【ヒエキヤマ】1話 山城進水日

1話 山城進水日まとめ 11月3日 山城が進水日をひっそり祝われるお話 こちらのまとめを修正した最終決定版がpixivに上がっています 続きを読む
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桔山 海 @as_keito

日も落ちかけ辺りは夕焼けの赤に彩られていた。 「山城今日、進水日だったよな、おめでとう」 「ああ、そういえばそうでしたね。そんなことはどうでもいいので、姉さまの進水日の方を気にしてください。 あと起工日と就役日も、紙貸してください書きますから」#山城進水日

2014-11-03 19:27:04
桔山 海 @as_keito

「三月十一日、二十八日、十一月八日だろ」「ふふ、私たちを好んで使う提督には余計なお世話だったわね」「いつもより早いが今日はもう帰っていいぞ」「はい」 「ああ、そういえば明日の今の時間くらいにまた来てくれるか、お祝い渡すから」#山城進水日

2014-11-03 19:32:43
桔山 海 @as_keito

「わかりました。一応貰いにあがりますから」 と言い執務室から出ていく山城はどこか気分が良さそうであった。私が思うに、お祝いの品を貰えることが嬉しいわけではなく、一日の業務を終えて扶桑に会えるというのが大きいのだろうと思う。#山城進水日

2014-11-03 19:37:42
桔山 海 @as_keito

多くの人が今の状況でなんで今渡さないのかを聞いてくると思う。聞いてこないのはもう扶桑に会いに行くということに意識が向いてしまっているからだろう。ああ、あと時雨にも明日のことで話があるから呼んでおかなくては。#山城進水日

2014-11-03 19:43:01
桔山 海 @as_keito

執務室から自室に戻ると窓際に扶桑姉さまがもたれているのを目にした。夕日の赤を身に浴び美しさをまた引き立てていた。しかし、表情はどこか憂鬱そうな表情。姉さまは時々ああいう表情をする。#山城進水日

2014-11-03 19:47:46
桔山 海 @as_keito

私に気付くとパッと表情が明るくなるのがわかった。この瞬間が私にとって、たまらなく幸せ。私にとって姉さまは必要だし、姉さまも私のことを必要としてくれている、それがわかるこの瞬間が好き。#山城進水日

2014-11-03 19:53:07
桔山 海 @as_keito

でも同時に何か姉さまを憂鬱な表情にする理由があるならどうにか解消したいという思いもある。「山城、お帰り、早かったのね」「提督が気を使って早く帰えしてくれましたので」そう言って姉さまの隣に座る #山城進水日

2014-11-03 19:57:57
桔山 海 @as_keito

「そう、明日お礼を言っておかなくちゃね」「ええ、明日提督に会ったときに言っておきます。」「山城、執務に出撃に忙しそうだけど大丈夫?無理してない?」「ええ、大丈夫ですよ、まさか扶桑型がこき使われるなんて昔だったら想像も出来ませんでしたよね」#山城進水日

2014-11-03 20:03:10
桔山 海 @as_keito

「そうね」と言う姉さまの表情が一瞬曇った。姉さまの憂いの原因は出撃に関すること?それとも別の何かなのか。「山城?今いろいろ考えているでしょ?わかりやすいんだから、今日は山城の記念日なんだから、もっとわがまま言っていいのよ」#山城進水日

2014-11-03 20:08:15
桔山 海 @as_keito

「では姉さまわがままを一つ聞いてくれますか」と聞くと姉さまはやさしく微笑み頷く「それです。それが私欲しかったんです」姉さまは首をかしげる。#山城進水日

2014-11-03 20:14:04
桔山 海 @as_keito

「姉さま、もっと笑ってください、時々表情が暗くなることがあるので・・・私何かできますか?」そう言うと隣に座っていた姉さまは私の手をやさしく握り、近づいて少し体重をかけた。#山城進水日

2014-11-03 20:18:53
桔山 海 @as_keito

「山城が私の側に居てくれる。それだけでいいの。私を幸せにしたかったら山城が幸せになって。それが私の幸せなの」#山城進水日

2014-11-03 20:25:31
桔山 海 @as_keito

「姉さまも同じこと思ってたんですね。私今幸せです。姉さまは?」 「私もよ」と言って姉さまは微笑んでくれた。#山城進水日

2014-11-03 20:30:32