【速報版】ルナ24号サンプル採取機構の考察 @コスモアイル羽咋

2014年10月11日,コスモアイル羽咋で見学してきたルナ24号地上予備機について,土壌サンプル掘削~帰還カプセル格納の機構を考察しました. さらなる詳細や他の細部につきましては,後日ブログを作ってまとめようかと思います.
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けいけい 🇻🇳 @Kei_Kei_Twi

さてと,コスモアイル羽咋で見学してきたルナ24号地上予備機について,写真と考察をざっくりまとめようと思います. まずは速報版として,サンプル採取機構の部分の考察. #ルナ24号 #Luna24 #Луна24 #コスモアイル羽咋 @CosmoisleHAKUI

2014-10-18 17:32:06
けいけい 🇻🇳 @Kei_Kei_Twi

まずはルナ24号の概要から. ルナは旧ソ連が進めていた無人月探査機のシリーズで,初めての月到達や着陸,月の裏側の撮影を実現しました.ルノホートもこのシリーズです.

2014-10-18 17:33:18
けいけい 🇻🇳 @Kei_Kei_Twi

失敗して名前が与えられなかった機体を含めると12機のサンプルリターン機が打ち上げられ,そのうち16,20,24号が無人でのサンプルリターンに成功しました. @Kei_Kei_Twi

2014-10-18 17:33:32
けいけい 🇻🇳 @Kei_Kei_Twi

アメリカと同じくソ連も有人月探査プランを進めていましたが,予算・時間共に豊富だったアポロ計画に先んじる事が難しくなったことから,無人で月の土壌を持ち帰る計画も同時に進めていました. @Kei_Kei_Twi

2014-10-18 17:34:35
けいけい 🇻🇳 @Kei_Kei_Twi

ルナ15号はアポロ11号とデットヒートを繰り広げ,先に土壌を入手することを目指しましたが,降下中に山腹に激突.涙をのみました. @Kei_Kei_Twi

2014-10-18 17:35:02
けいけい 🇻🇳 @Kei_Kei_Twi

ちなみに,ルナ16,20,24号が持ち帰ってきた月の砂,こちらも先日見学してきました.詳細はこちらに. 佐賀県立宇宙博物館 ルナ探査機が持ち帰った月の砂 弾丸見学ツアー - Togetterまとめ togetter.com/li/714094 @Kei_Kei_Twi

2014-10-18 17:35:43
けいけい 🇻🇳 @Kei_Kei_Twi

24号はルナ計画最後の機体です. 1976年8月9日にバイコヌール宇宙基地よりプロトンロケットで打ち上げ.8月13日に月周回軌道へ投入され,8月18日に月面着陸に成功.8月22日に約170gの月の土壌を載せたカプセルが地球へ帰還. @Kei_Kei_Twi

2014-10-18 17:36:07
けいけい 🇻🇳 @Kei_Kei_Twi

じゃーん!こちらがルナ24号予備機! コスモアイルの情報では,分解されていない状態の同型予備機は世界に1,2台しか存在しないとか.途方もなく貴重な資料です^^; 【◎】 @Kei_Kei_Twi pic.twitter.com/SSy33MvjBt

2014-10-18 17:36:51
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けいけい 🇻🇳 @Kei_Kei_Twi

ルナサンプルリターン機は,着陸を担う下降段Aと,帰還用の上昇段Bに分かれており,月土壌サンプルは再突入カプセルCによって帰還します.土壌採掘・格納機構はDの部分です. @Kei_Kei_Twi

2014-10-18 17:37:29
けいけい 🇻🇳 @Kei_Kei_Twi

以下に土壌掘削・サンプル格納機構について説明していきます.実機を観察して色々考察・推測できてとても幸せでした^^ まずは機構全体の説明. 【◎】 @Kei_Kei_Twi pic.twitter.com/SNm2hqcRY2

2014-10-18 17:38:18
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けいけい 🇻🇳 @Kei_Kei_Twi

①は掘削ドリルとそのモータを下方へ動作させるためのガイド. ②は掘削用ドリル.(深さ2.5mまで掘削可能.) ③は帰還カプセル. ④はサンプル格納機構. @Kei_Kei_Twi

2014-10-18 17:38:52
けいけい 🇻🇳 @Kei_Kei_Twi

⑤はドリルを駆動するためのモータ.ドリルと直結しており,①のガイドによって下方へ移動できます. ⑥は,上昇段が離陸する際,邪魔になるガイドレールを折り倒すためのヒンジ. @Kei_Kei_Twi

2014-10-18 17:39:16
けいけい 🇻🇳 @Kei_Kei_Twi

⑦はドリルとドリル用モータを下方へ引き下げ,地面に押し当てるためのモータ.ワイヤとプーリで上方のドリル用モータと連結されています. ⑧は謎の部品.後で用途の推測を幾つかご紹介します. @Kei_Kei_Twi

2014-10-18 17:40:02
けいけい 🇻🇳 @Kei_Kei_Twi

⑨はスイッチで,ドリルが地面を掘り下げ,ドリルと一緒にレールを降りてくるドリル駆動用モータがここまで達すると,それを検出します.(モータ側にこのスイッチを押すための部品がありました.) @Kei_Kei_Twi

2014-10-18 17:40:48
けいけい 🇻🇳 @Kei_Kei_Twi

⑩は,⑦でドリルとドリル用モータを引き下げるために使われるワイヤ用のプーリです. ⑪は,ドリルの先端.下から見ると歯が付いています. @Kei_Kei_Twi

2014-10-18 17:41:21
けいけい 🇻🇳 @Kei_Kei_Twi

次に各部の詳細を見ていきましょう. まずはドリル駆動用モータ周辺. 【◎】 @Kei_Kei_Twi pic.twitter.com/6jI6OtR3IP

2014-10-18 17:42:10
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けいけい 🇻🇳 @Kei_Kei_Twi

AはドリルBを駆動するためのモータ.ドリルとの接合部はよく見ると樹脂状の部品が使われています.衝撃や振動が直接モータ軸に加わるのを防ぐためでしょうか?(※) モータはレールに対してキャスターCで取り付けられており,ワイヤDでドリルと共に引き下げられます. @Kei_Kei_Twi

2014-10-18 17:42:49
けいけい 🇻🇳 @Kei_Kei_Twi

次にレール下端側. ドリル先端Aを下から見るとちゃんと歯になっており,内部は中空です.この中にはチューブが入れられ,ドリルが掘り進むとチューブ内に土壌が充填されていく仕組みでした. 【◎】 @Kei_Kei_Twi pic.twitter.com/nF0RH9HOib

2014-10-18 17:43:21
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けいけい 🇻🇳 @Kei_Kei_Twi

Bは⑦によりドリルとモータを引き下げるためのワイヤ,Cはそのためのプーリです.Dは⑨で紹介したとおり,ドリル用モータが末端まで下りてきたことを検出するスイッチです. @Kei_Kei_Twi

2014-10-18 17:43:36
けいけい 🇻🇳 @Kei_Kei_Twi

そしてレール中央部. Aは⑦で紹介したとおり,ドリルとドリル駆動用モータを引き下げるためのワイヤBを巻き取るためのドラムです. 【◎】 @Kei_Kei_Twi pic.twitter.com/L6aLHELG65

2014-10-18 17:44:16
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けいけい 🇻🇳 @Kei_Kei_Twi

巻取り機構は本体のフレームに対しばねCとリンク機構を介して接続されています.掘削時の衝撃や振動への対策でしょうか?(※) @Kei_Kei_Twi

2014-10-18 17:44:35
けいけい 🇻🇳 @Kei_Kei_Twi

Dはガイドレールを折り倒すためのヒンジ.よく見るとバネ仕掛けがあり,倒した後動かないようロックがかかります. @Kei_Kei_Twi

2014-10-18 17:44:58
けいけい 🇻🇳 @Kei_Kei_Twi

Eの部分にバネをかけて,倒す動力にしていたものと考えられます.見学後Russian Space Webを探したところ,バネが付いた写真がありました. russianspaceweb.com/images/spacecr… @Kei_Kei_Twi

2014-10-18 17:45:25
けいけい 🇻🇳 @Kei_Kei_Twi

(※スペースサイトさんによると,「インパクト・ドリリング」と呼ばれる掘削方法が用いられたようです.ドリルと駆動モータ接合部の樹脂状部品や,引き下げ用モータのバネによる支持は,このための衝撃対策でしょうか? spacesite.biz/ussrspace27.htm ) @Kei_Kei_Twi

2014-10-18 17:45:53
けいけい 🇻🇳 @Kei_Kei_Twi

そしてサンプルの格納機構. ねじが切られた円筒Aに,ドリルBの中のサインプル入りチューブを巻き取って行きます.この円筒ごと帰還カプセルに格納される仕組みで,実際の写真はCとなります. 【◎】 @Kei_Kei_Twi pic.twitter.com/g3kxMnm2Yt

2014-10-18 17:46:33
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