【表現を用いた攻撃】に、なぜ警察と司法は無力なのか?(安田浩一氏のヨーゲン記事を受けての三部作完結編)

副題:【匿名と実名、あるいはマスコミと個人の非対称性】 安田氏の記事を受けたまとめ三部作の第三弾。完結編です。が、過去のまとめは読まなくても大丈夫な作りになっています。但し、安田氏の記事は読んでおいた方が良いです。↓ http://gendai.ismedia.jp/articles/-/41046 【注意1】ヨーゲン氏が「彼女たち」に嫌がらせをしていたのは公開の場で行われた単なる事実であり、まとめ人にその行為を肯定する意図はありません。 【注意2】私は法律の専門家ではない全くのド素人です。プロからのご指南・ご指摘お待ちしております。 続きを読む
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【目次】

① 【これまでのあらすじ】
② 問題:【安田氏の記事でヨーゲンはいくらぐらい失ったのか?】(経済的価値の非対称性)←メインコンテンツ
___②ー2 私なりの回答と結論
___②-3 解決案と、逮捕段階での私刑の重さ
③ 【匿名性について】
___③-2 「表現を用いた攻撃」に対して日本社会全体が甘いということ。
④ 【公益性について】
___④-2 にちゃんねるの持つ公益性
⑤ 全体のまとめ

超長いので、読むのは本編の②とまとめの⑤だけでもいいです。気が向いた方は③と④もどうぞ。
最後におまけとして、⑥【このまとめの作り方について】があります。まとめ論に興味がある方は是非そちらも読んでコメントして下さい。

あ、はじめに言っておくと全体を通じての結論はこれです↓

たりちぱ@・x・@ノ @tari_tipa

匿名であろうと実名であろうとまとめであろうとネトウヨであろうと報道だろうと等しく責任が問われる時代が来て欲しいですね。

2014-11-25 01:31:04

①これまでのあらすじ

これまでのまとめ

まとめ (追記結論あり)安田浩一氏によるネトウヨ「ヨーゲン」記事と2ch祭の同一性 しばらくまとめてなかったので超ひさしぶりの自分用まとめ。No.28 安田氏によるヨーゲン氏の追い詰め行為と、2ちゃんねらーの祭り行為は同じか否か?検討してみました。 【注意】このまとめはヨーゲン氏の行為を肯定するものではありません。ヨーゲン氏の行為は非であるという前提で、記事と2chとの同一性について議論しています。 【後半に反論の分類と結論を記載したので是非そちらも読んでください】 続きとなるまとめも作成しました→安田浩一氏のヨーゲン記事を批判することは、ヨーゲン氏の行為を肯定するのか?(続・2ch祭りとの同一性) http://togetter.com/li/749260 前作→ 表現の自由はどこまで制限されないのか? http://togetter.com/li/665466 145494 pv 1381 144 users 66
まとめ 安田浩一氏のヨーゲン記事を批判することは、ヨーゲン氏の行為を肯定するのか?(続・2ch祭りとの同一性) 正式タイトル「安田浩一氏によるネトウヨ「ヨーゲン」記事と2chの祭の同一性を検討することは、ヨーゲン氏の行為を肯定する方向に働かせる政治性があるのか?」 あるいは「どっちもどっち論」 【注意】このまとめ内でもヨーゲン氏の行為は一貫して否定しており、それを肯定するものではありません。 12086 pv 59
たりちぱ@・x・@ノ @tari_tipa

最初のまとめでは、安田氏のヨーゲン記事では「警察が役に立たない」という前提の中で、その報道の持つ「暴力装置」としての力を「彼女たち」直接被害者が利用したという側面があり、その是非はともかくとして、2chの祭りと構造が似ているという話をしました。

2014-11-28 03:28:57
たりちぱ@・x・@ノ @tari_tipa

氏の記事には確かに「住所や氏名などの直接的な個人情報」は記載されてないのですが、そこに記載された別の犯罪歴からただちに身元は明らかにできてしまいます。そしてたとえ直接氏名が書かれてなくとも、個人を特定できる場合には名誉毀損で有罪になったという判例は既に複数出ていました。

2014-11-28 03:31:46

↓ひとつの例は前まとめのコメントで指摘頂きました。

小倉無線2282 @kokuramusen2282

実名も住所も出してないが、(個人を特定できる情報が含まれていれば)名誉棄損が認定された例といえば、「石に泳ぐ魚事件」とかが有名ですね。実名や住所は伏せていたが「顔に特徴的な腫瘍がある芸術系大学院生の.. togetter.com/li/749260#c168…

2014-11-25 14:44:17
リンク Wikipedia 石に泳ぐ魚 『石に泳ぐ魚』(いしにおよぐさかな)は、柳美里の処女小説。『新潮』1994年9月号初出。同年12月、柳はこの作品のモデルとなった韓国人女性により、出版差止めを求める裁判を起こされた。 モデルとなった当時大学院生の女性は作品を読み、自分の国籍、出身大学、専攻、家族の経歴や職業などがそのまま描写され、自身の顔の腫瘍を陰惨な表現で描写されたことを知り、著者の柳美里に出版を止めるよう懇願した。 柳は女性に対し単行本化の取りやめを約束したにもかかわらず、それを破り出版に踏み切ったことから、女性は出版差止めの仮処分を
たりちぱ@・x・@ノ @tari_tipa

そういった背景を受けて、私は一貫して「報道だから許されて匿名の人だから許されない「行為」があってはならない。良いことは良い悪いことは悪い」と主張してきて、それに対して「誰が、どこまで、誰にやるのか。それ次第だろう」と批判を受け話がまとまらなかったというのがこれまでのあらすじです。

2014-11-28 03:32:20
たりちぱ@・x・@ノ @tari_tipa

さてまとめ3部作完結編の今回は、本来重要なトピックでありながら今まで横においていた、「警察や司法が役に立たない」という点に焦点を当てたいと思います。

2014-11-28 03:33:06

②【安田氏の記事でヨーゲンはいくらぐらい失ったのか?】(経済的価値の非対称性)

問題

たりちぱ@・x・@ノ @tari_tipa

①TLを眺めていたら、「あるハンドルネームとある人物の逮捕歴が紐付けられたこと」による損失って、なんとなく「何かあるような気がする」という感じなのだけど、改めて「じゃあ何? それはいくらくらいの賠償が適当だと思うの?」という素朴な疑問を見かけたので、素人なりに考察したいと思います

2014-11-29 02:24:52
たりちぱ@・x・@ノ @tari_tipa

②結論からいうと、それこそが「言論による攻撃に対して現状で司法が役に立たない理由」の最も大きい点じゃないかと思っています。まず大前提として、「訴えるにはお金がかかる」。勝てば弁護士費用がかえってくるかもしれませんが、微々たるもので、弁護士も働きたくないです。

2014-11-29 02:25:49
たりちぱ@・x・@ノ @tari_tipa

③その点については法テラスなどの方策もあるみたいですが。あまり詳しくないので識者の方、解説おねがいします。また、それでも訴えたほうがお得であり、こうしたほうが良いという解説は、小山さんが既にされています。是非参考にしてください。blog.livedoor.jp/ganbare_zinrui…

2014-11-29 02:26:20
リンク 人類応援ブログ ネットの誹謗中傷といかに戦うか ─ 過去の事例とその対策 : 人類応援ブログ 現在のインターネットには、攻撃的な、心ない言葉が溢れています。それは先に話題になったネット右翼「ヨーゲン」氏の事例のような人種や性別を対象とした差別的発言という形を取ることもあれば、「スマイリーキクチ事件」のような思い込みや勘違いによるデマ、私怨や悪戯目

※この記事も、私と同じく法律の専門でない方が書かれたものなので、プロの法律家の書かれたものがあればどなたかご紹介ください。ここに載せます。

たりちぱ@・x・@ノ @tari_tipa

④もう一つの問題点は、逮捕歴が晒されるような個人の場合、すでに名誉を失うことによる経済的損失がなくなっていることがほとんどであることです。それは1つには、「逮捕された」という事実により大概の場合解雇されたりするから。これもいわゆる私刑なんですけど。

2014-11-29 02:26:40
たりちぱ@・x・@ノ @tari_tipa

⑤逮捕され、人となりが全て報道され、刑が確定したころには、無職になっているでしょう。それが無罪判決を受けていたとしてもです。この時点で、「その後に」どれだけ名誉を傷つけられても、1円も損しませんね。そりゃそうです無価値な人間にされてしまったのですから。

2014-11-29 02:27:03
たりちぱ@・x・@ノ @tari_tipa

⑥つまり、名誉毀損を「どれだけ金銭的に損するのか?」という観点で是非のラインを決めようとすると、「どれだけ名誉を失っても金銭的な価値を失わない人間には、そもそも毀損される名誉などないんだから、いくらでも毀損していいんだ」という話になりかねません。

2014-11-29 02:27:29
たりちぱ@・x・@ノ @tari_tipa

⑦たとえば、ヨーゲンのような人物に激しく誹謗中傷された(在日韓国人じゃなくてもいいのですが)被害者が居たとして、もしその人が生活保護で暮らしている場合、その誹謗によって経済的損失は無いでしょう。だって、支給される生活保護費はその行為で1円も減らないのですから。

2014-11-29 02:28:01
たりちぱ@・x・@ノ @tari_tipa

⑧この事実はまさに、ネット上での(現行法に十分抵触する)名誉毀損・誹謗中傷案件が、対象が匿名か実名かに関わらず、一般の個人が司法の場にもって行きづらい理由になっているでしょう。

2014-11-29 02:28:25
たりちぱ@・x・@ノ @tari_tipa

⑨同様に、大手TV局・出版社のような体力のある「責任主体」が、逮捕されて一文無しになったような逮捕容疑者のどれだけ恥ずかしいプライバシーを晒してどれだけ誹謗中傷しようとも、一般個人が法に簡単に訴え出られない現状も、まったく同じ理由に基づいているといえるかもしれません。

2014-11-29 02:28:58
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