。

2012-02-24 22:05:23
  • この記事では「本格」に対応する単語として「Orthodox」が使用されている
  • なおこの記事の執筆者のホーリンさんはこの後、日本に留学して京都大学推理小説研究会に入り、その後法月綸太郎「緑の扉は危険」を英訳して翻訳家デビューした

Last Practitioners of the Pure Puzzle (ピュア・パズルの最後の実践者たち)

2013年の米国『エラリー・クイーンズ・ミステリ・マガジン』編集長のブログ記事

木村二郎 (Jiro Kimura) @see_venice

THE WIDE WORLD OF MYSTERY FICTION, by Janet Hutchings: wp.me/p2ib3K-3S @wordpressdotcomさんから

2013-01-24 11:56:33
Dokuta 松川良宏 @Colorless_Ideas

今RTしたのは、米国EQMMの編集者であるJanet Hutchingのブログ記事。同誌の非英語圏ミステリ翻訳紹介コーナーPassport to Crime(2003年6月~)から初のエドガー賞短編賞候補が出たことを受けて、このコーナーができたきっかけや意義などについて語っている

2013-01-24 22:51:10
Dokuta 松川良宏 @Colorless_Ideas

(要約)「米国EQMMで非英語圏ミステリ紹介コーナーを始めてみると、ドイツのミステリは風刺に傾きがちで、アルゼンチンのミステリは迷宮的で、日本のミステリは純粋な謎解きの流派と精緻な心理描写の流派の二つがあることが分かった」 somethingisgoingtohappen.net/2013/01/23/the…

2013-01-24 22:55:33
Dokuta 松川良宏 @Colorless_Ideas

(承前)米国EQMMの編集者が、日本のミステリには「純粋な謎解きものの最後の実践者たちの流派と、非常に精密な心理描写をする流派がある」と書いているが、これは2004年に米国EQMMに掲載された法月綸太郎「都市伝説パズル」と光原百合「十八の夏」を念頭に置いたものだろうか?

2013-01-24 22:58:38
Dokuta 松川良宏 @Colorless_Ideas

あ、ちなみに、米国EQMMの非英語圏ミステリ翻訳紹介コーナー「Passport to Crime」からの初のエドガー賞短編賞候補作というのは、Teresa Solanaの"Still Life No. 41"(2012年3・4月号)のことです。

2013-01-24 23:02:11
Dokuta 松川良宏 @Colorless_Ideas

米国EQMMの編集者が日本の本格ミステリ作家を指して使った英語の原文は、「the last practitioners of the pure puzzle」。 somethingisgoingtohappen.net/2013/01/23/the…

2013-01-24 23:04:56
  • 米国『EQMM』編集長は2014年10月8日のブログ記事では「Honkaku」を「伝統的なフェアプレイのパズル・ミステリ」(the traditional fair-play puzzle mystery)と説明している。

新本格作家 = New Traditionalist (新伝統主義者)

米国『エラリー・クイーンズ・ミステリ・マガジン』2014年11月号

  • ホーリンさんの英訳した法月綸太郎「緑の扉は危険」が掲載されている
Dokuta 松川良宏 @Colorless_Ideas

@tantei_kid ついに! 著者紹介のところはどんなことが書いてあるんでしょう?

2014-09-07 17:45:06
  • 「新本格」についての説明は、2004年1月号に法月綸太郎「都市伝説パズル」が掲載されたときとあまり変わっていない。ここでは「謎解きの構成美に重点を置く」と説明されている。

東野圭吾の英訳書のレビューではどのような言葉が使われているか

 日本の新本格作家の作品はほとんど英訳されていない。ここでは、本格ミステリ大賞を受賞した『容疑者Xの献身』などが英訳されている東野圭吾が英語圏でどのような言葉で評されているのかをざっとまとめておく。

Dokuta 松川良宏 @Colorless_Ideas

「独創的なレトロ・パズラー」「『アクロイド殺し』の時代を恋しく思っている人に最適」との評。10月発売予定の東野圭吾『悪意』英訳版のレビュー(Kirkus) kirkusreviews.com/book-reviews/k…

2014-09-01 22:32:46