「因数分解に何の価値があるのか？」

海の産声 @Rock_ozanari

塾講のバイトで因数分解を生意気な生徒に教えていたら「因数分解が社会に出てからなんの役にたつんですかー？ww」とお決まりのウザい質問をされたので「今先生は君に因数分解を教えて金を貰っている」と答えたら納得してくれたのでオススメです。

外清内ダク @DacNoShin

この論理は詭弁なんだけどな……こんなので騙されてるようではいかんぞよ、中高生諸君。

外清内ダク @DacNoShin

どこがおかしいかというと、価値が再帰的に定義されてること。「因数分解になんの価値があるのか」に対して「俺はそれを教えて金をもらっている」という解答なんだが、そもそも金がもらえるのは「因数分解に価値がある」ことが前提。つまり「価値があるからあるんだよ！」を少し言い換えたに過ぎない。

外清内ダク @DacNoShin

そういう答えで納得させることは、はっきり言ってしまえばただのペテンであり、ごまかしである。大人にごまかしばっかされてきた子は、子供にごまかしばっかする大人になるのではないか？（これはただの印象だが）　だから俺はこの回答は不誠実だと思うのだ。自分の仕事の都合で子供を操ってるだけ。

外清内ダク @DacNoShin

さて、ではこういう時どう答えるか。長くなるけど聞く？　と前置きしたうえで、次のように述べる。以下は、今のところの俺なりの「納得」である。

外清内ダク @DacNoShin

まず教育の目的は何か。子供にとってではなく、国策としての教育の目的である。まず第一に社会生活を円滑にするだけの知識を広く一般に教えることである。要は「社会に出て役立つこと」だ。極論、文字が読めなきゃ超困るわけで。できればそれなりの論理的思考や地理の知識とかもあったほうが良いよね。

外清内ダク @DacNoShin

それは確かに教育の一つの側面だが、もう一つ重大な柱があるのだ。それは「高等教育の基礎段階」という目的。高校じゃないぞ。将来大学の研究員とかになって専門的なことをやる、その基礎という意味だ。国としてそうした知識人は絶対に必要で、そのための教育は幼い頃からせねばならない。

外清内ダク @DacNoShin

ところがそれは、もちろん専門家以外の道に進む人には全く不要な知識になる。でも国としてはやらなきゃいけない。だから義務教育に因数分解なんて日常ではなんの役にも立たないものも混ざっているのだ。

外清内ダク @DacNoShin

そんなのやりたい奴だけやればいいじゃねーか！　はいその通り。よって、「やりたい奴」「できる奴」を選別するために、受験というものがあるのである。これで理由の説明はおしまい。

外清内ダク @DacNoShin

ここでこういうツッコミもできる（してほしい！）。「でも高校はほとんど皆行くし、そのわりに因数分解はどこの高校でも必要だよね」まあね。それどころか大学行ってもほとんどのひとが専門家にならない今、確かにそれだけでは納得できまい。

外清内ダク @DacNoShin

ここには教育の歴史が関係する。まず、さっき述べた理由で「大卒はエリート」という認識があった。すると就職なんかで有利だ。だからその利益を得るために大学行きたいという人が大勢現れる。その受皿として大学が増える。みんな行けるようになる。価値が下がる。今ここ。

外清内ダク @DacNoShin

こうして役に立たんことを全員が学ばねばならない、歪んだ教育社会ができてしまったのであった。呪うなら産まれた時代を呪え。そして我慢ならなかったらこの手で変えてやろうぜ！！　これですべての説明おしまい。

外清内ダク @DacNoShin

で、こうした認識のうえで、俺なんかは「いらんと思うならやらなくていいよ」と皮肉とかでなく言う。将来要ることなら全力でやればいいし、受験で要るだけのことなら合格する最低限だけ学べば良い。受験ですらいらんことなら放置でいい。大事なのは自分の人生の目標だ。学校に合わせる必要なんてない。

外清内ダク @DacNoShin

どうもみんな、「学校で教わることは全部しなきゃいけない」って先入観があるんだよな。律儀にやる奴もスネてやらない奴もそこは共通。でも、学校なんてパッケージなんだから、バラしているものだけ取捨選択してもいいんだぜ。さっき述べたような背景があるんだから、理屈から言ってそうなる。

外清内ダク @DacNoShin

とゆー、わりとキョーイクシャとしてアルマジキな感じのことを考えたり喋ったりしてるダクさんでした。