砲火の音止む事無く、濛々たる煙は豊臣の栄華を誇った大阪の街を包みこんでいる……上杉景勝が上杉の武名未だここに在りと示した鴫野の戦い、佐竹義宣と後藤又兵衛が干戈を交えた激戦、今福の戦いなど血で血を洗う激戦が続いている…… 1
2014-10-21 17:29:33こえがきこえた――おねえちゃんたちの声……真田丸がそう思ったのは昔の事では無い、ごく最近の事だ。九度山から秀頼の使者が来訪を受けて大阪入り、その直後には真田丸は生まれていた。 2 pic.twitter.com/oxTFz4EZzD
2014-10-21 17:30:07真田丸は出城である。城と言っても大阪城の様に大きくも無ければ、聚楽第の様に豪華でも無い。言ってみればの曲輪と堀、よくて物見櫓が在る程度だ。だが、その堅牢さで言えば並の城以上の堅牢さを持っていた。 3
2014-10-21 17:30:27真田丸はどきどきしていた。戦が始まる――それでもその心に恐れは無い。振り返れば大阪城ちゃんが居る。その大阪城ちゃんを守る為に真田丸は居る。それこそが存在意義であり、強い意志を与えている。 4 pic.twitter.com/sHkvxJdrhm
2014-10-21 17:32:04そして――闘い方は既に知っている。真田昌幸が築いた難攻不落の城上田城の技術が真田丸をこの地に築かせ、真田の軍略が闘う方法となり、真田丸に宿っていた。 5 pic.twitter.com/E4Mmm4GxZ8
2014-10-21 17:32:59護る理由が盾となり、闘う方法を矛として……それらを合わせ、真田丸は無敵の力になる……それでも、恐れは無くともやっぱり不安は不安だった。無理も無い。負ければ豊臣は滅ぶ大戦。それが初陣なのだから。6
2014-10-21 17:33:54「真田丸、そろそろ来るぞ……」真田丸は不安と緊張の中、真田幸村の声を聞いた。日付は12月4日――世に言う真田丸の戦いが起ころうとしていた…… 7 pic.twitter.com/3oXysZ3UQs
2014-10-21 17:34:51音――地が爆ぜるような、地鳴りのような音……それは迫る軍勢の音であり、徳川忠直、井伊直考、前田利常ら徳川の将が雲霞の如く迫っていた。 8
2014-10-21 17:35:38徳川の将は真田丸を見ては侮った。ちっぽけな堀にちっぽけな廓、それが真田最強の出城である事を知らなかったのだ。一見すれば容易いありふれた出城だが、一度空堀に踏み込めば死神の領域、屍となる以外に出る事を決して許されない滅殺領域であった。 9
2014-10-21 17:36:25その領域に踏み込めば矢と銃弾が降り注ぎ、何もできずに死ぬ……防御の策を悉く無視した徳川の報いが一説による所の15000人の死者へとつながったとも言われる。10
2014-10-21 17:36:41徳川勢を震え上がらせた真田丸の存在は在りし日の真田の武名を家康の脳裏にまざまざと蘇らせた……そして、それ以上真田丸へ攻める者は居なかった。その日の夕焼けの美しさを、守ったものの大きさを真田丸はずっとずっと忘れなかった…… 11
2014-10-21 17:36:51さて……戦国武将姫MURAMASAちく城コレクション3はどうですかね??私がとっておきの一枚を……真田最強の出城ちゃん……真田丸ちゃんを紹介しちゃいますよ!!これには家康さんもふるえあがっちゃいますよ!! pic.twitter.com/enlpSOZd2b
2014-10-21 19:38:58