民主党(菅)政権の今後の見通し:来年の通常国会を見据えて

七月の参院選での民主大敗による衆参「ねじれ」状況の出現の結果、民主党(菅)政権は戦略として①民公連携、②民自大連立、③民社国の再連携による衆院での再可決模索、の三つの選択肢しかなくなった。だが臨時国会を終えて①は極めて難しくなった。尤も②③も実現可能性はほぼない。このままでは民主党政権は来年四月までに首相の自発的辞任か衆院解散・総選挙に追い込まれるであろう。
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fj197099 @fj197099

臨時国会が終わって今や民主党政権の「終わりの終わり」が近づいているように感じるのはきっと私だけではないだろう。菅首相は今回の国会を「熟議の国会」と位置づけて与野党協調を目論んだが、結果的にはそれは余りにも都合の良い思考だったと言うべきで、殆ど言うべき成果を残せず終わった。

2010-12-04 16:14:42
fj197099 @fj197099

今年七月の参院選で生じた衆参「ねじれ」の現状は余りにも大きい。衆院で法案可決しても参院で否決されれば後は衆院での2/3以上での再可決しかない(予算案他を除く)が、与党は現在それほどの議席を衆院で有していない。だから法案を与党が通すためにはどうしても野党の協力が不可欠であった。

2010-12-04 16:16:40
fj197099 @fj197099

しかし今国会の与党の国会答弁は野党というより国民に対して余りにも誠意のないものが目立っていた。今更繰り返す必要もないが、「船長釈放は地検の判断」「(自衛隊は)暴力装置」などの発言を想起されれば十分であろう。特に仙谷官房長官の答弁は自身謝罪を繰り返す羽目になるほど酷いものであった。

2010-12-04 16:21:35
fj197099 @fj197099

結局、終盤国会で政権は閣僚二人の問責可決と引き換えに補正予算を通すという妥協をせざるを得なくなった。問責された閣僚に仙谷官房長官が含まれていることは大きい。野党、特に自民党は年明けの通常国会でも仙谷長官出席ならば審議をボイコットする意思を既に表明しているからである。

2010-12-04 16:23:03
fj197099 @fj197099

菅政権は九月以降の外交の失敗も大いに目立ったが、こうした政権のアマチュア振りは結果として国民に大きな不安を与えることになり、内閣支持率の大幅低下に繋がった。そしてこの国民の離反を招いたことが、連鎖的に公明党の民主党離れに繋がり、与野党強調はますます困難となったのである。

2010-12-04 16:25:14
fj197099 @fj197099

衆参「ねじれ」の国会状況に直面する民主党政権が苦境を打開するためには大きく分けて三つの選択肢がある。①民公連携、②民自大連立、③民社国の再連携による衆院での再可決、である。このうち最も標準的なのは①であり、今国会で民主党は戦略的に公明党に接近せざるを得ない状況に置かれていた。

2010-12-04 16:28:35
fj197099 @fj197099

だが現状ではその可能性は相当程度に失われた。公明党は来年の統一地方選を睨み、負ける政党と連携する訳にはいかないからだ。そこで民公連携の見通しが崩れた今、民主党は残りの②③を考慮せざるを得ない状況に置かれている。これは仙谷長官の首切りや内閣改造をやってもどの道避けられないのである。

2010-12-04 16:31:07
fj197099 @fj197099

②はまず実現することはない。小選挙区制では大連立を実現することは難しいし、民主党自身が末期の自民党政権の打診を拒否してきた経緯もあるからだ。現在の自民党は敵失により勢いがある(相対的に)状況であって、落ち目の民主党をわざわざ大連立という形で救済する動機は殆どないと言うべきだろう。

2010-12-04 16:33:03
fj197099 @fj197099

そこで菅政権は現在、③に向けた取組みを行っているようだ。民主党は国民新党と連立している訳で、その国民新党は郵政民営化反対法案の可決を今国会で民主党に求めていた。衆参ねじれ状況でその実現は極めて困難な訳だが、だから亀井前代表は社民党とヨリを戻すことを民主党に要求しているのだ。

2010-12-04 16:35:48
fj197099 @fj197099

今から社民党と再連携しても参院での多数派に戻ることはできないが、衆院では定数の2/3の議席数にかなり近づく。党派に属さない議員も含めれば再可決も不可能ではないと言う訳だ。結局、菅政権は今年度末の予算審議を控えてこの形でないと関連法案を通すことができないと考えつつあるように思える。

2010-12-04 16:40:40
fj197099 @fj197099

だが客観的に言えば民社国の再連携こそ民主党政権の真の意味での「終わりの終わり」を齎すだろうとの予測が可能である。そもそもこれは実現不可能な要求である。社民党がなぜ五月に民社国連立から離脱したかと言えば、それは普天間問題を中心に政権との安保政策上の乖離が余りに大きいためであった。

2010-12-04 16:42:17
fj197099 @fj197099

言うまでもなく、外交・安保の問題は数ある政策分野の中でも最も本質的な領域の一つであって、この分野で定見を示せない政権は政治的には安定し得ない(例:鳩山政権)。それを考慮すれば、折り合えないことが明白だから袂を分かった政党と再び連携をする等ということは政治的自殺行為なのである。

2010-12-04 16:44:34
fj197099 @fj197099

ましてや先の沖縄県知事選で仲井間知事がどうにか再選され、これから普天間移設の具体的な計画を来春の日米首脳会談までに進めていこうとする時期である。朝鮮半島や東シナ海でかつてなく緊張が高まりつつある時に再び普天間を巡り鳩山政権の愚を繰り返す余裕が政権にあろうはずがない。

2010-12-04 16:46:38
fj197099 @fj197099

よって、③の選択肢は早晩破綻が目に見えている。結局、①②③のいずれも民主党にとっては余りにも険しい道である。せめて①を実現するためには問責された閣僚を交代させねばならないが、菅首相は「内閣改造はしない」と自らその可能性を断ってしまった。こうなるともはや政治的には救いようがない。

2010-12-04 16:49:31
fj197099 @fj197099

来年の通常国会でどのようなことが起こるかは分からないが、今のままでは菅=民主党政権は確実に年度末の予算審議で行き詰るだろう。そうなると可能性は二つしか残らない。A. 局面転換のための自発的辞任か、B. 衆院解散・総選挙である。だがこれらの手段を持ってしても民主党を救うのは難しい。

2010-12-04 16:51:57
fj197099 @fj197099

仮に菅首相が自発的に辞任したとしても、それに変わり得る候補は限定的だし、何より国会状況が本質的に変化するという保証がない。前原・岡田等の声もあるが公明党との連携を可能とするほどの切り札にはならないだろう。他方でこれから強制起訴される小沢は国民からほぼ完全に見放されている。

2010-12-04 16:53:47
fj197099 @fj197099

公明党は選挙前に内閣支持率を無視した連携を行うことは出来ないだろう。よって自発的辞任の可能性はそれほどない。そうなるとつまるところ、衆院解散で政権そのものを断念するしかないということになる。年度末政局が既に想定されているのはそのためだ。予算可決と引き換えに衆院解散もありえる。

2010-12-04 16:55:25
fj197099 @fj197099

以上のように考慮すれば菅政権は今後、もって来年四月までというところであると言える。その先は民主党政権が続くのかさえ分からない。無論、それまでに大きな政局が起こることもあり得る。来年の通常国会はかなり波乱含みのものとなるだろう。これはつまり政治的空白は極限に達するということである。

2010-12-04 16:57:43
fj197099 @fj197099

恐ろしいのは、この日本の政治的空白状況において、北朝鮮が再び韓国に武力挑発を行うことである。韓国は三度目の攻撃には必ず反撃で応じよう。そうなれば東アジアは米中を巻き込んだ紛争の渦にのまれることになる。実は国際環境から言えば、日本は国内の政争に明け暮れている余裕はないのだ。

2010-12-04 17:00:52
fj197099 @fj197099

昨年の政権交代から一年と数ヶ月を経て国民はどのような印象を持つのだろうか。私の目から見れば昨年の衆院選は「自民党がダメだから民主党」という消去法に基づく選挙だった。だが蓋を開けてみて民主党もやはりダメだという国民はかなり増えているだろう。政治の危機の継続が余りにも恐ろしい。

2010-12-04 17:08:05