「ノーホーマー・ノーサヴァイヴ」前半・再放送Ver(実況なし)

ツイッター連載小説"ニンジャスレイヤー 第3部 「不滅のニンジャソウル/Ninjaslayer Never Dies」"より @njslyrによる再放送「ノーホーマー・ノーサヴァイヴ」前半のまとめ(実況なし) 前半(#1~#3) (今ここ) 後半(#4) http://togetter.com/li/743784 続きを読む
0
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

◆ほんじつ、この後、超カラテ再放送「ノーホーマー・ノーサヴァイヴ」を行います。あなたの日曜生活にニンジャアトモスフィアを油断なく送り込む。集まろう◆

2014-11-09 13:49:13

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

オニタマゴ・スタジアム。ウシミツアワー。 1

2014-11-09 14:04:53
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

球場照明プレートは当然消灯されている。代わりに、観客席……当然無観客である……のポイントポイントに設置された蝋燭のジゴクめいた灯火が、そして、カタコンブの墓碑めいて白く四角いベースの蛍光発光装置が、グラウンドをかろうじて照らし出す。2

2014-11-09 14:06:29
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

オニタマゴ・スタジアムは湾岸のイルカモノ・スタジアムと並んでネオサイタマが誇るハイ・テックなドーム式球場だ。しっかりと照明が働いていれば、ドーム天井に描かれた聖ラオモトの禍々しきブッダ戦士図画を見上げることができただろう。だが今この空間は、さながらブードゥー闇儀式の場である。 3

2014-11-09 14:09:15
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

お待ちいただきたい。聖ラオモト?今、聖ラオモトと記述されていたか?然り。察しの良い読者の方は恐るべき認識に至った筈だ。球場を現在スポンサードするのはネコソギ・ファンド社。その社主こそ、故・ラオモト・カンの息子、ラオモト・チバ……暗黒ニンジャ組織アマクダリ・セクトの首領である! 4

2014-11-09 14:14:44
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

そして、おお、何たることか。暗視サイバネアイをお持ちでない諸氏には目を凝らして頂くしかない。グラウンドは無人ではない。ファースト、セカンド、サード、ショート、レフト、ライト、センター……各ポジションでグローブを構えるのは完全武装のサイボーグ野球ヤクザ達だ。では、投手・捕手は? 5

2014-11-09 14:18:40
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

キャッチャーは壁めいた巨体である。スモトリ?否。ビッグニンジャ・クランのニンジャソウル憑依者だ。全身を鎧うスパイクプロテクターの胴体部には、「天下」の漢字と下り矢を重ねたエンブレム……アマクダリ・セクトの荘厳かつ謎めいた意匠!ケンドーめいたフルヘルムの隙間に眼光が浮かび上がる!6

2014-11-09 14:23:41
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「シューフフフ……」呼吸孔とバイクのマフラーじみた左右の管から煙を吐きながら、そのビッグニンジャは、残忍な視線をバッターボックスに立つ者へ向けた。「ニンジャのスポーツマンシップは甘くねェぞ……」そして彼はピッチャーマウンド上のニンジャを見やった。「楽しくなるぜ……」 7

2014-11-09 14:25:01
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

呼応するように、闇の中、ピッチャーマウンド上のニンジャの恐るべき瞳がギラついた。目だけではない。その右肩から指先は、不穏な薄紫の燐光を放っている。おそらく、ニンジャ腕力を強化する何らかのエンハンスメント・ジツだ。「普段、奴は手加減している……キャッチャーがモータルの時はな……」8

2014-11-09 14:27:30
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

キャッチャーニンジャは煙を吐いた。「プロテクターをつけようが、非ニンジャの屑には到底、奴の全力投球を受けきる事はできねえ……ミットを、鎧を貫通し、背中から抜けちまう。だが奴は今夜、俺相手に全力を出せる。絶望しろ。奴は……サブスティテュート=サンは暗殺野球のプロフェッショナルよ」9

2014-11-09 14:31:18
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「奇遇だな」それまで黙っていた打者が、その時初めて答えた。「私もオヌシらを、このスタジアムから生かして帰そうとは思っておらん」……バットを構えたのは、赤黒装束に身を包んだニンジャであった。彼のメンポ(面頬)には、恐怖を煽る字体で、「忍」「殺」の文字がレリーフされていた。10

2014-11-09 14:34:38
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

【ノーホーマー・ノーサヴァイヴ】#1 (再放送)

2014-11-09 14:35:44
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ニンジャ投手とニンジャ打者の視線がぶつかり合った。鋼ヘルメットのつば越しに、赤黒のニンジャは……ニンジャスレイヤーは、マウンド上の敵の全挙動を追う。彼らは既にアイサツを済ませていた。マウンド上のニンジャの名はサブスティテュート。キャッチャー役のニンジャの名はフォートレス。 11

2014-11-09 14:37:58
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

アマクダリ側のベンチには腕組みしたヤクザが満載されている。彼らは皆同じ顔をし、同じ姿勢で、無表情にグラウンドを凝視している。クローンヤクザ、それも野球用にサイバネ強化された個体群だ。対するニンジャスレイヤー側のベンチは?……無人である。 12

2014-11-09 14:41:29
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

スコアボードLEDは送り火めいている。一回表。この段階でニンジャスレイヤーは最初の罠を回避し、辛くも命を拾った形だ。一球も投げられていない現時点で、既にイクサは始まっている。ナンシー・リーがかろうじて行った介入行為。UNIXシステムの一部をハックし、先攻をもぎ取る事ができた。13

2014-11-09 14:46:59
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ニンジャスレイヤーが後攻であれば、どうなったか?ニンジャスレイヤーは独りだ。ゆえに、投球を受けるキャッチャーがいない。試合は続行不可能となり、ニンジャスレイヤーは自動的に敗北する。当然アマクダリもその算段に嵌めるつもりであった筈だ。だが、その目論見は破られた。 14

2014-11-09 14:50:29
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

依然として状況は予断を許さない。圧倒的不利なゲームのスタートラインになんとか立つ事ができた、それだけだ。ナンシーはアマクダリの防衛システムによってbanされ、これ以上の工作は行えまい。「お前、後悔するぜ」フォートレスが笑った。「大人しく失格処刑されていれば楽に死ねたッてよ」15

2014-11-09 14:53:06
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

サブスティテュートが片脚をほぼ真上、垂直に高々と上げた。砂埃が舞い、その輪郭がぼやける。ニンジャスレイヤーは己の心臓の鼓動を聴いた。ゴウ!砂埃が渦を巻き、次の瞬間には、フォートレスのミットがズシリと音を立てていた。フォートレスはキャッチ姿勢のまま1フィート後ろへ滑っていた。16

2014-11-09 14:58:49
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「……ストライク!」アマクダリ審判がボディランゲージを繰り出しながら叫んだ。フォートレスはサブスティテュートへボールを投げ返した。「こういう事だ。そして、今のはウォームアップ、ちょっとした遊びよ。お前、これからジゴクを見るぜ」「……」ニンジャスレイヤーは再びバットを構えた。 17

2014-11-09 15:01:35
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

サブスティテュートが高く脚を上げた。砂埃が渦巻く!「イヤーッ!」ゴウ!「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーはバットを振りぬく!SMASH!ボールは斜め後方へ高く跳ね上がった。フォートレスはフェイスガードメンポを引き上げ、素早く振り返ってボールを目で追う。ボールは後部客席に落下! 18

2014-11-09 15:03:12
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ファウルボール!」アマクダリ審判が判定した。「……」フォートレスがボックスへ戻るニンジャスレイヤーを睨んだ。ニンジャスレイヤーは彼を一瞥した。「遊びとやら、いつ止める」「フン……減らず口を叩けるうちに叩いとくがいいぜ」サブスティテュート第三球!「イヤーッ!」 19

2014-11-09 15:07:51
1 ・・ 6 次へ