Wondering Sound 誌の Perfume記事と,五百蔵さんのコメント
Perfumeの米英ツアーについての Wondering Sound 誌の記事(英文)
http://www.wonderingsound.com/feature/perfume-j-pop-passion-pit/
昨日つぶやいた超キモい(誉めてる)米国記者の超キモい(称えてる)レポほんやく→ sites.google.com/site/jpnshenhu…
2014-11-28 16:36:28ystkの音楽と現地前線との関連、響き合いまで視野に入れている/取材しているのがニクい。日本のサブカルチャー、とくに映画や音楽はこういう実作面での影響関係や創作の構造や文脈に成果の輝きの原因を求めようとするアプローチのレポや批評はほとんどない。批評としては王道のアプローチなのに
2014-11-28 16:39:56ロキノンの影響ばかりではなく(ロキノンアプローチもまた日本のサブカル消費史の影響下にあるものなので)、日本のサブカル批評は「彼女たちのたとえようもなく人間的なパーソナリティがとめどなく輝いているから」輝いている、的な再帰話法を幾重にも重ねることでものを言おうとしているものが多い
2014-11-28 16:42:33テクストとはその文章・文節のことではなく文脈総体の事でもあるから、そういった過度に装飾過多で再帰的な批評が批評としてあってもいい。でも構造遡及をむねとするアカデミックで王道なアプローチが相対的に少なすぎるとは思う。
2014-11-28 16:45:41構造遡及で実作を解こうとするアプローチには相応の手間がかかる為、需要・コスト面を考慮する要があるが、コストの面だけ言えばそこにコストがかかるという状況自体が「終わってる」感はある。書き手が事前に備えている方法論的・当該領域知見的な教養が薄いため、コストがかかるという面があるから。
2014-11-28 16:49:07それは当人の能力や努力の問題というより、大学教育など公的教育における文化史や論説や史料取り扱いの技能養成の問題がおそらく大きい。こういった高等教育の薄さは批評だけでなく、実作においても構造的な(実作者個々の努力というレベルを越えた)足腰の弱さにつながっているはずだ。
2014-11-28 16:53:35だから、才能・神様の出現に頼るしかない。ノウハウと教養を教育によって共有していけば才能はある程度まで養成でき、量産できるという広範な了解がおそらくないのだ。
2014-11-28 17:10:35もちろん、Perfumeが出現した脈絡(市場に風穴を開けるSPEEDの活躍を起点としたアイドルダンサー養成文化を築き上げた人々の仕事)のように、領域的には裾野の教養の強化をトップの成果につなげようという試みもある。Perfumeはいうまでもなくそのもっとも大きな成果のひとつだ。
2014-11-28 17:11:57彼女たちのパフォーマンスは確かに個性的だが、そのアイディアの源泉となっているMIKIKOのイメージングも含めて、日本のポップ芸能のみならず西欧の広範なダンス(肉体表現)史の潤沢な基礎知識にその個性の強さの多くを負っている。
2014-11-28 17:15:47ヴィジュアル面を担当する関さんやテクニカルの真鍋大度の仕事も、目先の流行ではなくデジタルインスタレーションの起源である19世紀末~20世紀初頭のヴィジュアルサイエンスや基礎的なモンタージュ理論、視覚遷移の理論にインスピレーションを求めている。だから革新的であると同時に伝統的なのだ
2014-11-28 17:18:51そういう、人類の文化史の潤沢な基礎に底ざさえされているからこそ、チームPerfumeの仕事は面白いし、刺激的だ。彼らのさらなる成功を強く願うし、営業レベルだけでなく表現レベルでの成功の理由が正当なアプローチで解かれて知見として残されてほしい。
2014-11-28 17:22:46Perfumeのような表現者の成功とその構造の知見は、次代の日本の視覚聴覚文化や物語文化が基礎と伝統を広範に共有し教育の基盤とすることによって、より広範に共感的な才能の養成をより多くなしうるということに寄与していくだろうから。彼女らはそれくらい大きな仕事をしていると思う。
2014-11-28 17:25:49