「経済学的な家族」ツイートまとめ その11

答えを求めて惑う息子はある日ふらりと学校に立ち寄った。しかし、そこではシリーズ史上最大の事件が・・・。長い旅路の果てに息子は何を見るのか?シリーズ第11弾公開!
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本の虫(本体) @honnomusi

経済学的なランチ放送SP1:風紀委員「みなさん、お昼のひとときいかがお過ごしでしょうか。本日は私が代理として投稿者の人生相談に乗りたいと思います。経済学的じゃないかもしれないけど、許してね。では早速相談者に繋いでみましょう。Bさ~ん」B「もしもし」

2010-12-04 19:23:54
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経済学的なランチ放送SP2:風紀委員「お悩みは何ですか?」B「実は私・・・・これから死のうと思うんです」風紀委員「は?」隣の部屋で様子を見ていた教師と悪友たち。教師「おい」教師は振り返る。顔がひきつっていた。教師「警察に連絡だ」

2010-12-04 19:27:07
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経済学的なランチ放送SP3:町中を徘徊する息子。ふらりと学校に立ち寄る。息子「ああ、そういえばもうずっと学校に行ってなかったな。ちょっと覗いてみるか」すると、中から慌しく人間が出てきた。息子「ん?何だ?」息子は不審に思い、中に入っていく。

2010-12-04 19:30:22
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経済学的なランチ放送SP4:学校内は騒然としていた。生徒会の人間が走り回り教室に呼びかける。生徒会役員「現在、相談者を探しの協力者を募集しています!」職員室では生徒名簿をひっくり返して心当たりを調べている。教師「事態は一刻を争うぞ!この携帯番号と一致する人間を探せ!」

2010-12-04 19:34:16
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経済学的なランチ放送SP5:息子「何だこれは・・・」殺伐とした学校の様子に呆然とする息子。すると、そこに悪友がやって来る。悪友「あれ?お前・・・もしかして○○か?」息子「久しぶりだな」悪友「どうしてたんだよ今まで・・・・っていうか臭せぇ!」息子「ここしばらく風呂入れてないからな」

2010-12-04 19:51:00
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経済学的なランチ放送SP6:悪友「って、こんな話してる場合じゃねえよ。実は・・・」事情を説明する悪友。息子「なるほど。ちょっと放送室を見に行こうか」息子は窓から放送室を見る。中では風紀委員が懸命の説得をしていた。B「私には、生きてる価値なんてないんです・・・」

2010-12-04 20:01:54
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経済学的なランチ放送SP7:しばらく様子を見ていた息子はその場を離れる。悪友「おい、どうしたんだよいきなり。」職員室に入る。息子「すいません。パソコンをお借りできますか?」息子は猛烈な勢いで検索を始める。悪友「何やってるんだ?」

2010-12-04 20:11:42
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経済学的なランチ放送SP8:息子「聞こえないか?さっきからずっと混じってくる音を」悪友「音?」耳を澄ますと確かに、会話の背景音として何かが聞こえてくる。息子「電車の発着音だ。しかもこれだけの頻度で鳴っているということは、相当な需要が見込める大都市だな。」

2010-12-04 20:14:28
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経済学的なランチ放送SP9:悪友「でも、大都市なんて一杯あるぞ。」息子「費用対効果を考えると、この近くに絞って調べるのが筋だろうな。焦点を絞らないと費用対効果が低い。そういった条件と電車の発着時刻を照らし合わせると・・・。」キーを叩く息子。息子「・・・ここだ」

2010-12-04 20:20:07
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経済学的なランチ放送SP10:列車が止められ、駅員や警官が入る。その様子を遠巻きに眺める息子たち。悪友「全く、とんでもない迷惑行為だよな」息子「利用客の減少による鉄道会社の損失、通勤できれば生まれたはずの付加価値、利用客の被った機会損失などなど」悪友「・・・想像したくもないな」

2010-12-04 20:23:57
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経済学的なランチ放送SP11:息子「よし、俺らは駅周辺を探すか」悪友「でも、もう声の主は別の場所に移ったかもしれないぞ」息子「いや、それはないな。」悪友「なぜだ?」息子「おかしいと思わないか?死にたいなら誰にも知らせずにひっそり死ねばいいのに、わざわざこれだけの騒ぎにしてる。」

2010-12-04 20:28:43
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経済学的なランチ放送SP12:悪友「つまり、自分に構って欲しいからこんな騒ぎを起こしているってわけか。」息子「そう、今携帯で聞いている限りでは向こうはまだこれだけの騒ぎになっていることに気付いていない。いざとなれば大勢から注目を集められる駅周辺を動くインセンティブはないさ」

2010-12-04 20:37:26
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経済学的なランチ放送SP13:息子「向こうが最も恐れるのは、死にたいという自分の主張が空脅しだと思われることだろうな。だからといって、下手にそこをつつくと逆上して何をしでかすか分からない。無事に確保するのが最優先課題だ。とりあえずこの周辺を探そう」

2010-12-04 20:44:17
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経済学的なランチ放送SP14:放送室で説得を続ける風紀委員。控え室の生徒たちはその様子を心配そうに見る。生徒1「何だか、顔色悪いよね」生徒2「そりゃあそうだろ。自分の発言が人の命に関わるんだから」生徒1「私、水渡してくる」生徒1はペットボトルを持って放送室に入る。

2010-12-04 22:06:57
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経済学的なランチ放送SP15:放送室のドアを開けた途端、控え室に他の生徒が入ってくる。生徒3「まったく、とんだ迷惑だよな。自分のわがままに人を巻き込んでんじゃねえよ!」大きな声で叫ぶ。B「・・・」次の瞬間、通話が途切れた。その場が凍りつく。

2010-12-04 22:10:20
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経済学的なランチ放送SP16:悪友の電話が鳴る。悪友「もしもし、どうした?」風紀委員「お願い!早く見つけて!」悪友「どうしたんだ、いきなり・・・」風紀委員「電話を切られたの!かけ直してもつながらない!私たち、あの子にとどめを刺しちゃったかもしれない・・・」悪友の顔色が変わる。

2010-12-04 22:13:46
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経済学的なランチ放送SP17:息子の頭に、新聞配達のときにおばあちゃんの姿がフラッシュバックする。鼓動が高鳴り、口の中に嫌な味が広がる。息子(また死ぬ。俺の周りで、人が・・・)悪友「おい、どうしたんだよ。震えてるぞ」息子は額に汗を浮かべる。頭の中に様々なものが渦巻く。

2010-12-04 22:26:21
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経済学的なランチ放送SP18:屋上で、少女は切った携帯を足元に置く。それ以降なる着信には見向きもしなかった。ビルの風で持っていたノートのページがめくれる。(物心ついたとき、私に両親はいませんでした。家計の圧迫要因である私に親戚が向ける視線は冷たいものでした。)

2010-12-04 22:34:10
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経済学的なランチ放送SP19:(「大きな政府」でも「小さな政府」でも、愛情の再分配はできません。「機会の平等」への道のりがいかに高く険しいかをそのとき私は肌で感じました。)悪友「おい、どうしたんだ、しっかりしろ!」その場で頭を抱え動かなくなる息子。

2010-12-04 22:50:01
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経済学的なランチ放送SP20:(この世には逆選択が溢れています。例えば、男女の仲。全く相手のことを大切に思っていない人に、必死にシグナリングをしてしまう。スクリーニングが甘いばかりに、後々にまで残るような大きな傷を負ってしまう。)

2010-12-04 22:58:25
本の虫(本体) @honnomusi

経済学的なランチ放送SP21:(ただ、私の存在を認めて欲しいだけなのに。私は、今後も上がり続ける承認の値段に甘んじなくてはいけないのでしょうか?・・・誰か、私に答えをください)少女は立ち上がり歩みを進め出す。悪友「どうしたんだよ!今動かなきゃ手遅れになるぞ!」

2010-12-04 23:11:15
本の虫(本体) @honnomusi

経済学的なランチ放送SP22:息子は我に返る。息子(そうだ、考えろ、考えるんだ。お前の頭は何のためにある!)外から悲鳴が聞こえてくる。見ると、外には人だかりができ、屋上を見ている。息子は悪友を置いて走り出した。階段を駆け上がり、屋上のドアを開ける。

2010-12-04 23:21:26
本の虫(本体) @honnomusi

経済学的なランチ放送SP23:少女の足がビルから離れ、下から声にならない悲鳴が上がる。空中に投げ出された少女の手を、息子が掴む。驚いた表情をする少女。少女「・・・何で私を助けるの?こんなに大きな騒ぎを起こして、周りに迷惑をかけたのに。私を生かす価値なんて・・・」

2010-12-04 23:32:01
本の虫(本体) @honnomusi

経済学的なランチ放送SP24:息子「価値ならあるさ!」少女「!」息子「一口に価値といってもいろいろある。利用価値、非利用価値、オプション価値、遺産価値、存在価値・・・、どんな人間にも価値がある。周りが認めてくれないのは、君の本当の価値に気付いていないだけだ!」

2010-12-04 23:39:30
本の虫(本体) @honnomusi

経済学的なランチ放送SP25:遅れて階段を駆け上がる悪友。そのとき、後ろから人影が近づき、悪友を抜き去っていく。悪友「!?お前は・・・」宙吊りのまま均衡を保つ息子と少女。掴んでいた手がすべり、外れ始める。息子(駄目だ、俺の力じゃ引き上げるところまでいかない・・・)

2010-12-04 23:44:32