ACV主人公VSアンサラー
ターボブロップエンジンのうなり。ツインローター。コンテナを抱えたそれを見て、彼は歓喜する。歓喜。歓喜などと言う言葉で表すべきものか、判然とはしない。そう呼ぶのが適切だから、そう呼ぶのだ。 #応報
2014-12-10 10:56:59時は来たれり。そう、彼は判断した。擱座し、地に埋もれ、骸を晒しながらも、その歓喜こそは彼を駆動するものであった。 #応報
2014-12-10 10:58:05「ああん?何よコレ」 その声を聞き、パイロットは眉間にしわを寄せる。そう、短いテキストメッセージがVHF帯で寄せられていた。「見よ、我らの答えを」 というごく短く、そして支離滅裂な文章。どこかの狂人が、荒れ野を彷徨した後に出てきたかのようなクソである。 #応報
2014-12-10 11:01:07地が、突如割れた。重汚染区域を通過する、というリスクを取ったのは間違いだった。そう考えていたパイロットにしてみれば、舌打ちしたい思いだっただろう。ヘリの操縦者である「ロザリィ」にしても同じ思いだったはずだ。オペレーターであるフランも、それは変わらない。 #応報
2014-12-10 11:04:13だが、それはリスクなどではない。リスクなどではありえない。かつて、世界を滅ぼした力。企業たちがその傲慢の果てに地を穢し続ける、という意志を如実に示すもの。 その名は「アンサラ―」 #応報
2014-12-10 11:05:20人類。例えお前たちが「我らの答え」を忘れていたとしても、我らは決して忘れない。そう言わんばかりに、アンサラ―は鼓動を開始した。 #応報
2014-12-10 11:06:12「緑色の雪?!」 その言葉を聞いた途端、パイロットは固定ハーネスを切り離す。重量が突然軽くなり、出力を低下させていなかったヘリ側は急上昇。そして、その空間を「粒子エネルギー」が通過する。 #応報
2014-12-10 11:07:21破裂した地表。緑色の粒子が、大気を満たす。装甲面がぎりぎりとうなりを立て、摩耗し、そして活動限界を示す。機を確認し、そして。 「この空域を離れろ。なるべく低く飛べ」 パイロットは、そう言って、通信を切った。 #応報
2014-12-10 11:09:57パイロットは、機のチェックプログラムを走らせる。通常型のライフル、そして、背には「オーバードウェポン」を背負っている。彼我の距離は数千。至近。 それゆえに、宝玉のごとき白い切子面から、緑色の雪が鼓動のように吹き出し、続ける。巨鯨とも言うべきそれを見て、舌打ちする。 #応報
2014-12-10 11:12:13どう殺す。どう殺さねばならない。パイロットは、ハイブーストで右に避け、スキャンモード切り替えスイッチを叩く。 #応報
2014-12-10 11:13:36データが、呼び出される。『OMER&Interior products ArmsFort Answerer』と記され、その切子面を攻撃せよ。と指示が表示される。その間にも、滝のように粒子が降り注ぎ、そのうちの一滴すら触れれば、蒸発してしまうことを、パイロットは『感じ取る』 #応報
2014-12-10 11:16:36手を広げるように、そしてかき抱くように丸くなり、そして回り始める。死ね、殺せ、我らを突き立てろ。アンサラーがごとき「答え」など、我らが粉砕する。そう言わんばかりに、猛烈なうなり声を立てる。 #応報
2014-12-10 11:20:25地を削り、砂を蹴立て、ブーストの炎よりも熱い「唸り」を前面に突出し、そして。 グラインドブーストを、起動した。 #応報
2014-12-10 11:22:07滝が、振ってくる。緑を超え、青に近い呪詛がディスプレイを埋め尽くす。構うものかと腕を突き上げ。切子面を破砕し、突き進む。 #応報
2014-12-10 11:23:46ぐじり、と手ごたえを感ずる。『傘」としか表現の仕様の無い部分を突き破り、グラインドブレードを強制排除。廃棄。 地を削り、砂を蹴立て、ブーストの炎よりも熱い「唸り」を前面に突出し、そして。 ハイブーストを、起動した。 #応報
2014-12-10 11:25:15