- southmtmonk
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みなさん今晩は。今宵もお待ちかね、百人一首でインド音楽の時間がやってまいりました。今日の句はこれ。51番藤原実方朝臣 かくとだに えやは伊吹の さしも草 さしも知らじな 燃ゆる思ひを はい、みんなが大好きな「か札」ですね。今日はこれでいってみたいと思います。
2014-12-03 00:56:25みんなが大好きなか札、しかも他のか札が風とかかささぎとか二文字目の立ち上がりに擦過音が入るのに比べて、何と言ってもこのカクッという歯切れのよさ!取りやすい札ですね。しかもK音の連なりで始まる上の句に対し、下の句の頭で立て続けに浴びせられるS音。カクッときてサシシジ。この対比が美…
2014-12-03 01:02:22…失礼、話が逸れました。今日はですね、このカクッはひとまず置いといてその次、かくとだにの「ダニ」に注目したいと思います。このダとニはシュッダなのかそれともコーマルなのか、インド音楽的には無論、そこが一番気になるところであります。
2014-12-03 01:04:56いったい何の話をしておるのだという向きもおられましょうが、ダとかニとかはインドの音名なのですね。そしてこの句では、かくとダニ、と来て下句がサから始まるのです。つまりこのダニ→サと続く、さあここまで言えばもうお分かりでしょう。かくとだにの下句はインド音楽的にはアンタラであることが!
2014-12-03 01:08:42コホン(気をとりなおして)、かくとだにえやは伊吹のさしも草。口に出して言うこともできないこの燃ゆる想い、あなたはきっとご存知ないでしょうねという歌ですから、やはりアンタラに向かうここのニは、コーマル(フラット)ではなくシュッダ(ナチュラル)ニでしかありえないでしょう。
2014-12-03 01:13:01導音シュッダニの切なさ、狂おしさ、これほどまでに思い詰め、それでもなおサに届かない、言うこともできずに身を焦がす激しい想い。シュッダニ。これは誰が何と言おうともうシュッダニの音でしかありえない。そしてこのニを引き立たせるダは…これはもしかしたら異論あるかもしれませんが僕はやはり…
2014-12-03 01:16:37僕はやはり、ここはコーマルダとしたい。MdN〜あるいはPdN〜と伸ばして、下句でアンタラのサがくる訳です。嗚呼。なんて良い歌なんだろう。ただ取りやすいだけじゃなかった!インド音楽的に見ても深みのある理にかなった歌だった!!きっとインド音楽のこともよく知ってたに違いないよ実方は。
2014-12-03 01:20:59そういう訳で、かくとだにのダニがコーマルダとシュッダニと決まったからには、次なる問題は、ではここで想定されているラーガははたして何なのかということ…さあ皆さんも考えて考えて!
2014-12-03 01:23:29惜しい!バイラブではむしろ達観してしまいそう! RT @YukaMangalam: @srgmtaro バイラブ!またしても睡眠時間が…
2014-12-03 01:29:42@srgmtaro バイラブは恋の歌にならないとすぐに気が付いたものも…とっさにバイラブとプーリヤ・ダナーシュリーしか出て来ない引き出しの無さ(´・_・`)
2014-12-03 01:32:56この歌にはレガマパは出てきませんがそこは想像です。ヒントは燃ゆる想い。バサント?プーリヤ・ダナシュリ?チャンドラコウンス?いやいや、この秘めた情熱に相応しいdとNを使うラーガと言えばやはり……
2014-12-03 01:28:34はい、じゃそろそろ答え合わせを。僕が思うにですね、さしもしらじな燃ゆる想いに対応するdとNのラーガと言えば、やっぱりキルワニしかないんじゃないかなと。ダニに切なさを載せて情熱的に歌うラーガと言えば。どう?
2014-12-03 01:38:07はい、じゃ今日の結論。 かくとだに えやはいぶきの さしもぐさ さしもしらじな もゆるおもひを →ラーガ・キルワニ でもこれ実方、「こんなにあなたのことを想ってるなんてとても言うことができません」て詠んだ句をその想い人に直接送りつけてんだよね。言ってんじゃん!
2014-12-03 01:42:56…と思わなくもない訳ですが、そんな訳で今宵の百人一首とインド音楽のコーナー、本日はこれにてホントに電池切れ。最後までお付き合いどうもありがとうございました。それではまた明日!(やるのか明日も笑)
2014-12-03 01:46:38