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Kajiya Kenji 加治屋健司『絵画の解放 カラーフィールド絵画と20世紀アメリカ文化』発売中 @kenji_kajiya

現代アートの主流となりつつあるのは、「地域アート」(越後妻有、ヨコトリ、あいちなどの地方開催のアートフェスティバル)であり、そこでは、地域活性化などの効果ばかりが注目されて、芸術性が問われていない。

2014-09-10 19:47:36
Kajiya Kenji 加治屋健司『絵画の解放 カラーフィールド絵画と20世紀アメリカ文化』発売中 @kenji_kajiya

美術の制度の「問い直し」を目指した68年的な叛逆の精神は、国や自治体による地域活性化の論理に組み込まれて、「関係性の美学」は自己肯定や「小さなユートピア」の論理と化してしまった。芸術は固有の意味や力を失ってしまうのではないか、と。

2014-09-10 19:47:46
Kajiya Kenji 加治屋健司『絵画の解放 カラーフィールド絵画と20世紀アメリカ文化』発売中 @kenji_kajiya

私は、広島でアートプロジェクトの運営に携わり、本文で引用された熊倉純子さん監修の本にも参加した一方で、クレア・ビショップの「関係性の美学」批判の論文の翻訳を企画したので、とても興味深く読んだ。

2014-09-10 19:47:57
Kajiya Kenji 加治屋健司『絵画の解放 カラーフィールド絵画と20世紀アメリカ文化』発売中 @kenji_kajiya

地方のアートフェスティバルには、藤田さんの指摘する問題もあると思う(ただし、上記の国際展の作品の多くは、美術館の展覧会の作品とさほど変わらないので、「地域アート」には当てはまらないように思った)。

2014-09-10 19:48:08
Kajiya Kenji 加治屋健司『絵画の解放 カラーフィールド絵画と20世紀アメリカ文化』発売中 @kenji_kajiya

だが、作家も企画者も、そこまで地域活性化を信じていないというか、額面通りに受け取っていないように思う。作家も企画者も、助成金や行政の要請を念頭に置いて、しばしばそれを踏まえつつも、基本的には自分たちの関心事に基づいて活動を行なっている。

2014-09-10 19:48:21
Kajiya Kenji 加治屋健司『絵画の解放 カラーフィールド絵画と20世紀アメリカ文化』発売中 @kenji_kajiya

それに、地域活性化の要請を踏まえる場合でも、アートとして価値があることが第一にある(もちろん、そうなっていないものも数多くあるが)。

2014-09-10 19:48:31
Kajiya Kenji 加治屋健司『絵画の解放 カラーフィールド絵画と20世紀アメリカ文化』発売中 @kenji_kajiya

地域活性化を、制作上の枠組みや目的に関する要請のひとつとして捉えれば、そうした要請は、地方のアートフェスティバルだけにあるものではないとも思う。国際展や美術館の企画展にもそうした要請はあるし、歴史や状況も同じようにコンテクスチュアルに機能している。

2014-09-10 19:48:44
Kajiya Kenji 加治屋健司『絵画の解放 カラーフィールド絵画と20世紀アメリカ文化』発売中 @kenji_kajiya

言い換えれば、地域活性化は、作品を作ったり、アートフェスティバルを企画する上でのパラメータの一つに過ぎず、美術史や自身の制作関心など、複数のコンテクストの中で作品は作られていくし、そうした複数のコンテクストのなかで作られつつも、それらに回収されないところがある作品が私は気になる。

2014-09-10 19:49:27
Kajiya Kenji 加治屋健司『絵画の解放 カラーフィールド絵画と20世紀アメリカ文化』発売中 @kenji_kajiya

現在の美術史研究は、コンテクストに対する関心が強いのだが、研究者たちは、作品が作られたコンテクストとは別のコンテクストを探り出し、作り出していくものなので、あまり現下のコンテクストに縛られなくてもいいかなと私は思った。

2014-09-10 19:49:38
Kajiya Kenji 加治屋健司『絵画の解放 カラーフィールド絵画と20世紀アメリカ文化』発売中 @kenji_kajiya

そうそう、「芸術の固有性」は、長い間議論があったのですが、現在は、本質主義的な考え方とされるので、議論されにくいですよね。

2014-09-10 21:14:59
Enrico Isamu Oyama @enrico_i_oyama

なんとなく暫定の結論としては、川俣正的な「脱・作品主義としてのコンセプチュアルな関係性」(芸術理念)、北川フラム・白州的な「反体制・アナーキーの連帯としての関係性」(社会理念)、そして日比野克彦的な「理念なき関係性としてのワークショップ」みたいな3つのレイヤーが想定可能なのかな。

2014-09-11 16:01:01
藤田直哉@『ゲームが教える世界の論点』『新海誠論』 @naoya_fujita

「美」や「芸術の固有性」ってなんじゃ、という質問もいただいていて、これはちょっとややこしい説明になるのだけれど、なんとか答えます。

2014-09-11 16:02:31
藤田直哉@『ゲームが教える世界の論点』『新海誠論』 @naoya_fujita

芸術に「本質」があるか、と言われれば、「ないかも」と答えます。「美」もまた(脳科学的な意味での本質っぽいものはあるかもですが)「本質」は「ないかも」と答えます。「本質」はないが、概念や言葉としては、あるわけですよね。

2014-09-11 16:04:25
藤田直哉@『ゲームが教える世界の論点』『新海誠論』 @naoya_fujita

「芸術」とは何か。それは、芸術という言葉で人がそう考えてきたもののことである、ということですよね。言語ゲーム(言葉遊び、という意味ではない)というか、慣習と社会的合意の上で成立している。

2014-09-11 16:06:14
藤田直哉@『ゲームが教える世界の論点』『新海誠論』 @naoya_fujita

「美」も「芸術」も、まぁ時代ごとに反抗されたり爆破されたり覆されたりの連続なんですが、ある意味で「壊す」という「歴史」や「伝統」の上に「芸術」(現代アート)の信頼性・魅力・権威が成立している。

2014-09-11 16:08:22
藤田直哉@『ゲームが教える世界の論点』『新海誠論』 @naoya_fujita

「芸術」とは何か。それはみんなが「芸術」という言葉で呼ぶものである。「美」も同様。そしてそれは時代によって変わる。評論は、言葉で同時代に介入する行為である。みんなが「芸術」の中身を「こう」であると思えば、未来の芸術の定義は変わる。身も蓋もなく言えば、そういうことです。

2014-09-11 16:12:23
藤田直哉@『ゲームが教える世界の論点』『新海誠論』 @naoya_fujita

未来の「美」や「芸術」の定義がどう変わるのが、良いのか。1、芸術自身にとって。2、それが結びついている社会や政治にとって。3、俺にとって(笑) ぼくは、「芸術」の本質や枠を守ろうとしているわけではないんですよ。これ以降は、ちょっとややこしすぎるので説明省略しますが。

2014-09-11 16:14:53
森功次/MORI Norihide @conchucame

話題の『すばる』の「前衛のゾンビたち―地域アートの諸問題」読んだ。まとめと合わせて読むと勉強になるので、ぜひみなさま読みましょう。 芸術が多様化した時代の芸術的価値をどう考えるか、という視点で見るととても面白いです。 togetter.com/li/716706

2014-09-11 19:43:55
森功次/MORI Norihide @conchucame

「だからこそ、単なる権威に拠る自己正当化などが気に食わないのだ。頽落している。反逆や、問い直し、反権威の精神を見失っている。新しい世界の可能性を開示することで、根本的に別種の政治の可能性を提示することが、芸術にしかできないことではないのか。」(p.253) 気になったのはこの辺。

2014-09-11 19:44:43
森功次/MORI Norihide @conchucame

言いたいことはとても良く分かりますが、ちょっと芸術観が偏ってる気もします。 「別種の政治の可能性を提示すること」は芸術じゃなくても、政治学の論文とかでもできるので。

2014-09-11 19:45:48
森功次/MORI Norihide @conchucame

ただ美学やってる者としては、こうした意見を「芸術は一枚岩ではない」と言って退けてしまうのではなく、むしろ、こうした特定の芸術観に依った作品批判によって起きる「すれ違い」を整理したい、という気がします。

2014-09-11 19:46:17
森功次/MORI Norihide @conchucame

最近は、いろんな芸術作品をすべてひとつのアートワールドに属させて評価することの問題、について気になってます。 地域振興アート(とか県展とか)を、西洋中心の「最先端」の現代アート界の評価軸で見ていいのか、という問題意識です。

2014-09-11 19:50:11
森功次/MORI Norihide @conchucame

まあ普通に考えて、地域の人々が楽しんで交流しているところに、現代アートの評価軸を持ちだして「つまらん」といってズカズカ踏み込むのは、やっぱ不躾かつ失礼なことのように思える。 ただ、この失礼さをちゃんと説明しようとすると、けっこう難しい。

2014-09-11 19:51:34
森功次/MORI Norihide @conchucame

「アートワールドの複数化」とは、つまりは「芸術的達成の捉え方が複数化する」ということです。 この評価軸の複数化を考慮せずに、全ての作品をひとつのアートワールドに収めようとすると、どうしても多くの作品が「独創性のない」「つまらない」ものに見えがちになる。

2014-09-11 19:53:09