【アナ雪】アナとチビ九尾エルサ(2-3)【パロ】

万屋和風愉菓子店@絶滅種のポンデ @yorozuya753

【アナとチビ九尾エルサ(2-3)】 [2-1]togetter.com/li/742911 [2-2]togetter.com/li/745427 ◆注意 エルサちゃんに耳と尻尾が生えててロリになってるよ！幼女・ケモノ等のアレルギーがある人は脱兎してね！私はロリコンじゃn(ry

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＊＊＊ ゲルダが持ってきたのは何の変哲もない黒いスーツと黒いネクタイだった。まぁね、家の正装って言ったらこれよね。いつも通りのもんよね。受け取ると服にしては少しだけ重い。実はこれ服の繊維が特殊で防刃加工されてて丈夫なの。ネクタイもそうで、これで相手を縛ったりするとまず外れないわ。

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服を脱ぎ捨ててソファーに投げる。エルサちゃんの隣にぱさって落ちて行くあたしのパーカー。ゲルダはあたしの乱雑に行動に眉を顰めたけど、時間も押してるからか注意はしてこなかった。ピシッとアイロン掛けされた真っ白なワイシャツを着て、ブーツカットされたスラックスを履いて。

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あ、このズボンのデザインがブーツカットになってて裾が広がってるのはお洒落とか足が長く見えるようにとかじゃないの。脹脛とかに銃とかナイフを隠しといても良いようにっていうだけなのよ。可愛くない理由よね。 ズボンの腰に通すのはくすんだ赤の革ベルト。

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このベルトの中心には端から端まで鎖が埋め込んであって、手持ちの武器がない時は頼りになる相棒になってくれる。ナイフくらいならこれで叩き落とせるんだから。あ、赤い色なのはせめてものお洒落よ。うん。 ゲルダが背中の方に回ってジャケットを着せてくれる。

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腕を通して……はい。これであたしは上も下も真っ黒なスーツに包まれた。 「あー、やっぱカッチリするー。首周り苦しい～」 堅っ苦しい格好が好きじゃないあたしは口を尖らせて文句を言うけれど、ゲルダは次期統率様が何を仰いますかって顔。あたしは首回りに指を入れてグイグイと引っ張りながら、

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「はいはーい。こんなのが次期当主ですみませんねぇ～」 って言ったら睨まれた。うわぁ。なんでそんな恐い顔するのかな？ 「アナ様」 「は、はい？」 声が上擦っちゃう。ゲルダ怒ると恐いんだもん。お母さんと同じくらい恐いの。怒り方は違うからどっちが恐いかは決められないのが難点よね。

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「貴女はゆくゆくは私たちの主となり、アレンデールを背負う方でございます。未来の主を侮辱する事は、アナ様でも許されることではありません」 「は、はぁ？」 ギラッと光る眼光。ゲルダは元はどっかの傭兵で、幾重もの戦場を駆け抜けてきた戦士だったって聞いた事がある。

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うん。だから、そのね。迫力すごいの。メチャ恐いの。でもなんとなくフォローされたっぽいことだけは分かったから、あたしは素直に「すみません」って謝っておいた。ゲルダは鼻から荒い呼気を出してそれでよろしいのですみたいな態度。やっぱあたしこの人に一生頭上がらない気がする。

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「アナ、アナ！」 って、苦笑を浮かべてたら足元から声が。エルサちゃんはちゃっかりあたしがさっき脱いだパーカーを抱き締めてて（なんなの？可愛過ぎなんですけど？）、ズボンの裾をくいくい引っ張ってあたしを呼んでくる。なんでこの子っていちいちそんなに可愛いの？

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ってかキラキラした目で上目遣いとか卑怯じゃない？反則の極みじゃない？イエローカードぶっちぎってレッドカードも通り過ぎてエルサちゃんカードよ？（うん。ごめん。意味わかんないわ。ごめん。あたし今実はすっごい錯乱してるわ。とにかくあたしはそろそろ顔面崩壊しても許されるんじゃないかな？）

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誰に許して貰わずとももう表情筋が仕事を放棄してるから、まぁ半分くらい顔面崩壊してると思うけどね。 あたしは「なぁに？」ってエルサの頭を撫でる。エルサは尻尾を揺らめかすと「あのね」と前置いてから、 「アナ、カッコいいね」 なんて、はにかんで。頬がちょっぴり桃色に染まってて。

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あぁ、あぁ！もっ、なにそれ！ （天使降臨したぁあぁぁぁあぁああぁぁ！！） この世の奇跡が目の前にあるわ！みんな見てよ！ゲルダも見てよ！ほら、天使って実在してたのよ！！あ、写真！写メ！え、ゲルダもう撮っといてくれたの！？さっすが瀟洒だわ！あとでちょーだいね！絶対だからね！！

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「アナ様、ではこちらへお座り下さい」 ってウカレポンチMAXでデレデレ顔でエルサの頭をなでなでしてたらゲルダに呼ばれた。ドレッサーの前の椅子を引かれてて、こちらへどうぞって手で示されてる。あたしは「え゛っ」って声を出していた。それにエルサが「ぅ？」って小首を傾げた。

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「メイクまでしなきゃいけないのー？どうせ夕食終わったらお風呂でしょー？」 あたしの言い分にゲルダは数瞬思案してからエルサを一瞥してあたしを見た。 「確かに舐めても安全だという確約のあるファンデーションは用意しておりませんね」 「え、う、うん……」

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確かにエルサちゃんが舐めたら危ないもんね。うん……うん？ （いや、顔とか舐められたことないけど……ゲルダ、あの……エルサちゃん確かにキュービっていう狐のヨーカイだけどさ。キツネって犬だけどさ。さすがにそこまで犬じゃないと思うんだけど。

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（え？なに？んん？『あたしもそう思っていた時期がありました』って、なによ、この怪電波？） あたしは謎の電波を受信して内心で首を傾げていると、ゲルダが「では御髪だけでも」と言って座るように促してくる。それでも「えー」って渋っていたら、頭の切れるメイド長様はエルサへと視線を向けた。

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（あ、なんか嫌な予感がする……） エルサはゲルダと視線があうと「なぁに？」というように小首を傾げる。ゲルダは至極優しげな笑みを浮かべると「もっとカッコいいアナ様を見たくないですか？」と問うた。 「アナ、もっとカッコいーの？」 ちょっ、なんでそんなにハードル上げるの！？

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（ねぇ、そんなにこやかに「はい」って返事してないでよ！これでエルサちゃんが思ってるよりカッコ良くならなかったらしょんぼりされちゃうのよ！？ねぇ、ゲルダ！？ゲルダさぁぁぁん！？） あたしのそんな心の訴えは聞こえていないのか、いや、たぶん聞こえていても無視すると思うけど、

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ゲルダはエルサに「ご覧になりたいですよね？」ってくしゃって素敵な笑顔を浮かべちゃってて。あー、あー、これまずい。この展開は。 「うん」 エルサは頷いてキラキラのおめめであたしを見上げて来て。あたしは胸の中で悲鳴を上げた。

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（だから勝てないから！　そんな綺麗なおめめには勝てないからぁぁああぁぁぁ！！） 本日二回目の完全敗北。あたしは半ば放心状態でドレッサーの前に座った。 「では少し髪を結ってクールに行きましょう」 「はい、ゲルダせんせー。あ、でもオールバックとかはやめてください。似合わないんで……」

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あたしの言葉に「承知しております」と頷くゲルダてんてー。どうやらこれくらいの言い分は通るらしい。椅子に座って鏡を眺めていると、エルサちゃんが近くに寄ってくる。エルサはあたしの足許にぺたっと立膝になると、顎をあたしの膝においた。首を傾けてあたしの顔

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（正確にはあたしの髪の合間を正確無比に効率よく動くゲルダの指）を興味津々な瞳で見上げて来るエルサちゃん。膝のところで「まだかな、まだかな」って期待に満ちた顔で頭を左右にゆったり振ったりしてて……あー、もうもう！なによもう！天使がまた降臨しちゃってるじゃない！ （って、いたっ！？）

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エルサちゃんばっかり見てたら髪が引っ張られた。はい、すみません。ちゃんと前向いてます。って思うのに、気付くと下向いちゃってニヤニヤ。鏡越しにゲルダの呆れた顔が見えたけど気にしない。 ゲルダはあたしの両サイドの髪で編込みを作ると、それを後ろへ持って行っていったんピンで止めて。