【ヒエキヤマ】4話 告白
ついに来た。先ほどの緊張は電との会話でどこかに行ってしまったかのようだった。 山城は相変わらずという感じかと思ったらやけに顔が赤い気がする。
2014-11-18 19:35:16「山城どうした顔赤いぞ」 「へ、そっそう?...さっき電とぶつかちゃってそれでかもしれないですね」 ああ、それでさっき「はわわ」って聞こえたのか。
2014-11-18 19:40:24「改装設計図、扶桑は喜んでくれたか?」 「え、ええ、そりゃもう」 「山城の分も近じか出来ると思うから待っててくれ」 「まあ、期待せずに待ってます」
2014-11-18 19:45:26もういっそ早く楽になりたいそんな気分だった。席を立ち、山城の前に緊張でカチコチになりながら、ぎこちなく歩いていく。 若干震えながらユビワの入った小箱を開く。
2014-11-18 19:55:11「山城、心から好きだ。これ受け取ってくれるか」 ああ...いろいろ考えてたのに結局シンプルな言葉になってしまった。 山城は私に視線を合わせたり、外したりを数回繰り返し、考えているようだった。
2014-11-18 20:16:09「手を握らせてくれないか」 「...ふっ、何かと思ったら。普通そこは最後に抱きしめてもいいか、とかキスしてもいいかって来るところなんじゃないんですか?」
2014-11-18 20:15:59「べっ別にそういうんじゃなくて...その...私をここまで育ててくれたことは感謝しているというか...わざわざ言わせないでください恥ずかしい。ほら、さっさと来てくださいよ」
2014-11-18 20:26:23「まったく雰囲気のあったもんじゃないな」 山城を抱きしめられるのは扶桑か時雨くらいの特権階級じゃないといけないはずだから、今回限定だろうと、やはり嬉しいものは嬉しい。
2014-11-18 20:35:17二人して端から内側にシャッとカーテンを閉める。 「あの...どうぞ」と言って視線を斜め下に逸らしながら手を広げる山城。 止めてくれ、急にしおらしくならないでくれ。
2014-11-18 20:40:35私は歩み寄り山城を抱きしめた。手を腰と背に回し、目いっぱい山城を感じた。 山城は私の方に手を回したりはしなかったが、抱きしめてもいいなんて言ってくれた。それだけで、私にとっては十分だった。
2014-11-18 20:45:33「山城、しばらくこのままでいいか?」 「今日だけですからね。だから、その、ま、満足するまでどうぞ、あ、でも一時間ずっととか止めてください」
2014-11-18 20:55:15「なあ...山城、ユビワだけでも受け取ってくれないか」 「指輪だけもらうなんてそんなの申し訳ないですよ。もっと提督を愛してくれる人に渡した方がいいですよ」
2014-11-18 21:18:37「あのユビワは、人間の結婚指輪と少し意味が違ってな。ユビワを渡した提督は死んでから、渡した艦娘の妖精さんとして転生できるかもしれないっていうものなんだよ」 ああ...ユビワを取り出すために離れてしまった。短かった...だが実に幸せな時間であった。
2014-11-18 21:05:27「まさか、そんな意味があったなんて、でも、かもしれないなんですね」 「ああ、まだユビワを渡してから死んだ人が少ないから統計が足りてないらしい」
2014-11-18 21:10:46「まあ、ユビワの効果を確認したいから死んでみてくれなんて言えないわね」 「で、どうする?俺が死んだあとまで付きまとわれたくないなら返してくれて構わないから」
2014-11-18 21:17:02