【真荒】あなたのいる場所・１

ひな＠復旧中 @newgibbousmoon

荒北の前でだけ笑わない真波という真荒ネタも降ってきてる。 いつもへらりと笑ってる真波が、荒北には俺の前で笑うんじゃねえと言われてから笑わない。 でも、それが気楽で、つい荒北の傍にいる。 「荒北さんは、なんでオレに笑うなって言うの？」 「あ？そんなの、気持ち悪いからだろ」

ひな＠復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon 「えー、女の子たちは可愛いって言ってくれるのに」 （委員長だって怒りながら、照れてくれるのに） 「てめえが可愛いってタマかよ」 くっと大きく顔をゆがめて笑う。 （なんなんだろうな、こんな酷い顔するのに荒北さんがキレイに見えたりするのって）

ひな＠復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon 「荒北さんはオレより黒田さんのが贔屓ですもんね」 「なんだ、嫉妬か？わけねーよな」 おまえ、嫉妬の意味もわかってねえもんな。 「……よく、わかりません。ただ、ズルいって思う」 「何がだよ」 「オレだって、荒北さんにあんな風に言ってもらいたい」

ひな＠復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon （あんな風にはっきりと推してもらえるの、ずるい） 「おまえが悪ぃって言ったわけじゃねえよ。ただ、おまえみてえな不思議ちゃんは計算できねえことやらかすからよ」 「……オレは、別に不思議ちゃんじゃないよ、荒北さん」 「こんなにわけわかんねーのに？」

ひな＠復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon 真波は、荒北の背中と背中合わせに座っていて、時折、荒北によりかかるように甘える。 そう、真波の中ではこれは甘えだった。 「……ごめんなさい」 「あ？何謝ってんだよ」 「黒田さん押しのけたくせに、勝てなかったから」 「バァカ」 軽くこづかれた。

ひな＠復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon 「おめぇが謝ることなんか、何一つねえよ」 だからもう二度と謝るな、と荒北は言った。 少しだけ、怒っているようにも聞こえた。 「いいか、おまえは胸張ってろ。誇っていいんだ、おまえはな」 「……でも、荒北さんは怒ってるよね」 「おう」 荒北はうなづく

ひな＠復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon 「でも、それはおまえにじゃねえよ」 ぽんぽんと軽く頭を叩くようにして撫でられた。 その手が優しくて、真波は、何だかちょっとだけ涙がでそうになる。 （悪いのは負けたオレじゃなくて、自分で走らなかった福富さんだって荒北さんは言うんだよね）

ひな＠復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon でも、その言葉は真波を救ってはくれない。 真波が勝てば、良かっただけのことだ。 「オラ、予鈴なったぞ。おまえの教室はこっから遠いだろ」 さっさと行け、と荒北は真波を追い払う。 「……また、来てもいいですか？」 「いいんじゃねえの」

ひな＠復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon ぶっきらぼうな口調で言って、付け加えた。 「おまえがこんな旧図書館にくるなんて誰も思わねえだろうし」 静まり返った室内にはほとんど人の気配がない。受験前だから、荒北のように自習する人間がもっといてもいいはずだが、皆、最新の図書館に行っているらしい

ひな＠復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon 「じゃあ、また来ます」 「おう」 立ち上がった真波の後姿を見送りながら、その後姿に荒北は小さく呟いた。 「……オレは、作り笑いはいらねえんだよ、真波」 みたいな真荒。 真荒も結構マイナーですよね。