漫画家・松田未来氏の「漫画の台詞による説明過剰が奪う演出の妙と想像力」
作りこみすぎたデモテープが想像力を奪い、メロディの太い(印象に残る)楽曲を生まれにくくしているというお話。http://amba.to/hBL7mw
2010-12-03 19:05:19似たような話は漫画でもあって、ジャンプ漫画なんかに顕著だけどネームが異常に多くなっている。もう一昔前ならギャグでやるレベル。絵より文字のほうが多い。
2010-12-03 19:07:37つまりこれはメジャー作品においても説明過多に陥っていて、さらにそれに慣れてしまった読者に説明するために説明が増えていく悪循環。要するに作り手が絵の力を信じていないのだ。「絵を見ればわかる」と言う考え方は漫画においては決して傲慢な言い方ではない。
2010-12-03 19:10:19だって元々文章では難しい(または文章では通じない)と言う人たちに向けて、分かり易く絵で描きはじめたのが漫画の原点なんだから。それが絵の力を放棄して文字で説明することに寄りかかるなんて皮肉にもならない。
2010-12-03 19:15:38映画も、アニメも、漫画も絵で表現するメディアは全て文章では伝えきれない何かを表現することが存在意義だったはず。文字では膨大になってしまうことを一コマで語るところに漫画家のスキルってあるんじゃないのかな。
2010-12-03 19:17:49メジャー誌でネームに担当からツッコミを受けるパターンのひとつに「これじゃ分からない(伝わらない)よ」と言うのがある。これは正しい。出来るだけ多くの人に伝える努力は常に行なわないと肝心の物語は楽しんでもらえないから。問題はそれをどういう手段で行なうかだ。
2010-12-03 19:20:13そのために漫画家は色々工夫する。構図・表情・テンポ・コマ割色々あるけど台詞って言うのは「最後の手段」だ。一種の逃げと言ってもいい。なぜなら文字はあからさま過ぎるから(漫画の中では)悲しいシーンで「悲しい」とつぶやくのはかえって逆効果になる。
2010-12-03 19:24:03感情だけではない。たとえば状況を提示する際に事細かに説明しないといけないかと言うとそうではなくて、たった一枚の絵、ほんの些細なしぐさ、表情、ちょっとした小物みたいな手段で説明できることは、過去の偉大な作品が証明している。
2010-12-03 19:28:28@akatani_moto 映像におけるシーンごとの解釈は観客の特権ですから。小説はその辺まで表現することで成り立つメディアなのでその解釈が食い違うことがあるのは仕方ないですね(^^;
2010-12-03 19:52:27たとえば、「王立宇宙軍」の劇中でここが地球によく似てはいるが違う世界なんてひとっことも語られないが、観客にはそれが分かる。そのひとつが「通貨」。劇中で登場人物たちが何気に使う通貨は、感覚的に「およそ通貨には見えない」棒状の金属。
2010-12-03 19:32:19だがそれを何の説明もなしにごく当たり前に使うことによって「ああ、ここはどうやら全然違う世界なんだな」と感覚的に分かるようになっている。「ここは地球によく似た惑星の一国、オネアミス。この王国は・・・」なんて野暮な説明はしていない。
2010-12-03 19:35:59@RASENJIN ああ、もちろん「これは通貨である」と言う説明は逆に必要です。台詞にしろ絵にしろ。あのシーンは通貨・社会状況・軍の雰囲気同時に説明するいいシーンですよね。
2010-12-03 19:38:33絵よりも台詞で埋め尽くされている漫画を見るたびに、そういった絵と演出で行なってきた工夫を「分かりやすさ」と言う金科玉条で逃げているんではなかろうか、と言う気がする。そしてそれに慣らされた読者はもはや全て台詞で説明されないと何も理解できなくなるのでは?と言う危惧がある。
2010-12-03 19:45:39@honeybe 絵と文章(台詞)のコンビネーションが漫画の醍醐味ですので、確かに絵で描くことを放棄するならもう小説書いたほうが…と言う言い方も出来ますね。
2010-12-03 19:53:54@macchiMC72 セリフ多い漫画といえば士郎正宗が出てくる人なので、「分かりやすさ」どころかどんどん難解になる印象があります(笑)。そのうえ、あの人は絵の演出も欠かさないし(これも分かりづらい演出が多いのがまた)……。
2010-12-03 19:48:56@RASENJIN 欄外まで読んではじめて分かるという仕様ですよね(笑)あのお方の場合それがもはや芸術の域に達しているので目が離せないんですが。
2010-12-03 19:56:15@macchiMC72 漫画の良さに『起承転結の起でモノローグが入らない』ってあると思うんですよ。小説でもないのにいきなりモノローグで設定を説明されると僕はちょっとさめちゃうんですよね。それが悪い訳じゃないかもだけどその間の悪さは転結に響いて『楽しい漫画でしたね…』って…
2010-12-03 19:32:39@metaguro もちろん漫画の基本ではそういう導入部は「悪い例」です。でも最近のメジャー誌の第一話はそれに近いお節介ぶりが目立つようになっている気がします。
2010-12-03 20:01:22