キケロ『縁者・友人宛書簡集』『アッティクス書簡集』についての書き込み

和訳、アッティクス書簡集についても加えた
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Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

『古代ローマの饗宴』(講談社学術文庫)p86 自宅に養魚場をもつ贅沢貴族をキケロが「お池殿piscinarii」と呼んだ手紙の出展に「書簡集 I.19.6」とあるのは「アッティクス書簡集 I.19.6」の間違い。この間違いは原書から。

2012-02-12 20:00:19
Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

『キケロー書簡集』(岩波文庫)p367(F210)「奢侈取締令に私は騙されたのだよ」。「騙された」はない。mihi fraudi fuit は「ひどい目にあった」。この訳者はラテン語の力があるかもしれないが、謙虚さがない。なぜ英訳で確認しないで印刷に回したのか。

2012-02-13 12:48:20
Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

『キケロー書簡集』(岩波文庫)p367(F210)はdysentryを自信満々で「疝痛」と訳している。どこかで調べてんだろう。こういうところを見ると自信満々でわざとfraudi esse を「騙された」と訳したんだろう。困ったものだ。

2012-02-13 13:26:13
Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

『古代ローマの饗宴』のキケロの書簡の訳を比べてみるとShackleton Baileyの訳と大分違うが、Shackleton Baileyの訳が分り易いとは言いがたい。この『古代ローマの饗宴』の原作者の使った翻訳の方が正しいようにも思える。ただしイタリア語。

2012-02-13 19:24:40
Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

『古代ローマの饗宴』(講談社学術文庫)p102 注(13)(14)の手紙(33,4-5),(47,2-3)はアッティクスXIIIの巻数が抜け。間違いは原書から。

2012-02-14 16:21:55
Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

キケロの書簡集が宝の山であるのは知っていても、どこから手をつけていいかわからないし、前から読んでいってもよく分からいことが多くて投げだしてしまうが、『古代ローマの饗宴』のような本に面白い手紙が紹介されていたり、書簡の内容のあらましがわかると、英訳でも読んでみるかという気になる。

2012-02-14 23:12:15
Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

『古代ローマの饗宴』(講談社学術文庫)p102 キケロの弟の妻ポンポニアが演じた大騒ぎをその兄アッティクスに知らせた手紙は、アッティクスV.1。岩波文庫「キケロ書簡集」p169所収。

2012-02-15 00:37:05
Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

ただし岩波文庫の訳なのでわかりにくい。「クイントゥスは彼女に料理を運ばせた。それを彼女は拒んだのである」p171は、クイントゥスは妻である彼女に給仕をさせようとして断られたとも読めるが、そうではなく、食事の席につかない彼女のために特別に食事を届けてやったが食べなかったという意味。

2012-02-15 00:41:28
Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

キケロの弟は妻のポンポニアと折り合いが悪く、その日も客人との食事の席での自分の扱いが悪いとゴネたわけ。それをキケロは妻の兄に注意しろと、「あの日の君は人間味にかけていた」と言ってやれと翻訳。しかし原文のhumanusの訳は「人間味がある」ではなく「品位がある」を取るべきところ。

2012-02-15 00:53:43
Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

キケロ書簡集の読みやすい英訳 by Evelyn Shuckburgh はここ。pages.pomona.edu/~cmc24747/sour…

2012-02-15 02:39:11
Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

キケロー選集15『縁者・友人宛書簡集』二の1節「あなたはご自分の近親者たちから頼み事をされれば断ることができなかったので、あなたはこれを聞き入れた、それで、あなたが元老院で語ることに決めてあった私への賛辞を言わずにおくようにした、というところ」

2014-10-26 11:12:23
Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

@tomokazutomokaz →「メテッルス君は身内の言いなりになって元老院で言うことにしていた私への賛辞を言わず済ましてしまった、というところ」(と訳すと、メテッルスを馬鹿にしたようになるか)

2014-10-26 11:14:11
Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

『縁者・友人宛書簡集』二の3節「私は計算ずくでそうしたので」→「私はその方が都合がいいのでそうしたまでた」、「私が実際に言っているのは」→「私が言いたいのは」

2014-10-26 11:19:00
Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

『縁者・友人宛書簡集』二の4節「私があなたに対して果たした務めが忘れられることはないでしょう」→「私があなたに対して果たした務めは明らかでしょう」

2014-10-26 11:24:00
Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

『縁者・友人宛書簡集』三の1節末「ずいぶんと期待をもっていましたが、それを振り落とされて倒れ込んでいます」→「大きな野望をくじかれて落胆しています」

2014-10-26 14:27:09
Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

『縁者・友人宛書簡集』三の2節「私がいつも何にもまして喜びに感じるのは、自分が果たした務めを認めてもらえることです」→「私がいつも何にもまして喜びに感じるのは、自分は人のために尽くしているという自覚です」

2014-10-26 14:44:26
Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

『縁者・友人宛書簡集』三の2節「自分が背負う務めの方が多いことを私は喜んで辛抱します」→「私は自分の方がよけいに尽くしていることにはまったく平気なのです」

2014-10-26 14:51:40
Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

『縁者・友人宛書簡集』四の2節「先頃の手紙で、私がクラッススの家を買ったことがよい結果となるよう願ってくれていたが」→「先頃の手紙で、私がクラッススの家を買うことがよい結果となるよう願ってくれていたが」

2014-10-26 15:26:53
Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

『縁者・友人宛書簡集』四の2「仲間に入れてくれる者があるなら、陰謀を企てたいくらいだ」の後→「けれど、ある者は私を嫌って仲間に入れてくれないし、陰謀の懲罰者にあからさまな敵意を見せる者までいる。ある者は私に疑いの目の向けて私が罠を仕掛けているのではと思う始末だ。

2014-10-26 16:05:51
Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

@tomokazutomokaz 彼らは金貸したちを踏み倒しの危険から救ってやった私が金に困っているはずがないと思っているのだ。結局私は年利六分で沢山借りれそうだ。例の私の手柄のお蔭で私は安全な借り手であるという評判は得ている」

2014-10-26 17:56:10
Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

『縁者・友人宛書簡集』三の2節「私があなたにどれほど貢献しても、私はあなたとそれほど身近な仲にはしてもらえないようですが」→「私があなたに強い愛着を抱いているだけではあなたに親しみを感じてもらえないようですが」

2014-10-26 18:10:44
Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

『縁者・友人宛書簡集』三の2節「あなたが私にくださった手紙には、私を思うお気持ちがほんのわずかしか示されていませんが、それでも、私には嬉しいものでした」→「私宛にくださったお手紙には私への親しみの気持ちはあまり示されていませんでしたが、それでもあのお手紙は私には嬉しいものでした」

2014-10-26 18:41:35
Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

『縁者・友人宛書簡集』三はキケロがポンペイウスに出した手紙。「私はあなたと親しくなりたい」という気持ちが全面に出たファンレターのような手紙で、その中に私がカティリナの陰謀を阻止したことを少しぐらい誉めてくれてもいいのにと率直に書いて相手の懐に飛び込んで行く様子は読んでいて楽しい。

2014-10-26 19:46:37
Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

また、最後に小スキピオとラエリウス(キケロの友情論の主役の二人)みたいな友達になりましょうと締めくくるあたりは、茶目っ気たっぶりの手紙といえる。「あなたは小スキピオより上手を行く人だし、私もラエリウスには負けていませんから、政治の場だけでなくプライベートでも仲良くやりましょう」

2014-10-26 20:05:13
Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

『縁者・友人宛書簡集』四はキケロが目下のセスティウスに出した手紙。親しい仲間に対する手紙らしく、自分のカティリナ陰謀退治をネタにして 「借金を踏み倒そうとした陰謀団を退治したせいか、私は金貸し屋に評判がいいんだよ」と 軽口を叩いてみせるユーモア溢れる手紙。

2014-10-26 20:26:20
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