【ドボク鎮守府】審判の日　ウォー・デイ　～青葉が見た地獄～　【四回目】

まも（C102お疲れさまでした） @Kojimamo

ドボク鎮守府　審判の日　シリーズ 　　　ウォー・デイ はじまります… ※残酷な描写があります。不快に思われる方はフォローをレッコ（投棄）かミュートして下るようお願いします。 #ドボク鎮守府

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旧世界最後の日 1999年10月27日――――― 米東部標準時18:00　ニューヨーク 深海棲艦攻撃衛星からの奇襲反応弾攻撃により地獄と化したその街に 青葉はいたんです… #ドボク鎮守府

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「うぅぅ…」「うあ…」 ｺｯ　ｺｯ　ｺｯ…　ﾄﾀ　ﾄﾀ　ﾄﾀ　ﾄﾀ 夜が降りて人々が街から出ようとマンハッタン島を突っ切って西側へ逃げようと 地下道や橋へ向かう足音が聞こえていた…。 #ドボク鎮守府

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「こちらは消防です！道を開けてください！道を開けて！」 一度、消防車が2台だけ四番街を走っていくのが窓から見えた。 エンジンが壊れた車の列、何百台もの車の列を苦労してすり抜けようと見た。 かなり年代物のトレーラー式梯子車とポンプ車で消防士が車体にしがみついていた。 #ドボク鎮守府

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消防車達は燃え盛る東のブルックリンの方へサイレンを鳴らして行った。 彼女らは旧型でエンジンに電子式点火装置がなかった。だからEMPで起動不良とならずに出動できたのだ。 #ドボク鎮守府

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でも、あの消防車達はまるで製鉄所か何かの高炉のように燃え滾る現場に行って、何ができたのだろうか。それが使命だとしても。 物凄いオレンジ色の東空だった。 真夜中になり燃えるタールの破片が学校にも降り注いできた。通りや屋上に隕石が降ってくるような終末的な光景だった。 #ドボク鎮守府

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反応弾の爆発による火災が上昇気流に乗り、川を渡ってきたのだ。 この頃にはグレイス教会学校に集まった艦船娘らは共同体を構成し、最善を尽くしてこの終末を生き延びようと団結し始めた。 #ドボク鎮守府

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軍艦である艦娘らが火の玉のように降ってくるタールと放射能から身を護るために艤装展開した上、美術室から引っ張り出したビニール製掛布を被り屋上へ登っていった。 火災を消すためだった。 #ドボク鎮守府

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その夜、放射線病の最初の患者が出た。 夜中11時頃だ。スタテン島フェリーのオレンジ色の艤装服を来たフェリー娘がくしゃみを始めた。彼女は避難民をあらかた運び終えた後に放射性降下物の降りしきる中を仲間とここに来たのだ。 午前二時頃には発熱。嘔吐、湿疹が出始めた。 #ドボク鎮守府

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保険婦の病院船娘がカオぺクテイト（下痢止）を投与したが悪化するばかりだった。朝になって彼女を病院に連れて行く事にした。 原子力ミサイル巡洋艦の艦娘トラクスタン氏が護衛に 大型重量物運搬船の船娘スーパー・サーヴァント3が艤装を展開し彼女を背中に背負って運んでいった #ドボク鎮守府

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トラクスタン (原子力ミサイル巡洋艦) ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88… ＞ベルナップ級ミサイル巡洋艦を元に動力に原子炉を採用した、アメリカ海軍における4番目の原子力艦 ＞平時の日本海における航空警戒の護衛や台湾海峡での偵察巡航も行った #ドボク鎮守府

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スーパー・サーヴァント3　重量物運搬船　 ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9… ＞1982年3月31日に大島造船所で竣工（長崎県西海市） ＞1992年にはジェノヴァ国際博覧会でフローティングパビリオンとなった元青函連絡船「羊蹄丸」をジェノヴァまで運搬 #ドボク鎮守府

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病に倒れた彼女を運ぶ為に武装を持つ艦娘が更に2人同行することになりました。通りは危険かもしれないと思ったからです。戦艦のキアサージと青葉です。 Mk42.5インチ砲に13インチ砲。あと青葉の20cm連装砲も。 これだけあれば暴漢は恐れをなして近づかないでしょう。 #ドボク鎮守府

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放射能についてはそれ程、心配はしてませんでした。真夜中に強い西風が吹き出してマンハッタンから火災のみならず放射性降下物を運び去ってくれたように思えたからです。 しかし、通りを病院へ進むにつれ青葉は間違っていたのだと思いました。 #ドボク鎮守府

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通りに分厚く降り積もった埃のような灰の上を グサッグサッ と音を立てながら歩いていたんです。 それでも進み続けました。病に倒れたフェリ－の子を見捨てるなんて考えられませんでした。 彼女はひどく痙攣して衰弱していました。 #ドボク鎮守府

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十三丁目の交差点を渡る際に大勢の死者を見ました。50人はいたと思います。 射殺・撲殺…焼死…。暴動の余波でしょうか。 この辺りはあちこちで火がくすぶってはいましたが酷く破壊はされていませんでした。 #ドボク鎮守府

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その頃、青葉は知る由もなかったのですが、マンハッタン島を狙った反応弾弾頭が何らかの原因で逸れてブルックリン南部～大西洋に数発が弾着。 ブルックリンに落ちた弾頭による爆風火災が市の東部を総なめにしてロングアイランドでは何十万人という人々が焼かれたりしていたのです。 #ドボク鎮守府

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病院から一ブロックの所まで来た時、青葉達は間違いを犯した事に気がついたんです。 そこから先は一歩も進めないほど込み合ってたんです。 #ドボク鎮守府

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青葉は思わず嘔吐しました。 胸の悪くなるような強烈な悪臭が通りに立ち込めていたんです。 大勢の人々が成すすべも無く病死して通りに横たわっていたんです。 #ドボク鎮守府

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火傷を負った人、放射線病に罹った人。 青葉達は黙ったまま踵を返しました。 病院自体が想像を絶する修羅場だったでしょう。 後で聞けば薬の在庫が底を尽き、患者の壊死した腕や足を無麻酔手術により鋸で切断する白衣の先生と看護婦等の絶望的な治療が行われていたそうです。 #ドボク鎮守府

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学校に戻ってくるなり、青葉達は丹念にシャワーを浴びました。 そして出来る限り建物内に留まり窓に近づかないようにしたんです。 その時、放射能に強く汚染された雲塊が東海岸沿いを北上し、死の領域を広げつつあるという事実はまだ知りませんでした。 #ドボク鎮守府

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食料も近所の住民が持ち寄ったりしてなんとか持ちそうでした。 校長先生のキアサージさん達が食料の貯蔵量を調べ一日一人当り1000カロリー摂取すればあと2週間はここに留まっていられることがわかりました。 #ドボク鎮守府