「愛国」と「亡国」の取り違えについて 《山崎雅弘》

表題に関連するツイートをまとめてみました。自分を「愛国者」だと考えておられる方は、物事を判断する材料の一つとして役立てていただければ幸いです。 以下の「まとめ」も内容的に繋がるので、併せてご覧ください。 本当の「愛国」とはなにか 続きを読む
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山崎 雅弘 @mas__yamazaki

日本はそれなりに長い歴史を持つ国だが、ただ一度を除いて、国全体が外国に征服されたり主権を他国に奪われたことはない。その「ただ一度の例外」は、日本会議やその系統の政治家が「理想」と見なす昭和の戦前戦中の日本が行き着いた結果だった。自国にとって最悪の事態を招いた体制を理想としている。

2014-10-18 13:12:59
山崎 雅弘 @mas__yamazaki

天皇家という存在も、それなりに長い歴史を持っているが、ただ一度を除いて、天皇が「敗者」として外国の征服者と面会し、天皇制の存続についての判断を他国の政府に委ねたことはない。その「ただ一度の例外」を招いたのも、日本会議やその系統の政治家が「理想」と見なす昭和の戦前戦中の日本だった。

2014-10-18 13:14:08
山崎 雅弘 @mas__yamazaki

つまり、日本会議やその系統の政治家、国家神道を礼賛し靖国神社への参拝を日本国民の務めと見なす人々は、長い歴史の中でただ一度、国の主権を失わせ、大勢の自国民を死に追いやり、天皇制を廃止の瀬戸際に追い込んだ時代の国家指導部を、なぜか「亡国」ではなく「愛国」だと勘違いして礼賛している。

2014-10-18 13:15:11
山崎 雅弘 @mas__yamazaki

ドイツのヒトラーは、最後まで面子にこだわり続けて敗北を受け入れず、その結果としてドイツ本土は戦後に二分割された。それに対し、日本の天皇は、最後の最後で「面子を捨てる決心」をしてポツダム宣言受諾の演説をラジオで行った。当時の日本の戦争指導部で、公然と面子を捨てたのは天皇だけだった。

2014-10-18 13:16:20
山崎 雅弘 @mas__yamazaki

長い歴史の中で、戦争の「敗者」として外国の征服者と面会し、国の主権を相手に譲り渡し、天皇制の存続についての判断すら他国に委ねた天皇は、昭和天皇一人しかいない。どれほどの屈辱と恐怖を味わったかを正確に知る術はないが、天皇にそれを味わわせた張本人が、東條首相ら戦争指導部の人間だった。

2014-10-18 13:17:26
山崎 雅弘 @mas__yamazaki

長い歴史の中でただ一度、国と天皇制を滅亡の瀬戸際に追い込んだ時代の日本の国家指導部は、国家神道を政治思想の柱としていたが、その思想は国民と指導者を際限なく傲慢にさせ、合理的な判断力を失わせた。人権や人道は無視され、自国民や他国民の命がどれほど失われても、それが罪とは考えなかった。

2014-10-18 13:18:53
山崎 雅弘 @mas__yamazaki

皇統(天皇の系譜)では二六〇〇年を超える長い日本の歴史で、国の指導部が国家神道の政治思想に「乗っ取られた時代」の日本は、わずか十数年に過ぎないが、その短い時代に彼らが日本という国に与えたダメージは凄まじいものだった。日本だけでなく、広大なアジアの諸地域にも深刻なダメージを与えた。

2014-10-18 13:20:24
山崎 雅弘 @mas__yamazaki

歴史上、自国に最大のダメージを負わせた短期間の国家体制を、礼賛して再び繰り返そうとすることが、一体なぜ「愛国」なのか。国家神道を国の政治体制に取り入れた人間は、日本を滅亡の危機に直面させた責任を全然とらずに死んだが、彼らの後継者は、その責任を糊塗するために、当時を正当化している。

2014-10-18 13:21:36
山崎 雅弘 @mas__yamazaki

日本という国に最大のダメージを負わせた「亡国」の国家体制を、歴史的事実の否認や改竄によって美化・礼賛し、それを現代に復活させることが「愛国」だと錯覚する日本人が増えている。亡国の道を「愛国」だと取り違えた思考では、誰が本当の「自国を滅ぼしかけた指導者」なのかを正しく認識できない。

2014-10-18 13:23:00
山崎 雅弘 @mas__yamazaki

歴史上唯一、日本を滅亡の淵に追い込んだ時期の国家体制について「二度と繰り返してはならない失敗」と捉えて再発防止策を考えることと、面子を守るために当時の欠陥を認めず、欠陥のある体制を現代に復活させること。どちらが本物の「愛国」か、自分を愛国者だと思う人は自分の頭で考えるべきだろう。

2014-10-18 13:24:07