ぬい霜ポッキーゲーム

ポッキーの日に提督から特別補給としてポッキーを受け取った不知火。 僚艦の初霜に一緒に食べようと提案されるが……
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CK/旧七式敢行 @CK_Ariaze

「貴女にだけですよ」 「え……?」 初霜には、不知火が笑ったように見えた。 【おわり】 #ぬい霜ポッキーゲーム

2014-11-12 00:03:11
CK/旧七式敢行 @CK_Ariaze

「負けました」 残りのスティックを飲み込んだ不知火が悔しそうに鼻を鳴らす。 「不知火さん、顔真っ赤ですよ」 「誰のせいですか。まったく」 初霜に指摘され、不知火は顔を背けた。 「でも不知火さんもあぁいうことできるんですね。びっくりしました」 #ぬい霜ポッキーゲーム

2014-11-11 23:56:25
CK/旧七式敢行 @CK_Ariaze

さくっ 不知火ももう一口かじり、二人の距離は12.7ミリにまで縮まった。 どちらかがあと一口齧ったら二人の唇は触れてしまうだろう。 ぱきんっ 初霜が意を決して動き始めた瞬間、二人をつなぎとめていた小麦粉とチョコレートの棒は二つに分かれた。 #ぬい霜ポッキーゲーム

2014-11-11 23:47:27
CK/旧七式敢行 @CK_Ariaze

「え、ええと……」 予想外の不知火の行動に戸惑いながらも初霜はスティックのもう一方の端を咥えて一口かじる。 さくっ 不知火と目が合い、初霜は肩をすくめた。 さくっ 同じようにひとくち齧った不知火が初霜に近づく。 さくっ もう一口初霜がかじる。 #ぬい霜ポッキーゲーム

2014-11-11 23:40:35
CK/旧七式敢行 @CK_Ariaze

「不知火はあと一本ですが……欲しいですか?」 不知火は最後の一本を袋から取り出して初霜に見せびらかす。 「いいですよ、それは不知火さんの分ですから」 「一本全部とは言ってません。半分差し上げます。どうぞ」 不知火はスティックを咥えて初霜に顔を向ける。 #ぬい霜ポッキーゲーム

2014-11-11 23:34:51
CK/旧七式敢行 @CK_Ariaze

「早く食べたほうが良さそうですね」 不知火の提案に初霜も頷き、スティックを口に運ぶ。 さく、ぽき、と二人の齧る音だけが風に流されていく。 「あ、もう終わっちゃいました……」 先に食べ終えたのは初霜だった。空になった小袋を見下ろし、残念そうにため息をついた。 #ぬい霜ポッキーゲーム

2014-11-11 23:27:33
CK/旧七式敢行 @CK_Ariaze

「食べましょうか」 「はい」 先に沈黙を破ったのは初霜だった。不知火も頷き、初霜にならって小袋の封を開ける。 「あぁ、もう溶け始めちゃってます!」 最低気温が25度を下回ったことのないラバウルではチョコレートや飴のたぐいはすぐに溶けてしまう。 #ぬい霜ポッキーゲーム

2014-11-11 23:19:42
CK/旧七式敢行 @CK_Ariaze

「からかわないで下さい」 不知火は憮然とした表情を浮かべながらも、初霜に引かれる手を離そうとはしなかった。 二人は基地の中庭の外れにある椰子の木陰に腰を下ろし、しばらく休む。 少し潮気の混じった風が汗ばんだ肌を冷やして心地良い。 #ぬい霜ポッキーゲーム

2014-11-11 23:12:58
CK/旧七式敢行 @CK_Ariaze

提督から指輪を受け取ってから神通は随分角がとれて服装が少々乱れている程度では何も言わないのだが、 神通を文字通り神のように尊敬する不知火はその名前を聞いただけで背筋がピンと伸びる。 「ふふっ、本当に不知火さんは神通さんの名前を聞くと態度が変わりますね」 #ぬい霜ポッキーゲーム

2014-11-11 23:01:51
CK/旧七式敢行 @CK_Ariaze

「初霜さん、暑いならブレザーは脱いだ方が良いのでは」 さすがに規律より初霜のほうが心配になったのか、不知火が声をかける。 「でも不知火さん、そんなところを神通さんに見られたら正座させられちゃいますよ」 「それは……そうですが」 #ぬい霜ポッキーゲーム

2014-11-11 22:56:06
CK/旧七式敢行 @CK_Ariaze

初霜に手を引かれるまま、不知火は宿舎を抜けて基地の中を歩いて行く。 「暑い……」 暦の上では秋が終わる頃なのに、今日もギラギラと太陽がラバウル基地を焼いている。 半袖にベストの不知火はともかく、長袖にブレザーを着ている初霜の額にはたちまち汗が噴き出してくる #ぬい霜ポッキーゲーム

2014-11-11 22:48:23
CK/旧七式敢行 @CK_Ariaze

「それ、もしかして提督にも言いました?」 「もちろんです。指揮官には率先して規律を守るべきです」 初霜は諦めたのか苦笑して不知火の手を握った。 「行きましょう不知火さん、どうせならゆっくりできるところで食べましょう」 「仕方のない人ですね」 #ぬい霜ポッキーゲーム

2014-11-11 22:38:41
CK/旧七式敢行 @CK_Ariaze

「不知火さん……」 はぁ、と大きくため息をついて初霜は不知火の肩を叩く。 「何でしょうか、不知火に落ち度でも」 「そんなに小さなことばかり気にしていると何もできなくなっちゃいますよ?」 「不知火は細かい規律を守ることが大きな成功への近道だと考えます」 #ぬい霜ポッキーゲーム

2014-11-11 22:31:33
CK/旧七式敢行 @CK_Ariaze

不知火、コンビニのお菓子売り場でお菓子のパッケージ裏見てカロリー表示とめっちゃにらめっこしてそうじゃん?

2014-11-11 22:27:14
CK/旧七式敢行 @CK_Ariaze

「不知火さんはお菓子嫌いなんですか?」 「嫌いではありません。好きではないだけです」 不知火は初霜の質問に答えとも逃げとも取れる受け答えをした。 「好きでも嫌いでもない?」 「美味しいとは思います。ですが栄養バランスを欠いていて不健康です」 #ぬい霜ポッキーゲーム

2014-11-11 22:26:16
CK/旧七式敢行 @CK_Ariaze

初霜の言葉に少しだけ不知火は表情を曇らせ、そして初霜の注意が小袋から自分に戻る前にもとの表情に戻した。 「初霜さん、お菓子は好きですか」 「好きですよ。だって食べている間は幸せな気分になって嫌なことを忘れられるじゃないですか」 「そういうものでしょうか」 #ぬい霜ポッキーゲーム

2014-11-11 22:22:34
CK/旧七式敢行 @CK_Ariaze

「ポッキー……?」 「特別配給で司令から頂きました。二人で一箱です」 不知火は初霜の前でパッケージの封を切り、二つ入っている小袋と初霜の顔を見比べる。 「これなら二人で半分こできますね。あとで提督にお礼を言いに行かないと」 #ぬい霜ポッキーゲーム

2014-11-11 22:18:49
CK/旧七式敢行 @CK_Ariaze

「初霜さん」 「なんですか?」 聞き慣れた声に初霜は後ろを振り返った。 今日もシワひとつない制服を着た不知火の手には、彼女の冷たい表情とは不釣り合いな赤いチョコレート菓子の箱が握られていた。 「これをどうぞ」 初霜もそのパッケージには見覚えがあった。 #ぬい霜ポッキーゲーム

2014-11-11 22:14:17
リン @tiger_lingon

私の全く甘くないから甘いのください!!!!土下座

2014-11-11 20:30:47
CK/旧七式敢行 @CK_Ariaze

ぬい霜ポッキーゲーム描いてリンさん悶えさせようと思ったけど自給自足するようなので見守りで

2014-11-11 20:28:27