英加銃砲小話~ボーイズ対戦車銃の強化案・25ポンド砲用APDS・6ポンド砲の砲身寿命

大戦期の英軍・カナダ軍の銃砲についての小話 ・.303"口径版ボーイズ対戦車銃 ・ボーイズ対戦車銃用ライフルグレネード ・25ポンド野砲用APDS ・6ポンド砲の砲身寿命
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.303"口径版ボーイズ対戦車銃

JagdChiha 〄 次元不可能性撹拌機 @Jagdchiha

むしろボーイズを.55から.303にコンバートした長射程高精度重狙撃銃とか当時やらなかったのかしら?

2014-11-05 18:20:14
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

後世の人が「これって昔の人は思いつかなかったのかな?」と思うと、大抵は過去から手袋が飛んできて「そんなもの、とうに試したわ!」と頬を叩かれることになるわけですが

2014-11-08 09:04:25
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

ええ、ボーイズ対戦車銃を.55"から.303"にネックダウンする計画、存在したんですね。しかも二回、イギリスとカナダでそれぞれ試された。英本国の計画は実態不明ですが、カナダのそれは42年の計画で、初速を1200m/sにまで高めて対戦車装備としての価値を復活させようというもの

2014-11-08 09:08:31
JagdChiha 〄 次元不可能性撹拌機 @Jagdchiha

ボーイズがあれはあれでかなりよくまとまった対戦車ライフルだと思うんで、あそこから発展させる話がないのは少し変だと思ったらやっぱりやってたか…

2014-11-08 09:12:45
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

この.55/.303"ボーイズ対戦車銃はカナダより先に英国で試されていたのですが、結果は失望的なものだったとされています。肝心の貫通力は僅かにしか向上しなかった上に、銃身の摩耗も著しく、また射距離100ヤードを超えると精度と存速が劇的に低下してしまったと

2014-11-08 09:15:38
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

.55/.303"ボーイズ対戦車銃の具体的な貫通力は明らかでないものの、100ヤードにおける貫通力はNo.68対戦車小銃擲弾に劣るものだったとされています。つまり2インチは抜けないはずという事になりますが、同クラスの対戦車銃は良くて40mmに届くかどうかですから、無理からんですね

2014-11-08 09:19:52
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

結局のところ英軍の.55/.303"ボーイズ対戦車銃はNo.68対戦車小銃擲弾に劣る、という理由で計画が放棄されたようです。となると英軍のネックダウンボーイズの計画は同擲弾の出現以降、かつカナダ版より前なので、40~41年頃の案なのかなあと想像できます

2014-11-08 09:23:55
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

ちょっと面白いのは、カナダ版ネックダウンボーイズの研究に際して先駆者たる英国側がこれにアドバイスをしている事。「やめろ」とも言わないし、無視もしない、英国とカナダの一風変わった関係が漂ってる感じです

2014-11-08 09:28:28
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

大戦期のカナダの兵器開発ってのはちょっと面白くて、自身で0から何かを作るにはちょっと辛いけど、ヴァレンタイン歩兵戦車を結構な数量産できたくらいの工業力は持っているし、そして英国・米国兵器の設計を割とすんなり使わせてもらえる。だから本国では見ないようなちょっと変わった物をよく作る

2014-11-08 09:31:42
変脳コイル猫 @ROCKY_Eto

@FHSWman カナダ五大湖地方はアメリカ自動車産業の下請けを務めていたので、その流れで戦車も量産出来たのでしょうね。戦争中はランカスター爆撃機を量産していたりもするし。

2014-11-08 09:48:24
革命的小銃弾 @3006springfield

13.2x99の.303ネックダウン化に関してはこのページにも記述が確認できる。 >RT Enfield - BSA "Boys" Anti-Tank Rifle rifleman.org.uk/Enfield_Boys_A…

2014-11-09 12:18:13
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

hmmm.. .303/版ボーイズ対戦車銃は高初速を得る改良型としての.303/.55の他に、訓練用に.303を使うものもあったのかな。このへんで話の混乱があるみたいな

2014-11-09 12:29:43

ボーイズ対戦車銃用ライフルグレネード

えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

ボーイズ対戦車銃の改強化案は303"へのネックダウンだけにあらず。ライフルグレネード発射機にする案もあったのです。直径75mmの弾頭を備えたスピゴット式擲弾で、魚雷めいて結構長さがある外見からか「対戦車魚雷」なんて名前が付けられたり

2014-11-08 14:32:18
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

ただ、こんな風に長さのあるスピゴット擲弾を銃身に被せるには、マズルブレーキと照星を都度取り外す必要があった。これがちょっと手間であると考えられ、さらに最終的にはPIATの実用化の目処が立ってきたことから、ボーイズ対戦車銃用擲弾が陽の目を見る事は無かったのでした

2014-11-08 14:37:58
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

しかして対戦車銃で発射する大型のライフルグレネードって、実際割といろんな国で考えられてたんですね。日独英ときて、あとはソ連では似たようなアイデアは無かったのかしらと気になる所です

2014-11-08 14:41:23
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

そもソ連の対戦車小銃擲弾はVPGS-41だけなのかどうか。他に何も試作してなかったってのはちょっと考えにくいのだけども、でも聞いた事がない

2014-11-08 14:52:10

25ポンド野砲用APDS

えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

hmm... 25ポンド砲にもAPDSが検討されてたって話はたまーに出てくるけども、これは弾体に6ポンド砲用の徹甲弾をそのまま使った物だったのね。1943年春頃、手始めにマグネシウム製サボを使うものを試したものの、これは砲口を出る前にサボが自壊し始める(!)ために失敗と

2014-11-09 11:30:37
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

続いて1943年秋には鋼製サボを試作した。しかしこれはマズルブレーキを破損させたり離脱しなかったりと、とかく分離に難あり。曳光弾めいた遅延薬と炸薬を用いて爆破分離する方法まで検討されるも、十分な起爆タイミング精度が得られず。最終的に25ポンド砲用APDS計画は44年3月に中止、と

2014-11-09 11:40:19
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

しかして、大口径砲用APDSの弾体に中小口径砲用徹甲弾をそのまま使うってのは、独軍のPzGr39TSなんかと同じ発想ですね。なんともはや、あっちもこっちも考える事は同じであるなあと思わされ

2014-11-09 11:44:43
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

44年3月といえば6ポンド砲用APDSが実用化出来た頃でもあり、それに既に17ポンド砲も相当数が作られてもいたわけだ。25ポンド砲用APDSそれ自体の良し悪し以前に、もうこの頃には25ポンド砲に対戦車砲としての価値を求める必要が薄くなってきてたのかもだなあ

2014-11-09 12:04:03
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

ともあれ25ポンド砲用APDSの威力推定でもしてみる。このAPDSは中身に57mmのAPCBCを使ったと言うんで、これは重量3.23kgのはず。サボの重量は全く不明で、知りようも無いのでドイツの8.8cm/7cm Sprgr TSを参考にして無根拠に600gと仮定しちゃう

2014-11-09 12:53:31
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

つまりサボと弾体足して3.83kgの弾になる。あとは初速がわからないといけないけど、これも例によって不明なんで推測するしかない。通常の25ポンド砲徹甲弾のエネルギーは175tf·mくらいなので、3.83kgの弾で同等のエネルギーになるような初速を考えればいい、のだけれど

2014-11-09 12:57:12