不知火に落ち度はない その29

@yamoto 氏の #不知火に落ち度はない をまとめました。 前 その28 http://togetter.com/li/738177 次  続きを読む
16
yamoto @yamoto

さて、と。ご飯食べたし落ちぬいはじめますかな。 いい加減お前、駄提督の決断回やろうぜって空気を感じたので、それでいくよー。 #落ちぬい

2014-10-29 19:30:41
yamoto @yamoto

本日の業務である書類決済も無事終了。 何かしらトラブルがなければ、このまま外出しても問題はなさそうだ。 本日の深海棲艦指数は5。近年稀に見る数値である。 モグリ、ギンブチ、なっちーからも、今日は暇だとメールあり。 全国的に、深海棲艦は休業らしい。 #不知火に落ち度はない

2014-10-29 19:36:17
yamoto @yamoto

気象台と併設された戦術予報士も、これならちいっとは羽伸ばせそうだな。んじゃまこっちものんびりさせてもらいますかね。 「不知火。このあと予定ある?」 「ありませんが。強いてあげれば2週間後の遠征組の予定表を──」 「それは俺がやっとく」 #不知火に落ち度はない

2014-10-29 19:40:12
yamoto @yamoto

「了解です。ではこれから、自室に──」 「用はないんだな?」 「ありませんが」 「じゃ、デートしようぜ」 どうよ? と聞いて見るわけで。 不知火はしばらく考え込んで、そうして一言。 「ホテル行きは含まれますか?」 含まれません。 #不知火に落ち度はない

2014-10-29 19:43:17
yamoto @yamoto

そうして準備完了。 不知火をお隣に乗せて発車体制。 デートつっても飯食いに行くだけだしな。 不知火の格好はとっくに冬物装備。紺色の上着と赤チェックのスカートに、おいこれ学生服? などと感想を抱く。 「司令」 「なにかね?」 「アロハ禁止で」 #不知火に落ち度はない

2014-10-29 19:47:10
yamoto @yamoto

それから10分ぐらい揉めた結果、その格好だと行かないと言われ渋々着替えることに。 これだからアロハの自由さがわからん奴は困る。 決め手は先日のスーツ姿に対しての指摘。 いやほら、見合いアロハは流石にな。フレンドリーすぎるかなってな。 #不知火に落ち度はない

2014-10-29 19:50:42
yamoto @yamoto

渋々シャツを着込み、上から使い古しの皮ジャンを装備。 ポロシャツにニットカーディガンの組み合わせもあったがあれゴルフ用だしな。 最近誘われないのは、やっぱ空気読まないホールインワンを大将相手にキメたからだと思われる。 ギンブチが隣で笑い堪えてた記憶。 #不知火に落ち度はない

2014-10-29 19:59:27
yamoto @yamoto

「これおっさん臭くねえ?」 「司令はおっさんではないでしょうか?」 「誰が無理に若作りのアロハ野郎だ」 「自覚があるようでなによりです」 夜の道路を走る軍用車。 ラジオBGMは『星に願いを』である。 ロマンチックな皮肉が来たな。 #不知火に落ち度はない

2014-10-29 20:08:50
yamoto @yamoto

「そいや不知火。私生活の方は最近どうよ」 「司令が一番ご存知ではないでしょうか」 「存じ上げてねえから聞くんだろ」 「特筆することは何もなしです。休日の誘いもありませんから」 陽炎とも休みがあわんなら仕方ないか。 きっと、何もなく過ごしてる俺と同じだ。 #不知火に落ち度はない

2014-10-29 20:13:07
yamoto @yamoto

そうして車を飛ばすこと25分程度。 お目当ての店の前にたどり着く。 ギンブチの言ってたフレンチである。 なんかやっぱキラキラした佇まいだなここ。 駐車場もカラフルなスポーツカーでいっぱいだった。 三十路が入っていいか不安になりつつ店内へと向かう。 #不知火に落ち度はない

2014-10-29 20:17:53
yamoto @yamoto

「予約の兵頭っすけど」 「お待ちしておりました。どうぞこちらへ」 そして個室へご招待。 よかった出る前にやっといて。 カップルだらけのあの空間に投げ出されると、俺へのロリコンヘイトがMAXと化す。 今でさえ援交って声が聞こえたぞおい。 #不知火に落ち度はない

2014-10-29 20:23:41
yamoto @yamoto

メニューを物珍しそうに見ている不知火。 その様子からやっぱこいつは子供だと思う。 好奇心がたくさん詰まってて、まだまだ経験することが山ほどある。だからか、ちょっと聞いてみた。 「ワインぐらいなら大目に見るぞ」 すると考えたあと、小さく問うてくる。 #不知火に落ち度はない

2014-10-29 20:31:12
yamoto @yamoto

「司令ならどれを頼みますか?」 「そーだな。このエトワール・ドールなんてどうだ?」 甘口と書いてあるのを指差す。 これなら不知火でも飲めるだろう。 並んでるワインは女子向けのものが多い。リーズナブルで美味いのを揃えてる。カリフォルニアとかまであんぞ。 #不知火に落ち度はない

2014-10-29 20:40:27
yamoto @yamoto

「ではそれを一杯いただきます」 「ウェイターさん。頼むわ。俺は運転するからぶどうジュースで」 「かしこまりました。食後でよろしいですか?」 「いや、すぐでいいよ」 「かしこまりました」 さすがウェイター。顔色一つ変えずの応対である。 #不知火に落ち度はない

2014-10-29 20:52:13
yamoto @yamoto

そうしてすぐに用意されるワイングラスが二つ。 俺のは真っ赤なぶどうジュース。不知火のが薄黄色の白ワイン。 そうして前菜も置かれて準備完了。 「乾杯するか?」 「司令がお望みなら」 「じゃ、望む」 なにせ区切りの一杯だ。気持ち良く祝わせてくれ。 #不知火に落ち度はない

2014-10-29 20:59:48
yamoto @yamoto

「では不知火のこれまでの働きに感謝し──乾杯」 「乾杯」 #不知火に落ち度はない

2014-10-29 21:08:00
yamoto @yamoto

不知火、乾杯ですよ。 グラスを打ち合わせて乾杯ですよ。 そうしないと始まらないのが乾杯ですよ? こやつめ。外すというナイスジョークを心得ましたか? そういうのは、上司とやるより同僚とやるとウケるぞ。 陽炎とか黒潮とかとな。 #不知火に落ち度はない

2014-10-29 21:09:58
yamoto @yamoto

「司令、つかぬ事をお聞きしますが」 「なにかね? 不知火君」 「これまでの働きに、という言葉にはどういう意味を込めたのでしょうか」 「ああ、それはこれから説明する。まずは乾杯をだな」 「お断りします」 は? ちょいまち。 ちょっと待って。 #不知火に落ち度はない

2014-10-29 21:11:57
yamoto @yamoto

「いや、えっと……これまでの働きというのはだな」 と、説明しようとする矢先に不知火さん。 おかまいなしにぐーっとグラスの中身を一気しやがりました。 おい、おま。 おい、おま。 そんな一気に飲んでも味なんてわからんだろうに。 #不知火に落ち度はない

2014-10-29 21:18:08
yamoto @yamoto

「いい味ね。胸焼けがしそうな気分でいっぱいよ。おかわり」 タン! とグラスを置くとウェイターさんに命令。 その目は明らかに、肉食獣のそれである。 酒を持ってこい、さもなくばお前を酒にしてやるぞ的なやつ。 さすがぬいぬい、戦艦級の眼光を持つ女の子。 #不知火に落ち度はない

2014-10-29 21:20:49
yamoto @yamoto

早速気まずさを感知したウェイター。 素晴らしい速さで猛獣と化した不知火の前にグラスを置く。 プロすげえな。あの様子でも、ちゃんとグラスに酒を綺麗に注ぐんぜ。 一方俺はウサギの如く震えておりますなう。 いや、まって。どうしてこうなったわけ? #不知火に落ち度はない

2014-10-29 21:27:09
yamoto @yamoto

しかし、そこにいたのは普段の不知火ではない。 狂犬の正体をむき出しにしたいわばハイパー不知火である。 差し出されたワインを再び一気!! のどを鳴らして飲み干したあと、タァン! と置いてウェイターに再命令。 「瓶で持ってきて」 #不知火に落ち度はない

2014-10-29 21:30:15
yamoto @yamoto

ウェイターさんから『なんでこいつ連れてきたの?』という視線が突き刺さる。 ごめん、チップ弾むから言う通りにしてやって。 手で可愛くお願いしてみる。 そして、数分後瓶とグラスが置かれて、ウェイターさんは華麗に退場。 かくして個室は密室へと変わった。 #不知火に落ち度はない

2014-10-29 21:36:00
yamoto @yamoto

「それで申し開きはあるのかしら」 コルク開けててもらってよかった。なかったらこいつ歯で開けるぞ感満点の不知火さん。瓶を握って男らしくラッパ飲みである。 お前足あげるのおやめなさい。可愛くない緑のパンツが──ばかな、レースのピンクだと? #不知火に落ち度はない

2014-10-29 21:38:54
1 ・・ 4 次へ