『クトゥルーの子供たち』発売から1ヶ月半　～改めて感じるクトゥルー神話の醍醐味～　#cthulhujp

闇に囁く方の森瀬 @TalkingMolice

#cthulhujp 『クトゥルーの子供たち』発売から1ヶ月半ほど経過しました。今後の参考にしようと、各所であがっている感想はなるべく拝見させていただいております。 amazon.co.jp/dp/4047298115/

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#cthulhujp 『魔道書ネクロノミコン外伝』（学研）でも示されるカーター神統記、とりわけ「陳列室の恐怖」で示される神々の系譜については、拙著『ゲームシナリオのためのクトゥルー神話事典』P176の系図が参考になるでしょう。 pic.twitter.com/4HFxP42Sqw

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#cthulhujp 本当は、この系図（森瀬独自作成）についても、ホワイトヘッド「ボソン」ともども『クトゥルーの子供たち』に収録するべきであったかなと、少々後悔しております。とはいえ、他社様の刊行物の情報価値を下げるのはよろしくないと、この時は判断した次第です。

闇に囁く方の森瀬 @TalkingMolice

#cthulhujp ご興味のある方は、『ゲームシナリオのためのクトゥルー神話事典』をどうかお買い求めを……とここまでがお話の枕です。 amazon.co.jp/dp/4797374292/

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#cthulhujp さて－－以前、はてな日記の方で、風見潤氏の「クトゥルー・オペラ」シリーズの系譜について、レイニー「クトゥルー神話用語集（小辞典）」、カーター「クトゥルー神話の神神」をベースに膨らませたもの、という話を書きました。 d.hatena.ne.jp/molice/2013110…

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#cthulhujp 実はこれは、誤りであることが判明しました。後から気がついたのですが、この系図は『幻想と怪奇』第4号（歳月社）に初邦訳された「クトゥルー神話の神神」の扉に掲載された系図をアレンジしたもののようです。 pic.twitter.com/5ymvln6utM

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#cthulhujp ここで、ひとつの疑問が浮かびました。青心社文庫版『クトゥルー１』がお手元にある方は「クトゥルー神話の神神」と読み比べていただきたいのですが－－この系図、文章と食い違いがあるのです。少なくともリン・カーターは、具体的な親子関係を本文中で示してはいませんでした。

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#cthulhujp これはもう初出にあたる他はなし－－ということで、アーカムハウスの"The SHUTTERED ROOM & OTHER PIECES"を入手、'H.P.LOVECRAFT: THE GODS'を確認したところ…… pic.twitter.com/xlVvPSUucg

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#cthulhujp －－ものの見事に文章のみの記事でありまして、系図は影も形もありませんでした。とすると、『幻想と怪奇』のアレは翻訳者である大瀧啓裕氏、あるいは編集者である荒俣宏氏がこしらえたものと思われます。いずれ、ご当人にあたって確認したいところ。

闇に囁く方の森瀬 @TalkingMolice

#cthulhujp このような具合に、日本国内に紹介されるタイミングで、原著には存在しなかった新たな設定が付け加えられることがままありまして……そういうふわっとしたところがクトゥルー神話の醍醐味ではあり、僕の如き物好きにとっては「美味しい」話の種になるわけです。（^,,,^　）

闇に囁く方の森瀬 @TalkingMolice

#cthulhujp ところで、カーター版系譜中にズヴィルポグアという神性がおります。別名をオサダゴワア。ラヴクラフト＆ダーレス「暗黒の儀式」において、ワンパノアグ族からサダゴワアと呼ばれていたツァトーグァの息子にあたる神性であり－－ amazon.co.jp/dp/491533359

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#cthulhujp －－『ラヴクラフトの世界』（青心社文庫）収録のリン・カーター「ヴァーモントの森で見いだされた謎の文書」で言及される神性でもあります。 amazon.co.jp/dp/4878923261/

闇に囁く方の森瀬 @TalkingMolice

#cthulhujp 言及書籍の少なく、登場作品は更に少ないマイナー神なわけですが、なにげにマーベル・コミックス社のアメコミに登場したことがあります。しかも、その作品がいつの間にやら邦訳までされていました！

闇に囁く方の森瀬 @TalkingMolice

#cthulhujp それが、こちら。『マーベル ゾンビーズ:デッド・デイズ』です。ゾンビ化したヒーローたちが地球どころか宇宙をも危機に追い込むエルスワールド、「マーベル ゾンビーズ」の前日譚なのですが－－ amazon.co.jp/dp/4864911592/

闇に囁く方の森瀬 @TalkingMolice

#cthulhujp －－その出発点となった"ULTIMATE FANTASTIC FOUR"誌の関連エピソードが収録されておりまして（！）、こちらにズヴィルポグアも登場するのです。原書は抑えていたのですけれど、日本語訳の方はしばし積んでおりましたため、全く見落としておりました。

闇に囁く方の森瀬 @TalkingMolice

#cthulhujp マーベル世界のズヴィルポグアは「ラヴクラフトが記した〈大いなる古きもの〉の一柱」で、「古代アトランティス人によって深淵に追放された」邪神です。ファンタスティック・フォーがN-ゾーンと呼ばれる異世界に赴いた際、封印されていた邪神に寄生されたという筋立て。

闇に囁く方の森瀬 @TalkingMolice

#cthulhujp しかし、この調子で「マーベル ゾンビーズ」シリーズの邦訳が進みますと、いずれ……さらなる前日譚であるところの"Marvel Zombies vs. Army of Darkness"も出ることになるのでしょうか！ 期待大、期待大。

闇に囁く方の森瀬 @TalkingMolice

#cthulhujp 解説しよう。"Army of Darkness"とは即ち、『キャプテン・スーパーマーケット』の邦題で知られるアレである。

闇に囁く方の森瀬 @TalkingMolice

#cthulhujp 余談。「暗黒の儀式」は、ラヴクラフトの書きかけの小説断片をダーレスが膨らませ、中編に仕上げた作品ですが、サドゴワアとオサダゴワアにまつわる文章はラヴクラフト自身の手になるもの。イベント配布した私家版小冊子『ラヴクラフト断章1』で、日本語訳を紹介しました。

闇に囁く方の森瀬 @TalkingMolice

#cthulhujp 以上、唐突に始まって唐突に終わる連投でした。「4月頃には」とか言っていた「アメコミとクトゥルー神話」の続きは、ごめんなさいなんとか年内にやれるよう頑張って仕事します！（＞,,,＜　）