茂木健一郎氏 @kenichiromogi 第1354回【中国のような体制と、自由や民主主義を大切にする国の、どちらが発展するかという「体制間競争」が起きている】連続ツイート

2014.11/10 茂木健一郎氏 【自由の側に、全部】連続ツイート …(中国の)問題は、経済が、ものづくりやインフラ整備の段階を超えて、ソフト化、情報化した時だ。アメリカを見ているとわかるけれども、インターネットや映画などの産業で、本当にイノベーションを起こして、魅力的なコンテンツをつくるためには、言論の自由、異なる意見の包摂が欠かせない…
1
茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート1354回をお届けします。文章はその場で即興で書いています。本日は、今朝ふと思ったこと。

2014-11-10 06:16:35
茂木健一郎 @kenichiromogi

朝起きて、トイレに行きながら、iPhoneでニュースを見ていて、たまたま、日本語のニュースで、中国のバブルがいつ崩壊するかというやつを見た。崩壊する、崩壊すると言われながらも、なんとか成長し続けている中国経済。日本での報じられ方には、一部Schadenfreudeの期待もあるか。

2014-11-10 06:17:52

Schadenfreude(シャーデンフロイデ)

他者の不幸、悲しみ、苦しみ、失敗を見聞きした時に生じる、喜び、嬉しさといった快い感情。ドイツ語で「欠損のある喜び」「恥知らずの喜び」の意味である。日本語で言う「様を見ろ」の感情であり、日本でのシャーデンフロイデの類義語としては「隣(他人)の不幸は鴨(蜜)の味」、同義の「メシウマ((他人の不幸で)飯が美味い)」という俗語が近い物として挙げられる。…「ウイキペディア」より

茂木健一郎 @kenichiromogi

中国経済がいつ行き詰まるか(行き詰まるとすれば)ということについては、いろいろな細かい議論がある。よく見られるのは過剰融資とその焦げ付きの話だ。本当なのかどうなのか、よくわからない。ぼくは、全く別の構造問題から、中国の経済はいつか行き詰まるんじゃないかと以前から考えている。

2014-11-10 06:19:19
茂木健一郎 @kenichiromogi

それは、中国の政治文化の問題。周知のように、中国の政治は一党独裁で、強圧的だ。民主主義や言論の自由がない国は、ある意味では「効率」が良い。以前北京を訪れた時、大きな道路を走っていて、地元の人がふと「半年前までは、小さな家がたくさんあったんだ」と言ったのを聞いて驚いた。

2014-11-10 06:21:16
茂木健一郎 @kenichiromogi

「開発独裁」のようなプロセスにおいては、一党による指導は物事を迅速に進めることができるのだろう。民主主義の国では問題になる住民の反対とかは無視して進めればいい。中国共産党の人たちは、自分たちが間違うなんて思っていないだろうし、無謬性と効率が結びついて、好調の時期を迎える。

2014-11-10 06:22:53
茂木健一郎 @kenichiromogi

問題は、経済が、ものづくりやインフラ整備の段階を超えて、ソフト化、情報化した時だ。アメリカを見ているとわかるけれども、インターネットや映画などの産業で、本当にイノベーションを起こして、魅力的なコンテンツをつくるためには、言論の自由、異なる意見の包摂が欠かせない。

2014-11-10 06:23:57
茂木健一郎 @kenichiromogi

中国経済が発展して、さらなる成長が、情報、コンテンツなどの「ソフト」の部分にかかるようになった時に、今のような政治体制では、遅かれ早かれ行き詰まる。これが、ぼくの直観である。一党独裁の国が、グーグルのようなイノベーションや、ハリウッド映画をつくれるか。ぼくは、ノーだと思う。

2014-11-10 06:25:26
茂木健一郎 @kenichiromogi

ところで、話は他国のことばかりではない。日本は繁栄して欲しいし、日本経済は成長して欲しいけれども、その阻害要因になっているのは、日本の内なる「硬直」だと思う。偏差値入試や新卒一括採用はその一例である。日本がより発展するためには、日本人はより自由にならなければならない。

2014-11-10 06:26:53
茂木健一郎 @kenichiromogi

『新しい日本の愛し方』(新潮新書)でも論じたように、日本を覆うマインドセットの中に、日本の発展の阻害要因がある。中国の阻害要因は、より深刻で、明示的だが、日本の阻害要因は、より軽微で、しかし内にこもっているだけにある意味ではやっかいだ。私は、これからも訴えていく。

2014-11-10 06:28:40

マインドセット

経験、教育、先入観などから形成される思考様式、心理状態。暗黙の了解事項、思い込み(パラダイム)、価値観、信念などがこれに含まれる。「コトバンク」より

茂木健一郎 @kenichiromogi

結局、中国のような体制と、自由や民主主義を大切にする国の、どちらが発展するかという「体制間競争」が起きている。かつてソ連が自由主義国と比べて好調だった一時期があったが、結果がどうなったかは歴史の示す通り。自由とは何かは難しい問題だが、私は自由の側に自分の人生を賭ける。

2014-11-10 06:30:41
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート1354回「自由の側に、全部」をテーマに、9つのツイートをお届けしました。

2014-11-10 06:31:33