『有害都市』の有害図書指定シーン

「有害都市」筒井哲也tonarinoyj.jp/manga/yugaitos… 秋元康氏を連想させる”悪役”キャラ。無論名前は違う。著名人の姿からの表象。「風刺」なら当たり前の表現。これを「本人が気を悪くして規制派に回ったらどうする」等と言う話が出る事自体が表現の萎縮、萎縮の空気の伝染。

2014-11-20 12:59:33

続)巨大ビジネスの立役者である秋元氏が漫画１本の”心証”で行動を変えるのではと言う「意識過剰」。秋元氏に一方的に何を「すがろう」としているのか。フィクション創作である『有害都市』に一方的に「表現既成反対の支持を広げる」宣伝たる事を”忖度しろ”と求めるのか。(続

2014-11-20 13:08:45

続)表現規制がもたらす『萎縮効果』のこの上ない実例だ。あとは”内輪”が勝手に潰す。

2014-11-20 13:10:22

『有害都市』の有害図書指定シーンを見ると、作品の時代設定は未来だが、あらましは2010年の都条例改定と言う、「現在から見ても過去」に於いて公式非公式に語られた「論理」のまとめ。経緯を全く知らない今北さんにもさっと頭に入るように簡潔にまとめている。委員は「論理」を表象するパペット。

2014-11-20 23:47:52

続)結構ややこしい話である「規制の論理」を駆け足で説明完了させる手際は見事。委員は（今のところ）「集団的論理」をそれぞれ表象する説明役であって個の内面を持つ「キャラ」ではない。「説明役」はある程度ステレオタイプでないと「論理の絵解き」としてはノイズが加わるので読みにくくなる。（続

2014-11-20 23:56:50

続)そう言う意味ではこの委員たちは「悪役」には見えない。読者が後で報復を求めたくなる様な「悪役キャラ」として立てていない。そう見えるとしたら過剰な読み込みに思えるが「顔を大きく描いて読者を挑発する」を習い性とする近年の漫画スタイルがそう見せてしまう、と言う事はあるのかも知れない。

2014-11-21 00:03:55

続)もっとも”小便小僧”のシーンを含めると「女性の規制派委員」だけはやや「キャラ」として立ちかかっている様にも見える。ここに引っかかる人はいるかも知れない。描く側の「男性性」が現れていると。都条例改正反対での大きな力は”ＢＬやおい”サイドだった。その文脈が抜けている、と。(続

2014-11-21 00:09:26

続)もっとも作品世界は開催間近の「オリンピック」がキーになっている未来の世界。「ＡＫＩＲＡ」を思い出す。表現規制を描くと言うよりは、それを含むコンプライアンス社会＝”浄化社会”、今の社会の丸ごとを「直ちに来る未来」として描くと言う、と言う「大きな絵」を端々に示唆している。

2014-11-21 00:18:26

続)漫画家のワーキングプア、自由業にセーフティネットの無い社会…と言う意味での”格差社会”の描写も射程に入っていそうなのも気になるところ。２１世紀の現状は年を食っている同業者には体感しにくい。表現規制は「ハレンチ学園」に繋がるがこちらは「漫画家残酷物語」や「劇画漂流」に接続する。

2014-11-21 00:39:10

続)まあ勝手な思い込みではありますが、漫画が現実の後追いと言う”プロジェクトＸドラマ”でなく、先取りと言う「創作」として率直に「社会」を描こうとするならば、ロートルにはがぜん漫画の歴史が「繋がって」見えて来ると言う、そんな感覚です(^^;。

2014-11-21 00:45:23

補)『有害都市』で秋元氏似委員が語る”クールジャパンと漫画の剪定”は都条例改定時に明大森川教授らが指摘していた「表現規制を政府が欲する背景」。官製ビジネス、対外宣伝、それに癒着する民間と言う「構造」の表象。「なぜ秋元氏か」は→lite-ra.com/2014/11/post-6…

2014-11-21 02:27:00

続)この秋元氏の「文脈」を知っていれば、なぜ「規制の論理」を説明するシーンに”彼”が入っているのかはすぐ呑み込めます。今「規制」がなぜ起こるか、”規制マシン”が作動する理由そのものを描く射程に入れているわけです。この作品の青写真には恐らく「表現規制」はとっかかりでしかない。

2014-11-21 02:33:01

続)細かい補足ですが、先に秋元氏似の表現を「風刺ならば当たり前」と書いたのはこれが風刺表現だ、と言う意味ではなく、手塚先生も「漫画とは風刺」と語った様に風刺は長く漫画の内核であり、そこでは実在人物を描いて「風刺」する事も当然だった(海外漫画は今も)の意。「風評」どころか「風刺」。

2014-11-21 03:12:19