第61回獣医師国家試験直前講座「オウム病編」

ずいぶん昔のことですから、リンク切れなどもあるでしょう。 #vetkokushi 等から拾える範囲でぼちぼちまとめます。
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Stray @K9FCR

オウム病【感染源】オウム病クラミジア(Chlamydia psittaci)は鳥類、主にオウム、インコ類に感染するが、家禽や愛玩鳥(ハト、シチメンチョウ、ニワトリ、ブンチョウ、ジュウシマツ)や野鳥にも感染し、特にペットの小鳥が重要な感染源となっている。 #vetkokushi

2010-02-14 23:44:05
Stray @K9FCR

オウム病【鳥類以外】イヌ、ネコ、ウシ、ブタ、その他の野生動物だけでなく、両生類や魚介類も感染する。ヒトへの感染は、汚染されたトリの羽毛や粉末状に撒き散らされた排泄物などを吸引して感染する。またトリに口移しで食物を与えて感染を受けることもある。 #vetkokushi

2010-02-14 23:47:48
Stray @K9FCR

オウム病【病原体】クラミジアは生きた細胞中でしか増殖できない。生活環は2つに分かれ、1つは「基本小体」で感染性を持ち、宿主の細胞内に侵入できる。もう1つは基本小体が約3倍の大きさに変化した「網様体」と呼ばれる形態で、感染性はないが分裂増殖する。 #vetkokushi

2010-02-14 23:53:21
Stray @K9FCR

オウム病【持続感染】鳥類では、不顕性感染や持続感染の状態で病原体が維持され、適切な治療を行わなければ、終生、持続感染をした状態になる。 #vetkokushi

2010-02-14 23:56:16
Stray @K9FCR

オウム病【感染経路】感染しているトリの糞や鼻汁中に多くクラミジアが排泄され、そのため、ほこり状の排泄物や霧状の分泌物、それらが付着した羽毛片などを吸い込んで感染することが最も多い。また口移しで餌を与えて感染することも多い。 #vetkokushi

2010-02-14 23:58:51
Stray @K9FCR

オウム病【ヒト症状】潜伏期は1〜3週間で頭痛、筋肉痛、全身倦怠の症状を示し進行すると肺炎を起こす。咳は始めは乾性であるが、次第に湿性となる。胸部X線像では肺門より放射状またはくさび状に広がる斑紋状陰影をみる。重症例では40℃の発熱が2週間続いた後下降。 #vetkokushi

2010-02-15 00:05:04
Stray @K9FCR

オウム病【トリ症状】不顕性感染が多いが、環境や飼育状態が悪いと発症する。初期には水浴び、毛づくろい、さえずりや食欲も減少。膨らんでじっとして元気消失。眼、口、肛門周囲が粘液状滲出物で汚れ、水様性あるいは血便となる。脚や羽のふるえ・麻痺がおこり衰弱し死亡。 #vetkokushi

2010-02-15 00:09:28
Stray @K9FCR

オウム病【ヒト診断】トリとの接触が明らかな場合は、まずオウム病を疑う必要がある。血液・喀痰を用い、マウスの腹腔内あるいは脳内接種または発育鶏卵の卵黄嚢内接種によるクラミジアの検出を行う。血清学的に補体結合反応により検査し、確定できる。 #vetkokushi

2010-02-15 00:13:40
Stray @K9FCR

オウム病【ヒト治療法】早期に診断し、有効な抗生物質(テトラサイクリン系またはマクロライド系)を投与すれば予後は良い。診断が確定できず(クラミジアは通常の細菌培地では発育せず細菌学的診断が遅れる)、有効薬剤投与できない場合は回復が困難で死亡することもある。 #vetkokushi

2010-02-15 00:18:24
Stray @K9FCR

オウム病【トリ治療法】ヒトと同様にテトラサイクリン系あるいはニューキノロン系抗菌薬を使用する。感染予防、発症、排菌対策として餌にテトラサイクリンを添加して作られているものも販売されている。これを与えるとクラミジアの排出は5日で停止するが3週間継続使用する。 #vetkokushi

2010-02-15 00:21:58
Stray @K9FCR

オウム病【ヒト予防法】鳥かごあるいはトリの繁殖環境から羽毛や糞などを除去し、清潔にする。あらかじめ清掃範囲に湿気を与え、ほこりを吸い込まないように注意する。口移しで餌を与えたり、自分たちの食事中に食卓の上で小鳥を自由に遊ばせたりしない。 #vetkokushi

2010-02-15 00:26:19
Stray @K9FCR

トリ病【オルニトーシス:ornithosis】かつて、オウム、インコ類以外のトリ(レース用ハトなど)が感染源となるクラミジア感染症を「トリ病」と呼んでいたが、病原体その他は同じ病気なので現在ではどちらもオウム病という。 #vetkokushi

2010-02-15 00:30:25
Stray @K9FCR

【クラミジア感染症】肺炎クラミジア(C.pneumoniae)による肺炎、気管支炎。トラコーマクラミジア(C.trachomatis)が引き起こすトラコーマ、新生児肺炎、鼠径リンパ肉芽腫症、非淋菌性尿道炎があり、ヒトからヒトへ感染する。オウム病はしない。 #vetkokushi

2010-02-15 00:34:30
Stray @K9FCR

オウム病【キャリアー】日本国内への輸入鳥は年平均130万羽。これらが輸入2週間以内に死亡する原因は49〜77%はオウム病であると言われる。死亡したトリと同じかごに入れられて生き残ったトリは病原体をもった保菌鳥として、健康な鳥と全く区別されないでショップへ。 #vetkokushi

2010-02-15 01:09:09
Stray @K9FCR

第59回a問65 クラミジアで正しいのは?a 網様体は感染性がない。b DNA あるいはRNA いずれか一方をゲノムとしてもつ。c 人工培地に発育可能な最小の微生物である。d 感染細胞で核内封入体を形成する。 #vetkokushi

2010-02-15 01:18:18
Stray @K9FCR

第59回a問65 (続き)e ATPを自ら合成することができない。1.a,b、2.a,e、3.b,c、4.c,d、5.d,e #vetkokushi

2010-02-15 01:19:23
Linne @linnemitsuki

おはようございます。 国家試験の形式が変る初年度に受けることになってしまった不幸に嘆く日々です。 いやむしろ幸運なのか? 小動物臨床が増えるのはラッキーかもなぁ  #vetkokushi

2010-02-15 07:46:15
Dr.Nobody(勤務時間外) @kimu_narie

@linnemitsuki しかしまぁ、国試の問題も、明言されない範囲ではかわってきているものなので。むしろ、試験日程が2月に繰り上げられる来季が大変ではないかと。伝統的な勉強の仕方を変えねばならないので、対策をし始める時機を見誤ると―― #vetkokushi

2010-02-15 08:13:15
Stray @K9FCR

kimunariさん: 国試への対応については国立と私立で大きく状況が異なるでしょうね。私立はもともと合格率に敏感で事前対策セミナーなどもあるのに対し、国立では12月に卒論発表、年が明けてからやっと対策に入る状況でしたから。国立が日程変更に対応しきれるか… #vetkokushi

2010-02-15 19:52:22