第三次ソロモン海戦のお話

古鷹さん(@RE_hurutaka)が、海戦参加した複数艦視点の資料からお話をしてくださったので、纏めさせて頂きました!
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重巡洋艦 古鷹改・二 @RE_hurutaka

第三次ソロモン海戦-「村雨」視点- 『艦長たちの太平洋戦争〈続編〉』より抜粋・要約。 挺身攻撃隊指揮官が砲戦命令を下令して、いよいよ敵飛行場に近接していった時、前路掃討中の「夕立」がルンガ岬方向に敵発見を報じた。

2014-11-12 22:22:03
重巡洋艦 古鷹改・二 @RE_hurutaka

この敵はカラガン少将の率いる十三隻の艦隊で、先頭から、 駆逐艦四、軽巡一、重巡二、軽巡二、駆逐四 の単縦陣型で反航してくるところだった。 駆 駆 駆 駆 軽 重 重 軽 軽 駆 駆 駆 駆

2014-11-12 22:31:38
重巡洋艦 古鷹改・二 @RE_hurutaka

『ーーまさに咄嗟会敵だったわけです。第二駆逐隊の第二小隊「夕立」「春雨」は、前路哨戒で先頭を行っており、私の方の第一小隊「村雨」「五月雨」は、四水戦旗艦「朝雲」とともに後衛にいたのですが、本隊の後方を通過して左側に出たのです。』

2014-11-12 22:33:56
重巡洋艦 古鷹改・二 @RE_hurutaka

『このとき、「比叡」「霧島」が、敵艦に対して三式弾を発砲したわけです。この弾丸は飛行場を砲撃炎上させるための焼夷散弾ですから、まるで花火のような美しさです。(略)兵隊さんには、「よく見張っておれよ、反対舷ばかり見ていちゃ駄目だぞ」なんて言いながら、戦闘ぶりを眺めていたものです。』

2014-11-12 22:40:32
重巡洋艦 古鷹改・二 @RE_hurutaka

『そのうち見張りが、「敵巡洋艦!」と叫ぶんです。この日は曇っていて視界はやや不良でしたね。(略)橘司令が「危ない、取舵一杯ッ」と叫びましたよ。 この敵艦に対して私は魚雷を発射したんですが、その時は八射線全部撃ったと思います。距離はせいぜい七百メートルくらいでしたね。』

2014-11-12 22:45:06
重巡洋艦 古鷹改・二 @RE_hurutaka

『(略)探照灯をつけてもあまりに近いもんですから、全艦を照らし出すことが出来なくて、煙突の付近が見えるだけです。上甲板を走り回っている敵兵がよく見えましたよ。そのうち魚雷が2本命中しました。ところが探照灯をつけたものですから、敵もすぐに砲撃してきましてね。(続)』

2014-11-12 22:52:11
重巡洋艦 古鷹改・二 @RE_hurutaka

『(続)高角砲で一回だけ、ドンと撃った直後、沈んでいきましたね。轟沈でした。その間、こっちも二回ぐらいしか主砲を撃っていませんでした。 海戦後、砲術長の鹿山誉大尉から聞きましたけど、「弾着射撃も射撃指揮も何もなかった、とにかく砲身を水平にして撃つだけだった。」と言ってましたよ。』

2014-11-12 22:57:37
重巡洋艦 古鷹改・二 @RE_hurutaka

(ここからは本文・・・証言から少し外れます。) 『最初に発砲した「比叡」は、敵との距離が僅かに千六百メートルだった。 三式弾の一撃は、重巡サンフランシスコの艦橋を破壊し、指揮官カラガン少将、幕僚、艦長が死亡した。(略) 一方、「比叡」にも集中砲火が浴びせられた。』

2014-11-12 23:03:39
重巡洋艦 古鷹改・二 @RE_hurutaka

『小口径砲、機銃までが「比叡」に集中し、前檣楼はたちまち火災を起こし、上甲板は薙ぎ払われた。高角砲は全部破壊され、主砲関係の電路が破壊されて、一時砲戦能力を失った。 その間、急速に敵艦隊と接近してゆき、敵駆逐艦と二百メートルまで接近して危うく衝突しそうになったこともあった。』

2014-11-12 23:09:02
重巡洋艦 古鷹改・二 @RE_hurutaka

え~・・・ 「比叡」の三式弾の一撃は軽巡アトランタの艦橋に命中、指揮官スコット少将をはじめ、一名を除く全幕僚が戦死。 「霧島」の一撃が、重巡サンフランシスコの艦橋に命中したんでしたね。 比叡さんの「一撃」と霧島さんの「一撃」が結合しちゃってました・・・

2014-11-12 23:14:52
重巡洋艦 古鷹改・二 @RE_hurutaka

(ここからは「村雨」水雷長・石塚少佐が語る「夕立」のお話に。) 『ーーこの中で「夕立」の奮戦は目覚しいものがありました。実に戦史に残る戦術の極意を、吉川艦長が演じてみせてくれたのです。 「夕立」が敵艦隊を発見したのは距離六千メートルでした。互いに反航戦ですから距離が縮まります。』

2014-11-12 23:20:57
重巡洋艦 古鷹改・二 @RE_hurutaka

『敵艦隊が至近距離にきたとき、「夕立」は取舵をとって敵艦隊の列中に突入していったのです。一般の戦術常識では、面舵をとって敵艦隊の左舷を反航しながら砲雷撃するところです。 この意表を衝いた行動と、折からの視界の狭少さとで、後続していた「春雨」は「夕立」を見失ってしまったんですね。』

2014-11-12 23:24:41
重巡洋艦 古鷹改・二 @RE_hurutaka

『遵って、「夕立」はまったくの単艦で敵の隊列に突入してしまったもんですから、敵は大混乱に陥ってしまったのです。 こうして「夕立」は魚雷を発射して敵二艦に魚雷を命中させ、砲戦を行いながら敵の五隻の巡洋艦列に割って入り。これを突破したものですから、敵はますます隊列を乱し大混乱です。』

2014-11-12 23:28:40
重巡洋艦 古鷹改・二 @RE_hurutaka

『これが、その後の我が軍の大戦果に繋がったわけですね。 しかし、敵の隊列の中に入ってしまったもんですから、「夕立」は味方からもだいぶ射撃されたようです。 それほど「夕立」の行動は常識外だった、といえるでしょうね。』

2014-11-12 23:31:13
重巡洋艦 古鷹改・二 @RE_hurutaka

『しかし、結果的に見れば「夕立」は非理論的に行動して大戦果をあげ、「春雨」は理論的に行動したため先頭艦を見失い、且つ戦果も失ったというわけです。 まあ、戦術の極意というものはこうしたもので、意表外のこと、つまり”悪手”とさえも考えられるものが、極意になり得るということです。』

2014-11-12 23:35:40
重巡洋艦 古鷹改・二 @RE_hurutaka

『これは真似しようとしても、中々出来ることではありませんし、下手に真似すると大失敗を招くことになりかねませんねーー』 『艦長たちの太平洋戦争〈続編〉』駆逐艦「槇」艦長・石塚栄少佐の証言より抜粋・要約。

2014-11-12 23:38:17
重巡洋艦 古鷹改・二 @RE_hurutaka

・・・さて、ここに『駆逐艦「五月雨」出撃す』があります。(ニッコリ

2014-11-12 23:41:06
重巡洋艦 古鷹改・二 @RE_hurutaka

・・・ソロモン海戦は情報量が多過ぎてツイッターだと凄まじい制圧力になっちゃいますね。

2014-11-12 23:45:41
重巡洋艦 古鷹改・二 @RE_hurutaka

う~ん・・・ ・五月雨ちゃんの比叡さんへの誤射 ・五月雨ちゃんと夕立ちゃんのお話 だけ抜粋しましょうか。

2014-11-12 23:50:17
重巡洋艦 古鷹改・二 @RE_hurutaka

さて、もうちょっとお付き合い頂きまして。

2014-11-12 23:54:03
重巡洋艦 古鷹改・二 @RE_hurutaka

「五月雨」による「比叡」への機銃誤射について ー「五月雨」視点ー (『駆逐艦「五月雨」出撃す』より抜粋。) 『ーー遠い火災の灯りに浮かぶ大型の艦影が肉眼に近く映った。機銃が指揮官の独断で射撃を始めた。 「『比叡』です、艦長、『比叡』です」 「味方だ、『比叡』だ、打方止メ」』

2014-11-12 23:59:52
重巡洋艦 古鷹改・二 @RE_hurutaka

『一番眼鏡について確かめた艦長が慌てて叫ぶ。 「とーりーかーじ」航海長は「村雨」の後をつける。 「敵らしき艦影、右二〇度、七五」と見張員。 「早く打方を止めないか、機銃は」と通信士が怒鳴る。 「どうしたんだ、一体」 「打方止メ」の号令は容易に機銃に達しない。』

2014-11-13 00:04:33
重巡洋艦 古鷹改・二 @RE_hurutaka

『(略)機銃弾が「比叡」の後檣に弾着を始めて火の粉が赤く散っている。 自身の射撃音に聾(ロウ)されて機銃員には伝声管の声が聞こえないのだ。 「『比叡』発砲!」反撃し出した「比叡」の高角砲弾らしい曳光弾がプルルルルと回転音とともに頭上を掠めた。』

2014-11-13 00:12:33
重巡洋艦 古鷹改・二 @RE_hurutaka

『「味方識別灯をつけろ」と艦長が言った。 後檣に赤灯が一つ点った。それに初めて気付いたかようやく機銃が射撃を止めた。 「比叡」も反撃を中止した。「比叡」からは初めからこちらが味方と分かっておったのかもしれない。』 (『駆逐艦「五月雨」出撃す』より抜粋。)

2014-11-13 00:17:34
重巡洋艦 古鷹改・二 @RE_hurutaka

さて、最後に五月雨ちゃんによる夕立ちゃんの救助・その後について。 もうちょっと。

2014-11-13 00:19:33