噴石って何か、ちゃんと知ってる?
- HayakawaYukio
- 19068
- 6
- 1
- 19
この問題の歴史的背景
噴石という言葉が視聴者にうまく伝わっているか、心配だ。そもそもレポーターやアンカーがわかっていて使っているか疑わしい。 1)火口から弾道軌道を描いて空中を飛行する大岩 2)空高く上がったあと高速度(といっても一定速度で)落下してくる小石 どっちを指してるのだろか。
2014-10-19 11:21:52噴石は、20世紀初めの浅間山噴火報告書にみえる。そのときは1)大岩の意味で使ってた。そのあと、20世紀後半に爆発を繰り返している桜島でも同様に使われた。しかし、21世紀に入ったころから、気象庁本庁が2)小石まで噴石というようになった。
2014-10-19 11:24:06噴石の意味が二つあっては困るから大岩だけに限定してくれと頼んだら、小石でも人が死ぬことは同じだと断られた。火山現象の正確な記述は必要ないと考えているようだった。そのあと気象庁は「大きな噴石」「小さな噴石」とときどき使い分けるようになった。しかし、この使い分けは読者に届いていない。
2014-10-19 11:26:22うさはかせが、弾道軌道を描く大岩は火山弾といおうと提案したので私は、それに乗った。もともと火山弾は、柔らかいマグマが飛行中に特別なかたちになったものをいうが、その定義を廃して、冷えた大岩が飛んできても火山弾ということにした。つまり、クレーターをつくるのが火山弾だ。
2014-10-19 11:28:12火山弾のこの使い方はまだ普及していない。しかしこの使い方を普及して、 ・火山弾 ・火山れき(小石) と表記し分ければ、どんな火山現象が起こったかよく伝わる。
2014-10-19 11:30:27シェルターは、火山れきを避けることができるが、火山弾には歯が立たない。じっさい浅間山の山頂そばに設置されたシェルター2つのうちひとつは2004年9月の爆発でぺしゃんこになった。
2014-10-19 11:31:24噴石問題についてもっと知りたい人は、ブログの噴石カテゴリーをお読みください。 kipuka.blog70.fc2.com/blog-category-…
2014-10-19 11:33:11御嶽山爆発でいま再浮上
火山学の専門論文では、火山れきと火山岩塊といいます。しかし、かざんがんかいではなんだかわからないでしょう。わかれば火山岩塊といいますが。火山弾のほうがわかりやすくて、こわいでしょ?
2014-10-19 11:41:56英語との対応はこう。 火山れき lapilli 火山岩塊 blocks 火山弾 bombs 弾道岩塊 ballistic blocks 投出物質 projectiles
2014-10-19 11:43:38弾道力学によると、だいたい直径10センチ以下の粒子は地球大気の抵抗力によって等速運動に至ります。それ以上のサイズの粒子は加速運動します。
2014-10-19 11:45:09というわけで、いまの気象庁用語の噴石は、火口から4キロをゆうゆうと超えて、20キロまで届くことになってる。噴石という語から、地表にクレーターをつくる大岩をイメージすると、大きく間違う。
2014-10-19 11:55:09御嶽山噴火いらい不勉強なマスコミが火山弾も火山れきもごっちゃにして噴石と呼んで大変困ってる。大きな・小さなも省略されちゃう。火山弾が20km飛ぶと誤解してるマスコミもいる。
2014-10-19 12:27:46火山弾はシェルターを押しつぶす
火山弾が地面に衝突してできたクレーターの例:2004年9月1日の浅間山爆発。 hayakawayukio.jp/news/2000/asam…
2014-10-19 13:27:572004年9月の浅間山爆発のときに火山弾の直撃を受けてぺしゃんこになったシェルター。2006年10月撮影 pic.twitter.com/F8bVpeIYcK
2014-10-19 13:39:49学ぼうBOSAIではそれで貫きました。弾道を描くものが火山弾。理解してもらうことが大切。“@HayakawaYukio: 火山弾のこの使い方はまだ普及していない。しかしこの使い方を普及して、 ・火山弾 ・火山れき(小石) と表記し分ければ、どんな火山現象が起こったかよく伝わる。”
2014-10-19 13:45:26御嶽山爆発のあと、どこの火山でもシェルター人気だけど、結局こういうことです。 ・火山弾はシェルターあっても避けられない。シェルターごと押しつぶされる。 ・火山れきを避けるにはシェルターが有効。 つまり火口から1キロや2キロのところにシェルターつくっても、その効果は知れてる。
2014-10-19 13:51:452004年9月の爆発でぺしゃんこになった浅間山のシェルター。この写真のほうがわかりやすいかな。2005年9月撮影。火口中心から500メートルの位置。 pic.twitter.com/2ObquVoESH
2014-10-19 14:01:14